書評コラボ

【書評コラボ③】季節をヒントに皮膚を診る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

メジカルビュー社×医学書レビュー.comコラボ企画の3冊目は

『季節をヒントに皮膚を診る』

です!

総合診療科・6年目の先生

皮膚科・12年目の先生

が書評を書いてくださりました!

  • 日常臨床で出会う皮膚疾患が、“季節”という視点から、わかりやすくまとめられた一冊
  • 具体的な治療法や生活指導まで記載があり、皮膚科医でなくとも正しい知識を臨床現場で提供できるようになる

だそうです!それでは書評をご覧ください!

書名

季節をヒントに皮膚を診る

created by Rinker
メジカルビュー社
¥5,500 (2023/06/02 00:10:01時点 Amazon調べ-詳細)
4758321906

レビュワープロフィール

総合診療科・6年目

各項目評価(5点満点)

  1. お求めやすさ(価格)
    ★★★☆☆
  2. よみやすさ
    ★★★★☆
  3. 使いやすさ
    ★★★★☆
  4. オリジナリティ・独創性
    ★★★★★
  5. 満足度
    ★★★★☆

どんな本?

日常臨床で出会う皮膚疾患が、“季節”という視点から、わかりやすくまとめられた一冊。臨床現場でさっと使えるレファレンスやアトラスとして活用でき、通読することでCommonな皮膚疾患の知識アップデートにも役立つ。

おすすめの読者層

  • 一般診療で皮膚症状にも対応する必要のある内科医や総合診療医
  • 頻度の高い皮膚疾患を効率よく勉強したい医師・研修医

良い点

  • Commonな皮膚疾患が季節ごとに疾患がまとめられているため、診察している季節にあわせて考えるべき鑑別疾患がわかりやすい
  • 各疾患の解説ページの冒頭に「疾患Summary」と「問診で確認すべきこと」が掲載されているため、臨床電場でマニュアル的に活用できる
  • 臨床写真が数多く掲載されているため、アトラスとしての利用価値が高い。
  • 正式な疾患名ではないものの、臨床現場ではよく見かけるような病態(例えば「季節性敏感肌」など)も掲載されている。
  • 「皮膚科専門医へ紹介するタイミング」も掲載されており、非専門医がどこまで自分たちで診てもよいのか、そのラインがわかりやすい。

悪い点

「治療・生活指導」の項目の記載が具体的かつ簡潔にまとめられている一方、フォローアップの頻度や治療期間の記載もあると、なお良かった。

レビュワープロフィール

皮膚科・12年目

各項目評価(5点満点)

  1. お求めやすさ(価格)
    ★★★★☆
  2. よみやすさ
    ★★★★☆
  3. 使いやすさ
    ★★★★☆
  4. オリジナリティ・独創性
    ★★★★★
  5. 満足度
    ★★★★★

どんな本?

外来に置いておきたい1冊。花粉皮膚炎、日焼け、しもやけなど、皮膚科診療は季節に関連した疾患が多い。

本書は、季節をテーマに豊富な写真や図とともに各疾患が解説されており、臨床の実際を勉強できるとともに、患者説明にも用いやすい。

おすすめの読者層

皮膚科医はもちろん、皮膚疾患を診ることの多い医療従事者、研修医や学生。

良い点

  • 臨床に沿った症例や検査の写真が多く掲載されているため、臨床経験を積まないとわかりづらい内容も可視化されて理解しやすい。皮膚科の教科書にも、なかなか載っていない臨床写真も多く、専門性の高さにも驚いた。
  • 具体的な治療法や生活指導まで記載があり、皮膚科医でなくとも正しい知識を臨床現場で提供できるようになると思った。
  • 例えば、クラゲ皮膚炎やサンゴ皮膚炎などは、地域によってはほとんど経験しないかもしれない。しかし、長期休暇シーズンや当直中などに、診察する機会が突然やってくるかもしれない。。。いや、ときどきある。。。そういう時にも季節ごとにさまざまな疾患を扱っている本書は役立つに違いない。
  • 皮膚科専門医に紹介するタイミングの目安が記載されており、皮膚科を専門としない医師にとっても安心できると思った。各分野のスペシャリストの先生が詳しく解説しているため、内容のボリュームはあるが、ハイライトや色分け、カテゴリー分類されており、読みやすくする工夫がされている。

悪い点

  • 皮膚科学、皮膚疾患を広く勉強する場合は、いわゆる皮膚科の教科書が必要である。本書では多くの疾患が扱われているが、あくまで季節をテーマに臨床の頻度が高いものが中心の内容である。
  • 季節をはっきり分けることが難しい疾患もあるため、ある程度横断的に解釈することも必要である。本書で分類されている季節以外でも発症することもあるため、季節外でも否定せずに鑑別をしっかり行うことが大切である。
    もし統計学的なデータ、科学的根拠がある場合や、経験的・慣習的にこの季節に診られることが多いと考えられるなどがあれば、そういった内容も明示していくと、季節をテーマにした本の特徴がより一層印象に残りやすいかもしれない。
  • 本書では季節(大カテゴリー)と、動植物由来、気候由来、その他(小カテゴリー)の分類がされているが、そのカテゴリー類中の疾患を病因別にまとめた方が調べやすく、より読みやすくなると感じた。
    皮膚科専門医のように、皮膚疾患に精通していれば理解しながら読めると思うが、学生や研修医、皮膚科を専門としない医師が読む際には、病因や特性順に並べたほうが理解しやすいように感じました。
    もう少し具体的に説明すると、皮膚科の教科書の場合は、目次をみると

    「湿疹皮膚炎」「角化症」「水疱症」「細菌感染症」「真菌症」「ウイルス性疾患」、、、

    など病因や疾患の特性ごとにまとめられ並んでいる。
    本書では、例えば、「夏・その他」をみると、

    白癬→夏の細菌感染症→手足口病→あせも→シラミ→とびひ→癜風→みずいぼ、、

    と並んでいて、これを病因で表すと、

    真菌症→細菌感染→ウイルス性疾患→湿疹皮膚炎→虫→細菌感染→真菌症→ウイルス、、

    のようにバラバラに疾患が並んでいることになる。
    例えば、以下のように病因ごとに整理したほうが、皮膚科の教科書のように整理されて、調べやすく読みやすくなると考えられる。

    あせも→夏の細菌感染症→とびひ→手足口病→みずいぼ→白癬→癜風→シラミ
    湿疹皮膚炎→細菌→細菌→ウイルス→ウイルス→真菌→真菌→虫
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

コメントを残す

*