メジカルビュー社×医学書レビュー.comコラボ企画の4冊目は
『発熱の診かた・考えかた・向き合いかた』
です!
が書評を書いてくださりました!
- 発熱患者さんの診療に不安がある研修医、発熱患者さんの診断や治療に悩んでいる研修医が大いに活用できる書籍だと思います。
- 「解熱→軽快(実際には死亡前の熱産生ができなくなった状態であった)」「温泉・肺炎→レジオネラ」というような思い込みの危うさを強調しており、自身の日常診療における思考を改めるきっかけとなる。
だそうです!それでは書評をご覧ください!
書名
発熱の診かた・考えかた・向き合いかた
レビュワープロフィール
感染症内科・19年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★★ - よみやすさ
★★★★★ - 使いやすさ
★★★★☆ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★★
どんな本?
臨床医をしていると、発熱患者さんの診療を避けては通れませんので、こちらの書籍は、研修医の時に読んでおいたらとても役に立つと思いました。
発熱の総論~診断~鑑別まで分かりやすく説明してくれています。
おすすめの読者層
- 臨床実習や国試勉強をしている医学部の学生
- 国試合格して臨床の現場に出る前の研修医
- 臨床の現場で、なかなか発熱患者さんの診療にとまどう医師たち
良い点
- Ⅰで記載されている「なぜ医師は発熱の診療が苦手なのか」で、医師に共通のこころのシステムの内容が私自身知りませんでしたし、なかなかおもしろく分かりやすく記載されています。
臨床に入る前に、こういった心理的なことを記載されていることが、通常の医学書籍と異なり、とても良いと思いました。 - 発熱と脈拍の相関と相対的徐脈をきたす病態・状況など、表に示されて分かりやすい。
- P90に記載されているMEMO4-7 異常呼吸音のことがなるほど!と思いました。
(今どきの若い先生は、十分に診察せずに画像診断に頼りがちなので)
総じて、発熱患者さんの診療に不安がある研修医、発熱患者さんの診断や治療に悩んでいる研修医が大いに活用できる書籍だと思います。
悪い点
外来患者さんや入院患者さんの発熱の項目で、発熱患者さんの症例報告の記載(採血や画像写真とともに)をして頂けたら、さらにイメージが沸いて良いと思いました。
レビュワープロフィール
初期研修医・2年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★☆ - よみやすさ
★★★★☆ - 使いやすさ
★★★★☆ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★★
どんな本?
多くの若手医師が苦手とするであろう発熱診療に関して、診療する医師の心理にも注目した上で診察のポイントや鑑別を手っ取り早くまとめてくれている、発熱診療に対する苦手意識を軽減してくれる一冊。
おすすめの読者層
「患者が発熱したと聞くとなんとなく身構えてしまう」そんな臨床現場に出てまだ年数の浅い研修医や若手内科医師に向いていると思う。
良い点
- 第Ⅰ章ではなぜ多くの医師が発熱診療を苦手とするのか、発熱と聞いた時の心理反応をまとめてあり、自分の日々の診療と結び付けやすい。
- 「解熱→軽快(実際には死亡前の熱産生ができなくなった状態であった)」「温泉・肺炎→レジオネラ」というような思い込みの危うさを強調しており、自身の日常診療における思考を改めるきっかけとなる。
- 巻末付属の発熱時の頻度別・臓器別の鑑別リストやリンパ節腫脹の部位別鑑別リストは日常診療で困ったときにも役に立つと思う。
悪い点
発熱と聞いてまず考えること、診察すべきこと、検査で見るべきデータ等診療の最初の第一歩に関しては詳しく書かれていますが、各疾患に関しての説明は少なく治療に関してはほぼ触れられていないため、個別に調べる必要がある。