本サイトでは、参考書ごとの総合評価として★10点で記載しています。
(10点満点の基準として、「100冊に1冊の名著で1年に1冊出会うかどうか」)
本記事では、若手医師の臨床能力向上に大いに役立つであろう、★10点満点の参考書をカテゴリ別に紹介していきます。
目次
救急外来
抗菌薬・感染症
循環器内科・心電図
腎臓内科
呼吸器内科
消化器内科
神経内科
外科
麻酔科
集中治療・救急診療
小児科
精神科
画像診断
研修医お役立ち
救急外来
抗菌薬・感染症
“小児感染症の診かた・考えかた”の感想
書籍名
“小児感染症の診かた・考えかた”
レビューした人
小児科医4年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
発展編、後期研修働きたて向け
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:小児感染症を診るとき
なぜ:小児科で感染症の考え方を書いたまとまった参考書がない中、この参考書が一番勉強になるから
読者の感想
小児感染症分野だと、この「小児感染症の診かた・考え方」と「小児感染症のトリセツ」の2冊がとてもよい参考書なのですが、個人的な好みでこちらの方にのみ星10個の満点の評価をしています。
僕が読んできた参考書200冊中、確かまだ2−3冊にしかつけていなかった満点をここでつけました。
トリセツ同様に、抗菌薬の1つずつの特徴や、肺炎・中耳炎・蜂窩織炎など項目ずつの解説もしっかりしており、全体的に分量も多いことからトリセツよりも詳しいです。
またchapter4に書かれている「月齢による発熱の対応の仕方」に関しては、救急外来で悩むことや、自分の中でしっかりとしてルールにできていなかった部分をしっかり説明してくれていて、さらに自分の診療をブラッシュアップすることができました。
「この年齢層では呼吸器症状がなくてもoccult pnuemoniaを疑ってX線をとる」など、ちゃんと決められている人はどれだけいるでしょうか。
Hibや肺炎球菌のワクチンは何回打っていれば予防効果を期待してよいか、など個人的に疑問に思っていたことにズバリ答えてくれてとても勉強になりました。
小児でよく問題となる、肺炎や尿路感染症についての解説や、抗菌薬ごとの説明に関してもある程度しっかり勉強していたはずですが、それでも知らない役に立つ知識がまとまっており、目から鱗でした。
イメージでいうと、トリセツよりもより”考え方”の部分に重点をおいてくれている印象でした。
小児科後期研修の方は、絶対買って読んでください。読んでないだけで周りと大きな差が出来てしまいます。
“感染症 診療マニュアル”の感想
書籍名
感染症 診療マニュアル
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:初期研修2年間の全て
どのように:感染症診療において大切なことが網羅されている
読者の感想
(2018年1月 記)
研修医生活の中で何度も読み返した参考書です。
初期研修の2年間で常に役立ったので、「研修医必携の参考書!」と言っても過言じゃありません。
どの診療科においても感染症の診療は重要で、病棟管理の際に必ず抗菌薬を使用する機会があります。
研修医が抗菌薬の処方や病棟管理を任されるほどに、この参考書の素晴らしさが分かってきます。
値段は1万円と高いかもしれませんが、この参考書を購入して後悔することはありません!
抗菌薬自体の勉強に関しては他の参考書を使った方がいいかもしれませんが、感染症治療を行う際には是非参考にしていただきたい1冊です。
レビューした人
初期研修医2年目。3年目からは小児科専攻の予定
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★★☆
参考書のレベル
発展編
使用した場面、役立ったエピソード
感染症について色々調べたい時に、辞書として
読者の感想
言わずと入れた青木先生の名著です。感染症の考え方の原則から抗菌薬、疾患、病原体のことまで網羅的に詳しく書いてあります。通読というよりは辞書的に使用することに向いていると思います。
循環器内科・心電図
“3秒で心電図を読む本”の感想
書籍名
3秒で心電図を読む本
レビューした人
初期研修医1年目
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて
この参考書を一文で表すなら
即効性のある心電図の本
読者の感想
THE、すぐ仕事する本。
数時間で通読できて心電図の確認ルーチンが鍛えられます。
学生時代も一読したけど、非常にわかりやすい。 ただし心電図がどうとかそういう話ではなくまず心電図が何を伝えているかを読み取るという内容なので詳しいこと話は他の本に譲るべきです。
まず動けるようにという意味でおすすめの本です。
最後のページにまとめのまとめのページがあり、非常に見やすい上に練習問題で演習も可能というとてもありがたい構成になっていますが、自分の場合は一応別にOnenoteに確認の意味をこめてまとめ直したりもしました(それがいいのかどうかはわかりませんが…)
とにかくいい本なのは間違いないです。
レビューした人
医師4年目、脳卒中内科医
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★☆☆
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
どのように:心電図の勉強の1冊目として
読者の感想
(2020年2月 記)
初期研修医のとき、医学書として初めて購入したのが本書です。
心電図の教科書というよりは読み物に相当すると思いますが、非常に良かったです。ブログ主様も「正常心電図を自信をもって正常と言うことができるようになる」、「心電図への抵抗が減る」とおっしゃっていましたが、まさしくその通りです!
付け加えさせて頂くと、自分としては「勉強への抵抗」が減った一冊でもあります。そのくらい筆者の語り口が面白くて、「医学書ってこんなに面白いの?」と衝撃を受けました。それ以降、参考書での勉強を全く苦に思わなくなりました。
是非、心電図の勉強の1冊目としていかがでしょうか?
