メジカルビュー社×医学書レビュー.comコラボ企画の3冊目は
『くすりが多すぎる! ポリファーマシー解消に効く50のTips』
です!
が書評を書いてくださりました!
- ポリファーマシーへの即戦力が身につく書籍
- 抗認知症薬、尿や排便・睡眠に関するトラブル別にまとまっているのがわかりやすかった
だそうです!それでは書評をご覧ください!
書名
くすりが多すぎる! ポリファーマシー解消に効く50のTips
レビュワープロフィール
外科・9年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★★ - よみやすさ
★★★★☆ - 使いやすさ
★★★★★ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★★
どんな本?
ポリファーマシーに特化し総論から各論まで網羅された一冊。
commonな症状や、それに対する具体的な対応方法/処方例なども記載され、ポリファーマシーへの即戦力が身につく書籍。
おすすめの読者層
- 初診外来を始めて受け持つ研修医や、外来経験の浅い医師へのポリファーマシー含めた外来診療の手助けになる
- ポリファーマシーが気になるも、どうしていいか分からない病院臓器別専門医
- 多疾患で悩む患者へのポリファーマシーへの対応に苦慮している開業医・総合医
- ポリファーマシーに対して認識を深め患者対応に活かしていきたい薬剤師などのコメディカル
良い点
具体的な処方例や副作用の記載がある(例えば漢方、あまり専門的に勉強される医師がすくない分野。「漢方薬1つの使用量を通常量の2/3として3種類」を1つの目安にするといい)などの具体例はありがたい。
外来で出会うことが多い排尿に関する主訴への対応、年齢性別分けされた処方例や注意事項は、非専門医には非常に有用。
半減期や作用発現時間が記載された睡眠薬一覧などは、たまに見たくなるけど探すのが手間。そのようなとっさに欲しいものがしっかりと記載されている。
悪い点
消化器専門の視点でいえば、排便障害⇒大腸がん初期症状の見逃し、便秘症⇒過敏性腸症候群の症状 などありえます。そのあたりの薬剤で改善しない場合に、実はこのような器質的疾患が考えられるという項目(疾患の羅列)があるといいかと思います。
認知症もTreatble dementiaの鑑別は実臨床では大事になります。特に若い医師がターゲットになり得るので、どの症状にも言えることですがそのあたりの記載があるといいかも。
ただポリファーマシーの本筋から外れるので、、、強いて言えば、という程度です。
レビュワープロフィール
腎臓内科・6年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★☆☆ - よみやすさ
★★☆☆☆ - 使いやすさ
★★★☆☆ - オリジナリティ・独創性
★★★☆☆ - 満足度
★★★☆☆
どんな本?
各内科である程度の知識を得た上で、ポリファーマシーについて興味を持つようになった際に参考になる本。
高齢者医療や総合内科に興味がある人向け。
おすすめの読者層
薬剤がある程度頭に入っている研修医2年目など。
地域医療や訪問診療に携わる前に読んでいると良いかもしれません。
良い点
- 抗認知症薬、尿や排便・睡眠に関するトラブル別にまとまっているのがわかりやすかったです。
- 最後のCase症例が実臨床に応じていて具体的でわかりやすかったです。→Caseより前のページの項目のところに、参照すべきCase症例を記載してあると、実臨床らしくなりより実践的に感じられそうです。
悪い点
- 小項目の羅列のような印象を受ける本となっているので、まとまりに欠ける気がします。大項目があった方が読みやすいと思います。
- p58まで患者さんとの対応の基本が記載されているように思いましたが、話が単調かつ似たような内容で長い印象を受けました。