あの日から5年が経ちました。
とある医学部生の同級生だった僕と川良の二人が
「ただの医者で終わりたくない、社会をかえてやるんだ!」
と意気込んだあの日から、長い月日が流れました。
学生時代に多くの経験、多くの失敗を繰り返し、気付いたことがあります。
”ただの医者で終わらない”ためには、
まずは”ただの医者にならねばならない”ということ。
まだ何者でもなかった医学生の2人は結局、
「医者の道」を歩み始めます。
医者として働く中で、
目の前の患者を治し、癒して、感謝してもらえる臨床のやりがい、
臨床のみでは解決できない真理を追究し、目の前の患者からのみでは答えを出す事のできない問題を研究するアカデミックの世界、
医者として働くことのできるやりがいや誇りを感じ、その責務に真正面から向き合いました。
そんな医者として働く中で、
「こうだったらもっと楽なのにな~」「こうなったらもっといいのになぁ」
と思うことが目につくようになりました。
ただ、多忙な毎日では目をつむりたくなるようなことばかりです。
その具体的な一例が「初期研修の時期の参考書選び」でした。
初期研修の1年目、初めて社会人となり、
「知らないということが、患者さんの不利益に直結する」という医者の責任に震えあがり、
勉強しなきゃ!と思い立ったはいいものの、
初期研修医の系統だった勉強法や、そもそも役に立った参考書の情報すら共有されていない状況でした。
自分がとても困ったので同じ苦しみを後輩たちにあじわってもらいたくないと、自身のブログ “次郎作ブログ” で「130冊の初期研修医向け参考書のレビュー」の記事を書き、その記事が15万PVと大反響だったのを受けて、
やはりみんな困っているんだということを確信し、今回のこの「医学書レビュー.com」を設立することを決心しました。
設立にあたって、声をかけたのがブログも一緒に運営していた川良です。
医学部生の時に「社会をかえてやる!」と意気込んだこの2人で、
またサイトを作ってみよう!という話になりました。
実際、このサイトの作成のほとんどは川良がやってくれています。
今後は、医学生向けの医学書のレビューや「医学生/初期研修医だった時に知りたかったこと」など記事にして、
「医学生/若手医師向けメディア」に成長させていければな、と考えています。
正直「社会をかえてやる!」は、自分本位な野望でした。
今感じているのは、
「社会を、ほんの少しでも良い方向へ」
という純粋な想いです。
これからも自分の出来るところからコツコツと積み上げていきたいと思います。
布施田 泰之