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★☆☆☆
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:研修1年目の最初
どのように:心電図への抵抗感が減る
読者の感想
研修1年目の最初に読んで良かったと思えるオススメ参考書です。
どの診療科であれ心電図は読まなくてはいけませんが、この参考書によって正常心電図を理解でき、「心電図への抵抗感」が減って心電図の勉強に入っていきやすくなるかと思います。
ただ、この参考書はとっかかりとして優秀ですが、心電図を見て異常を指摘できるようになるためにはさらに勉強が必要です。
その段階に至ったら別記事で紹介している「心電図の読み方 パーフェクトマニュアル」や「心電図の読み方、診かた、考え方」で掘り下げて勉強していくと良いかと思います。
レビューした人
初期研修医1年目、産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★☆☆
参考書のレベル
研修医働きたて, 学生にも有用
この参考書を一言で表すとすれば
心電図の読み方入門書
読者の感想
3秒とまではいかなくても、数秒で心電図の重要な部分を読むことができるようになるのではないかと思います。
まずはこの本で心電図に対しての苦手意識をなくしたり、この本の心電図の読み方で練習を重ねて、循環器内科を周るときにより詳しく書いてある心電図の本を読めばいいのかなと思いました。
腎臓内科
“研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡”の感想
書籍名
研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
輸液電解質に一本踏み込む
読者の感想
こちらは僕が輸液の本で一番読み込んだ参考書です。
輸液の本は他にもいろいろ読みましたが、個人的にこの本の好きなポイントは、尿細管の生理が詳しく、かつクリアカットに書かれているところでしょうか。利尿薬の理解もしやすくなります。
他の輸液の本は体液動態を中心に述べているのが多い印象ですが、この本は利尿薬の他にも電解質異常や、中心静脈栄養についても書かれていたりと、より臨床的な印象です。これを一通り読んで理解できれば、上級医との輸液選択、電解質異常の議論に困らないと思います。本書を読み終えたら、周術期の輸液も理解しやすいかと。
内容はややアドバンスドで、基礎的な輸液組成や体液動態を理解してから読むのがベターだと思います。
よって、初期研修始まる前orなりたてのときに、輸液勉強するぞー!と気合い入れて読むには少し早いかも。たとえば「内科レジデントの鉄則」で該当ページを一通り読んで、輸液をある程度処方するようになってから、各論的にこの本で掘り下げるというやり方がいいと思います。
呼吸器内科
”国試で耳学問”の感想
書籍名
国試で耳学問
レビューした人
医師5年目 産婦人科
おすすめ度(5点満点)
★★★★★
理解しやすさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
くわしさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
読者の感想
とっっても読み応えのある本で、学生・初期研修医の先生に強くおすすめします。
国家試験問題を解くのと実際の臨床で患者さんを見るのはやはり解離があって、たとえば国家試験の勉強とOSCEの勉強でもやり方は大きく違いますよね
なにより、国家試験の問題を通して臨床現場をイメージするという視点で作られてるのが新しいと思います。文章も語り口調で自分の中に入っていきやすいですし…
ちょうど国家試験が終わった学生の方々や、初期研修医の先生方にとっては特に読みやすいのではないのでしょうか? CBTが終わってこれから実習!の学生の方々にも予習教材としておすすめです。
おそらく自分だったら病棟実習が始まる前に買って、ローテーションしながら勉強したかなと思います国家試験問題を読み解く、という点では予備校教材とはまた違った面白さもありますね。
お値段もかなりリーズナブルになってるので(1600円でこれだけ内容濃い本はなかなか出会ったことないです…!
しかもnoteだと1200円…!!)、比較的手に取りやすいと思います新年度が見えてきたこの時期、空き時間の勉強にピッタリな一冊だと思います。
レビューした人
医学科5年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国家試験対策の教材での解説とは異なる視点から問題を読み解いていくところが非常によかった。
文量も多すぎず読むのが全く苦にならないだけでなく、その文量の中で大切なところ、臨床で役立つところを丁寧に解説されており非常に勉強になった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
文章の中で、太文字や赤文字だけでなく蛍光マーカーが多用されており、ぱっと見での重要な部分がわかりにくかった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★☆☆
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
導入が医師国家試験の過去問からのため、医師国家試験受験後のこの時期にはスッと情報が入ってくるように感じ、良かった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
紙媒体であれば気にならないのかもしれないが、電子書籍として読んでいると、紙面がやや明る過ぎて、読みづらさを感じた。他の電子書籍を読んでいる時と比べて、デバイスの明るさを暗くすることが多かった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★☆☆
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★☆
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国試でなぜ厚労省がその問題を出題しているかを実際の専攻医の立場からみてわかりやすく解説されていて非常に読みやすかったです。さらに、私自身が国試受験直後ということもあり、疾患にfocusしてしまいがちですが、この本では患者であったり実際の現場の対応等幅広い視野を再度認識できました。また色使いも章毎に統一されていて非常に見やすかったです。
何科の章が一番面白かったか
耳鼻科が一番興味深かったです。国家試験勉強で理解している気になっていた気管孔と気管切開の違いが全く理解できてなかったことを認識させられました。また、中耳炎という一般的な疾患を合併症含め取り上げてくださっているのも非常に内容が頭に入ってきました。
