「循環器内科・心電図」★9点の教科書

“レジデントのためのこれだけ心電図”の感想

書籍名

レジデントのためのこれだけ心電図

created by Rinker
¥4,400 (2020/09/27 21:25:42時点 Amazon調べ-詳細)
4784947302

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:心電図で困ったとき

どのように:すぐに確認できる

 

読者の感想

(2020年2月 記)

正直、心電図は何冊も参考書を購入してしまいました。

初期研修医時代にまず読んだのが「3秒で心電図を読む方法」(メディカルサイエンス社)ですが、これは当たりでした。その後さらに勉強しようと思って何冊か購入したのですが、どれもマスターできたと言えるほど読み込めませんでした。

当レビューを閲覧されるような勉強好きの方ならわかっていただけると思うのですが、勉強しだすとあれもこれも学びたくなって、かつ、担当している患者さんのことでも色々と調べなきゃいけないし、、、と心電図だけに勉強時間を割いてトレーニングする暇ってあまりないんですよね。自分は計4か月半の期間を循環器に身を置いていましたが、それでも結局心電図には全く自信が持てないままでした(少し循環器入局も考えましたが、この理由でやめました)。

本書に出会ったのは医師3年目のときで、その時の初期研修医が持っていたのを見て欲しくなって買いました。やっぱり通読して読み込む時間はないのですが、「あれ?どうだったかな」と思ったその都度本書で確認しています。

その波形・不整脈になる病態・機序、その治療法がわかりやすく記載されており、入門書なのに辞書的な使い方をしています。ただ、筆者も「初心者がどのように勉強したら理解しやすく効率が良いか」ということにとても配慮されており、初期研修医が最初によむ本としても非常にオススメできます。

自分も研修医の時にこの本が発刊されていたら、時間もお金も節約できて、かつ心電図の基礎に自信が持てたと思います。ぜひ手に取っていただきたいです。

“この失神、どう診るか”の感想

書籍名

この失神、どう診るか

レビューした人

医師5年目、脳卒中内科医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目, 後期研修の働きたて, 後期研修中やそれ以降

 

この参考書を一文で表すなら

失神診療のリアルを楽しむ

 

読者の感想

以前読んだ「失神外来を始めよう!(文光堂)」に続いて、失神の知識を深めようと思い読みました。感想としては、滅茶苦茶面白かったです!正直、、、失神ナメてました(専門家の先生すみません)。

救急外来系の参考書の1章くらいでは語ることが出来ない内容がこの本には詰まっています。実際の20症例をベースに反射性失神、心原性失神、てんかんを主に解説しており、合間のコラムで重要な知識・トピックスが紹介・整理されています。普段お目にかかれない、というよりは見逃しているだけかもしれないような重要な症例がたくさん紹介されており勉強になりました。

非循環器医の自分としては、植え込み型ループ式心電計やtilt試験ってこんなに閾値低くやってんだなあという感想を持ちました。また、自分はてんかんを診ることも多いのですが、側頭葉てんかんでは心抑制型血管迷走神経性失神に極めて類似した脈拍変動がみられることがあるなんて恥ずかしながら初めて知りました。そんな風に、てんかんと失神の鑑別に対してもしっかり解説がなされています。

以前レビューした「失神外来を始めよう!(文光堂)」は何となく物足りなさがあったのですが、本書は症例ベースなおかげで失神診療のリアルを味わえました。

一方、問診事項や診察方法などに関する記載は乏しいため、そちらは「失神外来を始めよう!(文光堂)」で補うといいと思いました。お互い足りないものを補っているような印象で、2冊とも読んでよかったです。

先に読むなら1冊目は「失神外来を始めよう!(文光堂)」がいいかと思います。注意点として、やっぱり心電図の本ではなく「診療読本」なため、ハイリスク心電図の波形の解説などはありません。機会があれば、「心電図ハンター② 失神・動悸/不整脈編」もレビューしたいです。

失神を診る機会のある医師、特に循環器内科や神経内科を志望する方にとてもおススメです。研修医の先生や医学生であれば、まずは救急外来系の参考書から手を付けた方がいいでしょう。

“心電図ハンター②失神・動悸/不整脈編”の感想

書籍名

心電図ハンター②失神・動悸/不整脈編

created by Rinker
¥4,180 (2020/09/27 22:44:02時点 Amazon調べ-詳細)
4498037944

レビューした人

医師5年目、脳卒中内科医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目, 後期研修の働きたて, 後期研修中やそれ以降

 

この参考書を一文で表すなら

心原生失神の心電図およびコンサルトの達人になる

 

