メジカルビュー社×医学書レビュー.comコラボ企画の2冊目は
『急性中毒診療実践ルール16−当直・ER・ICUで役立つハーバード式クリニカルパール』
です!
が書評を書いてくださりました!
- 中々実際診療経験を積むことがむずかしい中毒への対応について、原理原則から実際の処置方法まで、具体的なエピソードを交えてわかりやすく解説してくれる一冊。
- 救急の現場に1冊あれば、レアな中毒患者に出会った時に救急専門医にも役立ちます。
だそうです!それでは書評をご覧ください!
書名
急性中毒診療実践ルール16−当直・ER・ICUで役立つハーバード式クリニカルパール
レビュワープロフィール
外科・6年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★☆☆ - よみやすさ
★★★★★ - 使いやすさ
★★★★☆ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★☆
どんな本?
中々実際診療経験を積むことがむずかしい中毒への対応について、原理原則から実際の処置方法まで、具体的なエピソードを交えてわかりやすく解説してくれる一冊。
おすすめの読者層
中毒患者が多数搬送される施設で研修されている研修医の先生方はもちろん、地域の中核病院でバリエーションに富む救急外来対応をする必要に迫られた中堅以上の先生方にも役に立つ一冊と思います。
良い点
- 覚醒剤中毒などはあまり診療する機会はないことが多いと思いますが、アセトアミノフェンや三環系抗うつ薬など、日常診療で使用する薬剤の中毒に関して十分に原理から症候、実際の対応まで理解されている先生方は多くないと思いますのでどの科の先生も一読しておく価値は十分にあると思います。
- 巻末のいざという時の拮抗薬リストは使い勝手が良さそうと思います。
悪い点
「悪い点」では特にないのですが、どちらかというと教科書的な使い方になるかなと思っていて、実際に診療でポケットガイドのように使うには少し使い勝手が悪いかなと感じます。
レビュワープロフィール
小児科専攻予定・3年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★☆ - よみやすさ
★★★★☆ - 使いやすさ
★★★★☆ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★★
どんな本?
日本であまり出会うことのない中毒患者にいざ遭遇した際に役立つ1冊です。
中毒患者の診断からマネージメントまで広くカバーしています。
おすすめの読者層
研修医の中毒の入門書として使えます。
また、救急の現場に1冊あれば、レアな中毒患者に出会った時に救急専門医にも役立ちます。
良い点
- 初期研修医や救急専攻医が中毒を体系的に学ぶときに使える入門書として使えます。ページ数も少なく1冊を読み切ってしまうのが良さそうです。
- 実際に中毒患者を救急の現場で診る際に、ささっと見返しておけば何をすべきががすぐに復習できます。
- 80ページの大麻に関するコラムのようなトピックは、患者さんから医師としての意見を求められる際に参考になります。
悪い点
- 日本では普段中毒患者を多くは診ず、本書はいざそういう患者が来た時に素早く見直したい時に活躍するので、もう少しコンパクトにまとまったページがあると良いと思います。
- 中毒は疫学的に日本で鑑別の上位には上がりにくい疾患ではあるので、アメリカと同じように中毒をあまり過度に検査する方向に勧めるのは注意すべきかと思います。