本に対して持った「悪い」印象
全体的に正直国家試験予備校で教わったことが多く、国家試験と臨床の架け橋というコンセプトはわかるのですが、もう少し臨床寄りの難しめの内容、例えば眼科の緑内障の治療であったり、小児科の緊急疾患などを深く知れたらないいなと思いました。
“レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室”の感想
書籍名
レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
レビューした人
医師4年目、脳卒中内科医
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:初期研修医から必ず役に立つ
なぜ:わかりやすく、呼吸器の考え方が理解しやすい
読者の感想
(2020年2月 記)
これは名著でしょう。自分は1年目の7月に読み、本当に面白いと思いました。第2版を読みましたが、第3版が出ているようですね。
最初は必要なところだけ拾い読みしようと考えていましたが、気づけば2週間くらいで読破しました。上級医からは「それ読破したなら入局しないとね(笑)」と言われました。
総論的な知識、胸部レントゲンの見方、酸素療法、人工呼吸器の初歩の考え方、喘息・COPDの基礎、肺炎治療、結核の考え方など、今後の医者人生において財産になる知識ばかりです。この本を呼吸器内科の入り口・土台として、専門性を高めたければ各呼吸器疾患の勉強をすればいいと思います。
自分は呼吸器内科研修中は本書を繰り返し読み、その他は感染症・抗菌薬の勉強も同時にしました。1年目で読めたことは幸運でした。
5000円くらいとやや高いですが、その価値はあります。
レビューした人
研修医2年目
3年目からは循環器内科を専攻する予定
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:呼吸器系の疾患に当たった時
なぜ:基本がわかっていないなと感じた時
読者の感想
基本の基本から細かくわかりやすく記載してある。聴診所見等わかってるつもりだけどよくわかってなかったことも書いてあるので助かる。呼吸器設定の入門もわかる。
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★☆☆☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
どのように:肺炎の抗菌薬治療の部分がかなり分かりやすかった
読者の感想
研修2年目の8月に読んだのですが、1年目で読み込んでおけば…と反省したほど良い参考書です。
研修2年目に読んでみて「心不全」や「画像教室」といった項目については知ってる部分も多かったですが、「咳の鑑別」、「肺炎の抗菌薬治療」に関してはとても勉強になりました。
特に「肺炎の抗菌薬治療」の項目は分かりやすく、新しい知識を仕入れ、頭の中を整理できました。
他にも「MRSAは耐性菌である前にブドウ球菌である」には納得でした。
喀痰からMRSAが出るとMRSA肺炎とか騒いでしまいますが、そもそもブドウ球菌による肺炎を見たことがあるでしょうか?笑
研修1年目であっても、呼吸器内科をローテする時には是非読んでみてください!
消化器内科
“上部消化管内視鏡診断マル秘ノート”の感想
書籍名
上部消化管内視鏡診断マル秘ノート
レビューした人
消化器外科の先生(医師10年目)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
この参考書を読むタイミング
後期研修の働きたて, 後期研修中やそれ以降
この参考書を一文で表すなら
消化器内視鏡医のバイブル
読者の感想
とにかく癌のことに特化して記載している。他のマニアックな良性疾患にはページは割いておらず、癌に関する詳細な考察が物語形式で書かれている。そのため、読みやすく勉強になるし、非常に実践的な一冊である。
“ブラッシュアップ 急性腹症”の感想
書籍名
ブラッシュアップ 急性腹症 第2版
レビューした人
医師3年目、総合診療科医
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:救急外来で当直をする初期研修医のころ
なぜ:見逃しのリスクを少しでも減らすために
どのように:通読し、手痛い失敗のたびに読み返していました
読者の感想
(2020年2月 記)
研修期間中に必ず腹痛患者さんで診断エラーを経験することになるからです。
本書が記載する落とし穴は、臨床研修病院ならば、2年間であなた自身やあなたの周りの先生方が必ず経験することになります。
そのくらい急性腹症の診療は、身近なのに難しくて恐ろしいです!
その恐さを知る医師ほど、本書を強く勧めています。
急性腹症のピットフォールを体系的にまとめた本はCopeか、本書の実質2択です。
2冊を比較すると、国内でコモンな疾患の記載が充実している本書に軍配があがります。
本書を読み、せめてピットフォールを知ったうえで、診療に臨みましょう。
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:1年目に一通り腹痛について学んだあと、2年目でもっと深い病態理解に繋げる
どのように:いわゆる「鑑別疾患の参考書」にも腹痛の項はあり、勉強になるがそれだけでは得れれない、大事な内容が書いてある。
内科当直で頻度・危険度ともに高い「腹痛」の症候に対して特別深く勉強するのにおすすめです。
読者の感想
(2018年1月 記)
本当におすすめの1冊で読み返し度も満点です。
1年目では「鑑別疾患系参考書」の腹痛の項を読み診療を行えば十分と思われますが、2年目ではもっと深い病態理解が必要になる場面もあるかと思います。
腹痛の鑑別疾患は多岐にわたり、外科・内科・婦人科外科的疾患や内科的疾患が入り混じり、本当に怖い症候のうちの一つです。
本書では
・比較的若年の胆石はエコーで描出するのが良い。なぜならコレステロール結石が多く、CT値が胆汁と同じである
とか
・腸閉塞は小腸閉塞と大腸閉塞に分かれていて、それぞれ原因が全く違う。手術歴のない小腸閉塞について、原因と大事な所見は?
とか
・急性腹症の中でも敗血症を主症状とするものが2つある
など、「広く浅く」ではないにしろ臨床的にとても大事な内容がたくさん盛り込まれています。
内科当直で頻度・危険度ともに高い「腹痛」の症候に対して特別深く勉強するのにおすすめです。
神経内科
“病気がみえるVol.7 脳・神経”の感想
書籍名
病気がみえるVol.7 脳・神経
レビューした人
医師4年目、脳卒中内科医
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:神経系のファーストタッチ!!
