書籍名
神経内科ケーススタディー 病変部位決定の仕方
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★☆☆
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
なぜ:神経内科診断における考え方の基礎が学べる
読者の感想
(2020年2月 記)
自分は内科の立場で脳卒中を専門としていますが、神経内科医ではありません。しかし、よく脳卒中以外の神経疾患も紛れ込んで紹介を頂きます。
新患外来をするようになった医師4年目の始めに購入し読みました。脳卒中ばかり診てきたけれど、そもそも自分は神経内科診断の基礎が分かっているのか確認したかったからです。脳卒中の場合、局在診断が曖昧な若手でも頭部MRIを撮像すれば結果オーライになることも多いですから。
読んでみて、これ勉強せずに神経領域にいたらこの先恥ずかしい目にあってただろうなと感じました。それくらい自分は神経診断の基礎がわかっていませんでした。一つ一つの診察方法のやり方は学んで何となくできていたけれど、まず全体像をつかむのに本書は最良だと思います。よって、神経内科のローテートが決まった初期研修医の1冊目に読むべき参考書として本書をオススメします。
古い本ですが、全体として100ページくらいの分量で、非常に読みやすい。数日で読めます。まず本書の第1章で、全ての神経疾患を発症様式(症状の完成に至るまでの速度)で鑑別することを学びます。わかっているようで、これ本当に重要なポイントです。これが分かっているだけで問診力や緊急性の判断、コンサルトの質が変わると思います。それに続いて、反射、末梢神経、長経路、脳神経などと病変部位決定の仕方を学びます。
本書では診断の考え方が非常によくまとまっていますが、具体的な診察方法や詳細な解剖学、各疾患の各論については明記していません。そのため、それらは他書で勉強しておく必要があります。それでも、本書読んだ後にそれらを勉強するとスムーズに頭に入ってきます。
次の参考書へのステップアップのための本ということで、読み返し度は3としました。神経内科の1冊目に是非どうぞ!医学生にもオススメします!