読者の感想

「失神外来を始めよう(文光堂)」、「この失神、どう診るか(メディカ出版)」に引き続き、失神の勉強のための3冊目として読みました。

どういった参考書かというと、以下の3点になります。
・心原生失神および動悸をきたす不整脈の解説が主。ページの約4分の3は失神について。
・不整脈の実際の波形の解説。
・その心電図を見た時のルーチンワーク、その後のマネジメントを詳しく解説。

本書の冒頭部分で「失神に対して循環器科に精査を依頼して、入院精査で心原生失神と診断できるのはほんの一部であり多くは正常なため、結局初回でとった病歴と心電図判断によりマネジメントが迫られる」との記載があります。よって、初回の心電図で心原生失神を疑う所見を読み取れる必要があり、その心電図に気づいた時のマネジメントを知っておく必要がある、というのが本書のコンセプトです。

これまでの2冊では、「こういった所見は心原生失神ハイリスク因子だよ」という解説はあったものの、実際の心電図波形の解説はほとんどありませんでした。本書では房室ブロック、脚ブロック、ブルガダ症候群、早期再分極症候群、不整脈原生右室心筋症、QT延長症候群、wide QRS tachycardia、デバイス関連などを詳しく解説しています。そして、なにより素晴らしいのがそのマネジメントまで詳しい点です。心電図は治療とセットで覚えましょうと書いてある本はよく見ますが、「緊急だから循環器コンサルト」としか書いていないことも多いです。本書ほど詳しく、循環器医の気持ちを考慮して、非循環器医は何が出来るのかを解説した本は自分は見たことがありません。

ただ、発作性房室ブロックなど来院時の心電図が心原生を疑わない場合はどうするのか、問診・身体診察ではどこに注目するのか、非心原性失神、植え込み型ループ式心電計の適応などについてなどはほぼ記載がなく、あくまで救急外来の心電図で不整脈を捉えることができたときに非循環器医はどう対応・マネジメントするのか?という本です。まあ、救急科の先生が書かれているので救急外来系の本になるのかなと思います。

コンサルトを受け、救急外来のその先も診なくてはならない循環器医が読むには物足りない本かもしれません。また、基本的な心電図の勉強をしてから読んだ方が効果的だと思うので、心電図の勉強としての1冊目としてはお勧めしません。

“個人授業心電図・不整脈 ホルター心電図でひもとく循環器診療”の感想

書籍名

個人授業心電図・不整脈 ホルター心電図でひもとく循環器診療

created by Rinker
¥4,400 (2020/09/27 11:49:32時点 Amazon調べ-詳細)
4260013351

レビューした人

医師3年目 循環器内科医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:循環器を専攻した初期
どのように:ホルター心電図を医師が判読する病院に勤務した時

 

読者の感想

その名の通りホルター心電図について実臨床で必要十分なレベルまで記載された本です。
ホルター心電図については病院によっては検査技師が判読する病院や医師が判読する病院等様々とは思われますが、循環器医師にとってホルター心電図の正確な判読は必須スキルです。

とはいえ、現実的にはその系統だった読み方を教えてもらえる環境というのはそれほど多くないのではないかと思われます。私もそのような状況でしたが、この本を読んでからは実臨床でホルター心電図の判読で困ったことはあまりありません(まだ経験年数は非常に浅いですが)
ホルター心電図に関してはまずはこの1冊と自信をもって進められる1冊です。

“心不全治療薬の考え方、使い方”の感想

書籍名

心不全治療薬の考え方、使い方

created by Rinker
¥5,280 (2020/09/27 23:11:10時点 Amazon調べ-詳細)
4498136586

レビューした人

医師3年目 循環器内科医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:初期研修~後期研修
どのように:心不全患者の治療方針を考えるとき

 

読者の感想

心不全診療について最新のエビデンスを織り込みつつ日々の臨床において必要十分な事が記載された良書です。

心不全について記載された本は数多ありますが、その多くが病態生理やPVループ等が詳細に記載された重厚な本が多い印象です。もちろんそれらが非常に重要な知識であり、日々の臨床に役立つことは言うまでもないのですが、初学者にとっては非常に敷居が高くなり、取り組みにくくなっていると思うところもあります。

本書にもそう言った記載もありますが、最小限にしており、それぞれの薬の機序やどのような患者に使用すべきか、また開始量や増量の際に気を付ける事等が記載されており、実臨床に即応用できる知識がちりばめられています。心不全患者を持つことになった初期研修医や心不全診療に興味のある医師は必読の医学書と思います。