読者の感想
(2020年2月 記)
これは有名ですね。病気がみえるシリーズです。その中でも神経は超オススメですね。医師4年目になっても自分の中では第一線で活躍しています。
実際に臨床判断で迷った際に参照することは流石にありませんが、「あー、聞いたことある病気だな。国家試験でやったぞ」という疾患にはやっぱりちょこちょこ出会います。そんな時まず手に取るのが本書です。ネットよりも断然こっちですね。
すぐにイメージできて、その他書籍での勉強がスムーズになります。つい最近も「ついに来た!ALSっぽい!」と本書に立ち返りました。見やすい、わかりやすい、よくまとまっている、各種領域をカバーしている、意外と詳しい、といい所いっぱいですね。学生時代から購入すべきだと思います。
時々看護師さんに「先生教えてください」と言われますが、「病気がみえる買ってないの?出直してこい」という気分になります。コメディカルの方々にもオススメです。
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:医学生時代から
読者の感想
病気がみえるシリーズは医学生の時から読んでいます。
特に、パーキンソン病や多系統萎縮症などの有名疾患についてはこれを読むことで効率良く復習できると思います。
研修医になってからもお勧めします。
外科
“周術期の臨床判断を磨く―手術侵襲と生体反応から導く看護”の感想
書籍名
周術期の臨床判断を磨く―手術侵襲と生体反応から導く看護
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
周術期を勉強するならこれから
読者の感想
今日も看護師さん向けの本で、僕が勉強になった本を紹介します。
外科系に進む方は特に、周術期を勉強するには本著を強くお勧めします。
他の周術期輸液の書籍も紹介していますが、この本は周術期の水分動態意外にも術後の生体反応や疼痛管理、術後せん妄など幅広く描かれており周術期総論を学習するのにぴったりです。
本書は周術期に焦点を当てた本の中でも、Mooreの術後回復過程、術後腸管麻痺、術中体位別の神経障害の範囲は表やイラストが多く非常に理解しやすかったです。
範囲が広いのもあってボリュームもやや多めですが、一度通読してみてもいいと思います。僕は勉強した翌日から、周術期の患者さんをみる目が少しずつ変わってきた気がします。
値段も3000円と、コスパも◎!
看護師さん視点の書籍を読んで、理解を深める一助になったのはもちろんですが、一層の看護師さんとの連携を大事にしようと思いました。
周術期・術後管理以外にも看護師さんが見ている範囲は医師と異なりかつ幅広く、やはり患者さんに医療を提供するには、連携を積極的に取ることが不可欠と再認識しています。
“周術期輸液の考え方 何を・どれだけ・どの速さ”の感想
書籍名
周術期輸液の考え方 何を・どれだけ・どの速さ
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
周術期輸液の基本
読者の感想
本書は輸液…といっても、「周術期」に焦点を当てた輸液の本です。 周術期輸液の本は一般的な輸液の本に比べて種類が限られています。
その中でも本書は要点が絞られていて、かつすぐ読み終えられる手軽さがあるのでおすすめです。 初めに、一般病棟における輸液と周術期における輸液は分けて勉強したほうがいいと思っています。
周術期はサードスペースの存在があったり、術前絶飲食があったり、refillingを考慮したりと、一般病棟に比べて特殊な状況なので、周術期輸液は、一般病棟での輸液と完全に別物として考えるべきだと思います。 研修医が遭遇する例としては、術後に尿が少ないとcallが来て、術中のin out balanceを計算して補液を決めることもありますし、麻酔中に尿少ないですと言われて維持量を計算してみると実は全然輸液足りてなかったり…ってこともあります。
この本のいいところは、そのような術中の生理的変化や術後のrefillingなどが易しくまとめられていて、かつページ数も少ないので読みやすいところです。 そしてこれは個人的な印象ですが、周術期輸液はサードスペースもろもろ含め、考える/見るべきポイントが増えるので、勉強していてややadvancedだと感じています。
よって、『より理解を深める!体液電解質異常と輸液』などで基本的な体液動態をおさえてから、周術期輸液を勉強することをおすすめします。
“研修医のための見える・わかる外科手術”の感想
書籍名
研修医のための見える・わかる外科手術
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★★★
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目, 医学生にもおすすめです
この参考書を一文で表すなら
外科手術、手順を予習するならこれ
読者の感想
外科ローテ専用かと思う題名ですが、僕は麻酔科、救命(術後ICU)の研修でも役に立ちました。
この本を読むことで、ざっくりですが手術の進行をイメージできるようになります。
手術は「今何を切っているのか」「これから何をするのか」などがわからないと辛いと感じがちかと思いますが、逆にここがわかってくるとぐっと面白く感じたり、興味が出てくるのではないかと思います。
そういう点では学生の外科実習で読むのもいいかもしれません。外科系に興味を持つきっかけになると思います。
個人的には外科研修の時に読むならネッターなどの解剖学アトラスも一緒に読むといいと思います。
麻酔科研修なら麻酔のあんちょこ本、ICUなら周術期の参考書と組み合わせることを強くお勧めします。麻酔科も手術の予習として使えますし、術後ICUも手術内容を把握したいときに使えます。意外と外科ローテ以外の時にも使える活躍する1冊です。
元から外科系には興味なくて、1か月のdutyだけなんとかしたい!みたいな人にも実はおすすめです。進行がわかるだけで、外科ローテは楽しくなってくると思います。
ただわざわざ購入するのも勿体ないので、持っている友達に、該当するページだけコピーするのでもいいと思います。
手術記録を書くには情報が少ないかもしれません。志望外科で執刀などさせてもらえるようになり、手術記録書いて!と言われたら別に成書を購入しましょう。
レビューした人
研修医1年目
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★★☆
参考書を読むのに有用なタイミング
初期研修医働きたて、1年目、2年目
読者の感想
道具の名前や糸の種類といった、基本的なことから載ってます。
