書籍名
神経内科 Clinical Question&Pearls 頭痛
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★★☆
参考書のレベル
標準編
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:外来で頭痛を診るとき
読者の感想
(2020年2月 記)
医師4年目に購入し読みました。自分は脳卒中を専門としておりますが、外来で頭痛も診ています。
難易度が高いわけではありませんが、専門的な内容であるため初期研修医の先生に本書をオススメすべきか悩みました。頭痛は多くの医師にとって救急外来で診るものであり、危険な二次性頭痛が否定できればOKで、それは本書で勉強する必要はありません。ただ、神経内科を志す方、救急外来のその先を診たいという方もいると考え、reviewすることにしました。
国際頭痛分類というものが存在し、その内容を見てみるとかなり細分化されておりマニアックとも感じることがあります。極端なところでは「宇宙飛行による頭痛」なんてものまであります。そういったところは置いといて、まずは基本となる片頭痛、緊張型頭痛、TACsなどの一次性頭痛の勉強をするには本書はオススメです。多くの神経内科疾患のガイドラインと同様にQ&A形式で要点がまとまっており、読みやすかったです。
勉強方法としては、まずは診断基準を覚えてしまいましょう。そこから周辺知識を肉付けしていくと頭痛の知識が強固となります。患者や他の医師(非専門医)が言う「片頭痛」は信用してはいけません。自分で片頭痛なのかどうか判断して、薬剤投与を行うことが必要です。
トリプタン製剤の使い分けも具体的に記載されており、実際に自分で処方したトリプタンが著効したときは滅茶苦茶うれしくなります。急性期治療のみならず、予防治療のための薬剤の選択まで勉強できればまずまずではないでしょうか?頭痛に悩んでおられる方は多く、自分の病院職員もたまに薬を出して欲しいとやってきます。そんな方々の力になれるのもうれしいです。
もちろん二次性頭痛に関する記載もあり、危険な頭痛などおさえるべきところはおさえています。
外来をしている自分にとってはパートナーみたいな存在です。頭痛に興味がある方などは本書で勉強してみてはいかがでしょうか?