書籍名
めまい診療シンプルアプローチ
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★☆☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:救急外来ローテ中に、めまいを主訴に来院される患者さんが多く、緊急でない→帰宅というアセスメント・プランから一つ抜け出したくて手を取りました。
どのように:読んだ後は、めまい診療への理解がかなり深まり、真の診断へのアセスメントがより深くできるようになりました。診断に必要な病歴聴取も上手になり、不要な画像検査や処方が少なくなった実感もあります。
読者の感想
(2020年2月 記)
めまいの患者さんに何となく頭部CTを取っていませんか?
Yesと答えたそこのアナタにはこの本が非常にオススメです笑
めまいも他の疾患と同様で医師として基本中のきちんと病歴をとって診察するということが非常に重要であるということは本書は教えてくれます。
本書では、末梢性めまい・中枢性めまいのそれぞれ各疾患について扱っています。病態生理に立ち返って説明した上で、診断に必要な具体的なアプローチが提示されており、明日からの診療に活きる即戦力の知識が身に付きます。
BPPVって言ったけど正直他の末梢性めまいでの眼振ってどんなパターンがあるの?とか、CT取って帰宅させたけど中枢性じゃないのかな?とか、めまい診療でモヤモヤを抱えている人には是非本書を取ってください!不要な検査・処方・専門医紹介が格段に減ることを実感するでしょう。それだけで日本の医療に貢献しているはずです笑
レビューした人
医師4年目、脳卒中内科医
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:めまいの見方をスッキリさせたいとき
読者の感想
(2020年2月 記)
自分は脳卒中が専門ですが、末梢性めまいの患者も多く診ます。正直、めまいを主訴とした中枢性めまいに遭遇した経験は数える程度です。それでもめまい患者は当科に沢山来られます。耳鼻科が手術日だと難聴、耳鳴りがあっても当科が見なきゃいけないという謎ルールがあるのも理由の一つですが、患者さんが頭を心配することがとても多いのが1番の理由です。
本書は文字通りシンプルにめまい診療を行うことを説明しています。幅広く対応できるフローチャートを用いて一貫した考え方を示しており、読んでいて非常に頭に入ってきます。初学者でも読みやすいです。
まず総論部分までの37ページを読むだけでもクリアカットに理解できます。本書で勉強した後は、末梢性めまいを自信を持って末梢性と診断できるようになりました。例外についてもキチンと解説しており、中枢性めまいの記載もあります。小難しい眼振の機序も書かれていますが、専門でなければ読み飛ばしても問題ないです。
欠点としては、やはりフレンツェル眼鏡を用いることを前提としている(まあ、そもそもそうするしかないのですが)ことや、定価4500円とややお値段が高いこと、購入する研修医が多いであろう「救急外来ただいま診断中」でもそれなりにめまいの解説がなされている(こちらはめまいを主訴とするめまいではない疾患の鑑別も解説されている)ためコスパで劣ると思いました。あと、眼振所見は忘れやすいため、読み返し度は5にしてます。
めまいを診る機会は多いと思いますので、一度しっかり勉強して頭を整理するには優れた本だと思います。