一般外科、呼吸器、乳腺、心臓、外傷、産婦人科まで広く載ってます。
手術の詳しい手順書というよりは必要最低限が載ってるだけですので、初見の手術に対して、初めに読むといった使い方がいいと思います。
自分が執刀するときはイラストレイテッド外科手術の方がいいです。
“認定資格取得のための腹腔鏡下S状結腸切除術徹底レクチャー”の感想
書籍名
認定資格取得のための腹腔鏡下S状結腸切除術徹底レクチャー
レビューした人
消化器外科の先生(医師10年目)
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
後期研修の働きたて, 消化器内視鏡外科の技術認定取得を目指す外科医全員
この参考書を一文で表すなら
認定資格取得のためのバイブル
読者の感想
国立がんセンター東病院の伊藤雅昭先生が監修した一冊です。
どの様に手術をすれば技術認定が取得できるか解説しているし、それ以外にもがんセンターのカンファレンスや教育体制の説明も行われており、技術認定の取得を意識したラパ腸の解説書で個人的な一押しです。
“消化器がん化学療法 副作用マネジメント プロのコツ”
書籍名
消化器がん化学療法 副作用マネジメント プロのコツ
レビューした人
消化器外科の先生(医師10年目)
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医2年目, 後期研修の働きたて
この参考書を一文で表すなら
消化器癌の副作用対策
読者の感想
2020年発刊 4950円でポケット版なので持ち歩くことができる。
化学療法の有害事象対策が非常に詳しく書かれている一冊。
化学療法はすぐに新しい薬が出るので、できるだけ新しいものを購入する必要があるし、度々書い直す必要がある。本書は非常に実践的で即使える知識が書かれているので非常におすすめである。
麻酔科
”国試で耳学問”の感想
書籍名
国試で耳学問
レビューした人
医師5年目 産婦人科
おすすめ度(5点満点)
★★★★★
理解しやすさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
くわしさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
読者の感想
とっっても読み応えのある本で、学生・初期研修医の先生に強くおすすめします。
国家試験問題を解くのと実際の臨床で患者さんを見るのはやはり解離があって、たとえば国家試験の勉強とOSCEの勉強でもやり方は大きく違いますよね
なにより、国家試験の問題を通して臨床現場をイメージするという視点で作られてるのが新しいと思います。文章も語り口調で自分の中に入っていきやすいですし…
ちょうど国家試験が終わった学生の方々や、初期研修医の先生方にとっては特に読みやすいのではないのでしょうか? CBTが終わってこれから実習!の学生の方々にも予習教材としておすすめです。
おそらく自分だったら病棟実習が始まる前に買って、ローテーションしながら勉強したかなと思います国家試験問題を読み解く、という点では予備校教材とはまた違った面白さもありますね。
お値段もかなりリーズナブルになってるので(1600円でこれだけ内容濃い本はなかなか出会ったことないです…!
しかもnoteだと1200円…!!)、比較的手に取りやすいと思います新年度が見えてきたこの時期、空き時間の勉強にピッタリな一冊だと思います。
レビューした人
医学科5年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国家試験対策の教材での解説とは異なる視点から問題を読み解いていくところが非常によかった。
文量も多すぎず読むのが全く苦にならないだけでなく、その文量の中で大切なところ、臨床で役立つところを丁寧に解説されており非常に勉強になった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
文章の中で、太文字や赤文字だけでなく蛍光マーカーが多用されており、ぱっと見での重要な部分がわかりにくかった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★☆☆
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
導入が医師国家試験の過去問からのため、医師国家試験受験後のこの時期にはスッと情報が入ってくるように感じ、良かった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
紙媒体であれば気にならないのかもしれないが、電子書籍として読んでいると、紙面がやや明る過ぎて、読みづらさを感じた。他の電子書籍を読んでいる時と比べて、デバイスの明るさを暗くすることが多かった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★☆☆
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★☆
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国試でなぜ厚労省がその問題を出題しているかを実際の専攻医の立場からみてわかりやすく解説されていて非常に読みやすかったです。さらに、私自身が国試受験直後ということもあり、疾患にfocusしてしまいがちですが、この本では患者であったり実際の現場の対応等幅広い視野を再度認識できました。また色使いも章毎に統一されていて非常に見やすかったです。
何科の章が一番面白かったか
耳鼻科が一番興味深かったです。国家試験勉強で理解している気になっていた気管孔と気管切開の違いが全く理解できてなかったことを認識させられました。また、中耳炎という一般的な疾患を合併症含め取り上げてくださっているのも非常に内容が頭に入ってきました。
本に対して持った「悪い」印象
全体的に正直国家試験予備校で教わったことが多く、国家試験と臨床の架け橋というコンセプトはわかるのですが、もう少し臨床寄りの難しめの内容、例えば眼科の緑内障の治療であったり、小児科の緊急疾患などを深く知れたらないいなと思いました。
集中治療・救急診療
“ICU/CCUの薬の考え方、使い方” の感想
書籍名
ICU/CCUの薬の考え方、使い方 ver.2
レビューした人
ぜん医つ先生(初期研修医2年目小児科志望)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
この参考書を読むタイミング
研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
