メジカルビュー社×医学書レビュー.comコラボ企画の4冊目は
『ICUレジデントブック』
です!
が書評を書いてくださりました!
- 働き方改革とともに、徐々に現場でのトレーニングの「量」が減少しているが、本書はICU病棟で遭遇するプロブレムのほとんどが網羅されており、内容も非常にわかりやすいことからも、トレーニングの「質」を飛躍的に上昇させてくれる
- これからICUで働く初期研修医や集中治療を専門として働き始めた専攻医が押さえておきたい内容が濃縮された一冊
だそうです!それでは書評をご覧ください!
書名
ICUレジデントブック
レビュワープロフィール
外科・5年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★☆ - よみやすさ
★★★★★ - 使いやすさ
★★★★★ - オリジナリティ・独創性
★★★★★ - 満足度
★★★★★
どんな本?
働き方改革とともに、徐々に現場でのトレーニングの「量」が減少しているが、本書はICU病棟で遭遇するプロブレムのほとんどが網羅されており、内容も非常にわかりやすいことからも、トレーニングの「質」を飛躍的に上昇させてくれると感じた。
おすすめの読者層
専門分野を問わず集中治療に携わる医師全員にお勧めしたい。特に、本書を片手にICUトレーニングを行うことは、実践を通して学ぶスタイルである「On the Job Training(職場内訓練)」の理想的な形だと思う。
良い点
自分のこれまでの研修を振り返っても、ICUの領域だけは体系的な教育を受けた記憶がないが、本書は基本的な内容から専門的な内容まで、非常に見やすいレイアウトで「ICUの考え方」を伝授してくれている。
悪い点
p.34のP/F比は高濃度酸素投与中の評価であることの説明があるといいと感じた(微量酸素投与中ではFiO2が正確ではないということなど)
レビュワープロフィール
救急科・17年目
各項目評価(5点満点)
- お求めやすさ(価格)
★★★★☆ - よみやすさ
★★★★★ - 使いやすさ
★★★★☆ - オリジナリティ・独創性
★★★★☆ - 満足度
★★★★☆
どんな本?
本書は、重症患者を管理するために必要な集中治療の実践的な知識を、基礎からより専門性の高い発展的な内容まで、非常に広範囲に網羅しています。これからICUで働く初期研修医や集中治療を専門として働き始めた専攻医が押さえておきたい内容が濃縮された一冊です。
おすすめの読者層
- ICU、救急のローテーションを始める初期研修医
- ICUに従事する救急科、麻酔科の専攻医(後期研修医)
- ICUに従事するが、集中治療を専門としない医師
良い点
- 第4章 臓器管理Ⅱ(治療編) 2 人工呼吸管理(初期設定)では、設定画面の図をメーカー毎に用いて詳細に解説されており、不慣れな初期研修医でも理解しやすく記載されています。
- 第3章 臓器管理Ⅰ(評価編) 循環と呼吸の評価に記載されたStep up! や、第4章 臓器管理Ⅱ(治療編) 3-2 非同調、5-1 肺リクルートメントの項目など、専攻医以上の医師にも参考になる内容が各所に盛り込まれています。
- 第6章 ICUでよく見る問題へのアプローチ(全項目)では、ICUの上級医が普段どのように考え対応しているか、問題毎に根拠が詳しく説明されています。本書を参考にすることにより、場当たり的な対応ではなく、根拠に基づいた適切なアプローチが実践できます。
- 第9章 ICUで使用される輸液・薬剤投与の仕方は、特にICUでよく使うカテコラミン、鎮痛・鎮静薬など、具体的な投与量が知りたいときに有用です。
悪い点
- P.213 20行 「P0.1 < 3.0」 と記載されていますが、これは気道閉塞圧を指します。P.221 9行に「気道閉塞圧(P0.1)」とあるものの、それほど普及した名称ではないためP.213の時点で解説があった方が良いです。
- P.218 「次にリクルータビリティの評価を行う」となりますが、具体的な評価方法はP.102に記載されています。詳細はP.102を参照、などの記載があるとわかりやすいです。
- 全体的に参考文献の記載が少ない印象です。さらに勉強したい研修医が根拠論文を調べられるよう、文献の記載があると良いと思います。