薬の話だけかと思いきやそれだけじゃない
読者の感想
「ノルアドレナリンは何に溶いてどれくらいで落とす?」みたいないざ使うとなると具体的にどうしたらいいかわからないこと、「ストレス潰瘍予防はどんな時に考える?」みたいなICUでの管理で出てくる疑問を病態生理に基づいた解説で一個一個潰してくれる一冊。ICUハンドブックと並んで救急ICUローテ必携だと思う1冊。基本的に救急ローテはこの2冊ばっかり読んでました。
レビューした人
初期研修医2年目、3年目から産婦人科専攻の予定
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★☆☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
ICU研修中に似たような薬剤をどのような場面でどのように選択しているのかなど薬剤の使い分けがわからない時に辞書として使用していました。
読者の感想
薬剤の作用機序などからしっかりと解説してくれておりわからない事があったりオーベンが何言ってるのか理解できなくて後で調べるのに役立っていました。
とても分厚いし通読するには少し向かないと思うので辞書として使用する程度がいいかな、と思いました。
レビューした人
当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★☆☆☆
参考書のレベル
発展編
使用した場面、役立ったエピソード
鎮痛・鎮静・筋弛緩の薬の使い方をこの参考書で勉強していました。
読者の感想
この参考書は有名だと思います。
鎮痛・鎮静・筋弛緩の薬を個人的に使い慣れていなかったので、この本で勉強していました。
読み終えていないところがまだまだあるので、初期研修後もこれを参考にし続けると思います。
“ICU実践ハンドブック” の感想
書籍名
ICU実践ハンドブック
レビューした人
ぜん医つ先生(初期研修医2年目小児科志望)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
研修医1年目
この参考書を一文で表すなら
救急ICUローテで必携の一冊
読者の感想
集中治療領域はどうしてもとっつきづらい印象ですがこの本はよくまとまっていてそれでいて管理のイメージがしやすい内容になっています。救急科志望の2年目の先生が持ち歩いていたのを見て1年目の時に買いました。疾患の話だけでなく気管切開など手技に関しても書いてくれてるところも評価点です。
レビューした人
サイト運営の次郎作
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★☆☆☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
どのように:病態やプロブレムで項目立てされており勉強がしやすい
読者の感想
薬の使い方や薬理からの説明が詳しく載っている「ICU/CCUの薬の考え方、使い方」に対して、この「ICU実践ハンドブック」には問題となる病態やプロブレムが項目立てされているので、こちらの方が使い勝手の良さや勉強のしやすさは上かもしれないです。
集中管理について僕が読んだ参考書の少なさからも推測できるように、この分野には個人的に苦手意識があるので、より詳しく知っている研修医に勉強法を聞くことが望ましいかもしれません。
“外傷初期診療ガイドライン 第5版” の感想
書籍名
外傷初期診療ガイドライン 第5版”
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
これは研修医のうちに絶対読んでください!!!
こんなに読みやすく、大切な知識がスッと入ってくるガイドラインはこれだけです。これは日本外傷学会が出しているガイドラインですが、参考書としてのレベル(読みやすさ、分かりやすさ)も天下一品です。
読者の感想
このガイドラインは研修医の間に必ず読んで欲しいです!!
初期研修2年目に初めて読んで、それまで読んでいなかったことを後悔した教科書第1位です。
特に読んで欲しいのは最初の26ページです。この部分に初期診療の総論、primary survey, secondary surveyの流れが記されています。
とにかくこの26ページだけでも繰り返し読んでください。
外傷のガイドラインではありますが、救急対応・蘇生の基本についてもたくさん書かれています。
僕は大学での初期研修1年目、このガイドラインを全く読んでいませんでした。
初期研修2年目の病院では外傷患者が多いと聞いていたので、これを読んで勉強したところ、救急で運ばれてくる外傷患者への対応に迷いがなくなり、上の先生はしっかりとガイドラインに沿って診療をしていることがわかり感銘を受けました。
カリキュラム上、研修医は初期研修の間に一度は3次救急に関わると思うので、その際は確実にこのガイドラインを見てください。
まずは初めの26ページを読んで、残りは必要に応じて確認することがお勧めです。
“ガイドライン”であるにも関わらず、参考書としても読みやすく、ここまで大事な知識をすんなりと身につけることができるのはこの“外傷初期診療ガイドライン”だけです。
さらに、小児外傷・妊婦外傷の項目まで大事な情報満載で、すごく読み応えがありました。
小児科
”国試で耳学問”の感想
書籍名
国試で耳学問
レビューした人
医師5年目 産婦人科
おすすめ度(5点満点)
★★★★★
理解しやすさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
くわしさ(5点満点)
★★★★★
お値段(5点満点)
★★★★★
読者の感想
とっっても読み応えのある本で、学生・初期研修医の先生に強くおすすめします。
国家試験問題を解くのと実際の臨床で患者さんを見るのはやはり解離があって、たとえば国家試験の勉強とOSCEの勉強でもやり方は大きく違いますよね
なにより、国家試験の問題を通して臨床現場をイメージするという視点で作られてるのが新しいと思います。文章も語り口調で自分の中に入っていきやすいですし…
ちょうど国家試験が終わった学生の方々や、初期研修医の先生方にとっては特に読みやすいのではないのでしょうか? CBTが終わってこれから実習!の学生の方々にも予習教材としておすすめです。
おそらく自分だったら病棟実習が始まる前に買って、ローテーションしながら勉強したかなと思います国家試験問題を読み解く、という点では予備校教材とはまた違った面白さもありますね。
お値段もかなりリーズナブルになってるので(1600円でこれだけ内容濃い本はなかなか出会ったことないです…!
しかもnoteだと1200円…!!)、比較的手に取りやすいと思います新年度が見えてきたこの時期、空き時間の勉強にピッタリな一冊だと思います。
レビューした人
医学科5年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国家試験対策の教材での解説とは異なる視点から問題を読み解いていくところが非常によかった。
文量も多すぎず読むのが全く苦にならないだけでなく、その文量の中で大切なところ、臨床で役立つところを丁寧に解説されており非常に勉強になった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
文章の中で、太文字や赤文字だけでなく蛍光マーカーが多用されており、ぱっと見での重要な部分がわかりにくかった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★★★
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★☆☆
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★★
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
導入が医師国家試験の過去問からのため、医師国家試験受験後のこの時期にはスッと情報が入ってくるように感じ、良かった。
何科の章が一番面白かったか
眼科の章が非常にためになりました。
学校ではひとつひとつの疾患について疫学や病態や治療など学んでいても、やはり臨床の現場で何をしたらいいかわからないということはよくあることだと思います。実際にこの本を読む以前は、確かに目の症状を主訴にくる患者さんにどんな対応をするのかあまり想像できませんでした。こうやって対応するのかと勉強にもなりましたし、実際の臨床の現場を想像できました。
本に対して持った「悪い」印象
紙媒体であれば気にならないのかもしれないが、電子書籍として読んでいると、紙面がやや明る過ぎて、読みづらさを感じた。他の電子書籍を読んでいる時と比べて、デバイスの明るさを暗くすることが多かった。
レビューした人
医学科6年
コンセプトのおもしろさ(5点満点)
★★★★★
内容のおもしろさ(5点満点)
★★★☆☆
レイアウトの読みやすさ(5点満点)
★★★★★
実臨床へのお役立ち(5点満点)
★★★★☆
他の人へのおすすめ度(5点満点)
★★★★★
本に対してまず持った「良い」印象
国試でなぜ厚労省がその問題を出題しているかを実際の専攻医の立場からみてわかりやすく解説されていて非常に読みやすかったです。さらに、私自身が国試受験直後ということもあり、疾患にfocusしてしまいがちですが、この本では患者であったり実際の現場の対応等幅広い視野を再度認識できました。また色使いも章毎に統一されていて非常に見やすかったです。
何科の章が一番面白かったか
耳鼻科が一番興味深かったです。国家試験勉強で理解している気になっていた気管孔と気管切開の違いが全く理解できてなかったことを認識させられました。また、中耳炎という一般的な疾患を合併症含め取り上げてくださっているのも非常に内容が頭に入ってきました。
本に対して持った「悪い」印象
全体的に正直国家試験予備校で教わったことが多く、国家試験と臨床の架け橋というコンセプトはわかるのですが、もう少し臨床寄りの難しめの内容、例えば眼科の緑内障の治療であったり、小児科の緊急疾患などを深く知れたらないいなと思いました。
“小児感染症の診かた・考えかた”の感想
書籍名
“小児感染症の診かた・考えかた”
レビューした人
小児科医4年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
発展編、後期研修働きたて向け
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:小児感染症を診るとき
なぜ:小児科で感染症の考え方を書いたまとまった参考書がない中、この参考書が一番勉強になるから
読者の感想
小児感染症分野だと、この「小児感染症の診かた・考え方」と「小児感染症のトリセツ」の2冊がとてもよい参考書なのですが、個人的な好みでこちらの方にのみ星10個の満点の評価をしています。
僕が読んできた参考書200冊中、確かまだ2−3冊にしかつけていなかった満点をここでつけました。
トリセツ同様に、抗菌薬の1つずつの特徴や、肺炎・中耳炎・蜂窩織炎など項目ずつの解説もしっかりしており、全体的に分量も多いことからトリセツよりも詳しいです。
またchapter4に書かれている「月齢による発熱の対応の仕方」に関しては、救急外来で悩むことや、自分の中でしっかりとしてルールにできていなかった部分をしっかり説明してくれていて、さらに自分の診療をブラッシュアップすることができました。
「この年齢層では呼吸器症状がなくてもoccult pnuemoniaを疑ってX線をとる」など、ちゃんと決められている人はどれだけいるでしょうか。
Hibや肺炎球菌のワクチンは何回打っていれば予防効果を期待してよいか、など個人的に疑問に思っていたことにズバリ答えてくれてとても勉強になりました。
小児でよく問題となる、肺炎や尿路感染症についての解説や、抗菌薬ごとの説明に関してもある程度しっかり勉強していたはずですが、それでも知らない役に立つ知識がまとまっており、目から鱗でした。
イメージでいうと、トリセツよりもより”考え方”の部分に重点をおいてくれている印象でした。
小児科後期研修の方は、絶対買って読んでください。読んでないだけで周りと大きな差が出来てしまいます。
“PALS小児二次救命処置プロバイダーマニュアル”の感想
書籍名
PALS小児二次救命処置プロバイダーマニュアル
読んだ人
小児科医4年目(当サイト運営者の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★★
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
どのように:蘇生・救急対応を単に覚えるのではなく病態を把握しながら治療を進めていく流れが示されている
読者の感想
「小児科専門医を名乗るなら必須」と言っていい参考書です。
たとえPALSを受講しなくとも、この参考書の内容は学ぶべきだと思います。
PALSプロバイダーコースとは、簡単に言うと小児版のACLSで小児科、救急科が小児の蘇生や救急対応の際に必要な知識・フローチャートを学ぶためのコースです。
AHAやAAPが共同でやっているコースなので、蘇生や救急対応を単に覚えるだけでなく病態を把握しながらやや特異的な治療に進んでいく流れがあることが特徴的です。
コース受講料は5,6万円、参考書自体も1万5千円と値は張ってしまいますが、読み込んでみると学ぶべきことが詰まっています。
特に成育はシミュレーションで定期的にPALSの考え方を実践できる機会もあり、僕は2回通読して部分的には5回ほど読んで復習しました。
強くオススメしたい参考書です。
精神科
残念ながらまだレビューがありません
“1冊でも構いません”
先生からのレビューをお待ちしています
画像診断
残念ながらまだレビューがありません
“1冊でも構いません”
先生からのレビューをお待ちしています
研修医お役立ち
“忙しい人のための代謝学”の感想
書籍名
忙しい人のための代謝学
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
基礎生化学を休み時間に復習できます
読者の感想
この本は僕が2年間で一番読み込んだ本です。
我々が学生時代に必死で覚えた生化学がすっきりまとめられています。
僕が集中治療・救命ローテの時に栄養について勉強していました。
そのうちに、「アミノ酸から糖新生ってどうなってるんだっけ」「乳酸ってできたあとどうなる?」など基礎医学の疑問がちらほら…
そこで生化学をもう一度勉強し直そうと思い、本書を購入。
ところで、臨床に基礎医学は必要かどうか。自分は現時点で断固Yesです。
研修医は臨床医の中でも基礎医学を勉強して間もない立場にいます。
臨床で行われる検査・治療等の医療行為はすべて基礎医学から根付いており、研修医という初学者の立場だからこそ「なぜこうなるのか」を面倒と感じても逐一基礎に立ち返って学ぶ必要があると思います。
本書の著者・田中先生のお言葉をお借りしますが、
『自ら調べ、自ら考え、自分なりの答えを見つける』
そのために、僕は一臨床医としてこれからも基礎医学を学び続けようと思っています。
以前ツイートもさせていただきましたが、基礎医学系の参考書はそのまま取っておくといいと思います。
生化学に関しては、本書はボリュームも多すぎず研修の昼休みとかに読めちゃいそうです。生化学をもう一度勉強し直したい方におすすめ!
はじめてのリハビリテーション医学
書籍名
はじめてのリハビリテーション医学
レビューした人
研修医2年目小児科志望の先生
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
リハビリテーションに興味を持った時
この参考書を一文で表すなら
リハビリテーションとは何かが分かる
読者の感想
初学者がリハビリテーションについて学ぶには最適な本だと思う。
リハビリテーション科で研修を行なったが、馴染みのないことが多く、いざ自分で勉強しようと思ってもこれといった本がなく歯痒い気持ちになった。
研修終了後に購入して読んでみたが、この本は大部分がリハビリテーションの総論について割かれているが、それだけでも充分すぎる位、いままで疑問に思っていた「結局リハビリテーションって何?」いう疑問を解決することができた。
リハビリテーション科の医師が、普段どんなことを考えて診療にあたっているのかをより理解することが出来た。
3000円でいままで馴染みのないリハビリテーションをわかりやすく学べることを考えれば破格の値段だと思う。
これからリハビリテーション科で研修する研修医にとっては、間違いなくバイブルとなると思う。
“研修のための人生ライフ向上塾”の感想
書籍名
研修のための人生ライフ向上塾
レビューした人
朱雀(研修医1年目)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★☆☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて, 研修医1年目, もしも将来指導医の立場になった時、指導医としても読みたいし周りに勧めたいと思う。
読者の感想
とにかく内容はどうやって研修医時代のQOLを上げるかを精神科医の先生が情報をもとにまとめあげた一冊。
内容としては、人間関係、ストレスの抜き方、5月病に向けて等、他の本ではなかなか得ることが難しい情報が程よくまとまっている。さらにとても読みやすい。飽き性の私も2日で全てのページを読み終えれるぐらいであった。
とにかくゆるく、自分を客観視するのにとても役立つと思う。最近登場し、色んなSNSで話題の一冊をご賞味あれ。
“診察と手技がみえる2”の感想
書籍名
診察と手技がみえる2
レビューした人
初期研修医1年目血液内科志望
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医働きたて, 研修医1年目
この参考書を一文で表すなら
高いけど1冊持っておくべき本
読者の感想
6000円となかなか高価。最初は研修医室で借りればいいかと思っていたが忙しいと研修医室で読む時間もないし、同期が読んでたりしてタイミングが合わなかったので購入しました。
初めての手技は清潔不潔とか患者さんへの配慮とかで手技自体にうまく集中できないことが多いのですが、帰宅後や土日になんとなく読み返すだけで2回目以降の手技がスムーズになります。精神衛生上も良い(笑)
若干安めの類似本「ねじ子」シリーズも読んでいて面白いのですが実際の器具の写真があった方がやはりイメージしやすいです。
レビューした人
医師4年目、脳卒中内科医
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
入門編
使用した場面、役立ったエピソード
どのように:一般的な手技の予習・復習に
読者の感想
(2020年2月 記)
学生中に購入しましたが、病棟実習中しか読みませんでした。
研修医以降はことあるごとに読み直し、手技の予習・復習に使用しています。手技本としては一番有名なのではないでしょうか?図解が豊富で、非常に読みやすいです。
定価6000円とお高いですが、買って損はしないと思います。指導医に「明日CV入れるから」、「午後から腰椎穿刺するよ」などと言われて慌てないように、研修医になったらまず購入しましょう。
“もう迷わない!外科医けいゆう先生が贈る初期研修の知恵”の感想
書籍名
もう迷わない!外科医けいゆう先生が贈る初期研修の知恵
レビューした人
2020年度 研修医1年目 整形外科志望
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★☆☆☆☆
参考書のレベル
研修医働きたて, 国試後、研修医になる前
この参考書を一文で表すなら
研修開始前の心構え伝道書
読者の感想
私は整形外科志望ですが、外科志望でない方にも必要な本だと思います。外科ローテでの学び方のスタンスから、患者看護師コメディカルとの接し方、医者の生活の知恵などいろいろ学べます。
実臨床に立っていなくても実感が湧きやすいところがこの本の良さだと思います!