書籍名
診断戦略: 診断力向上のためのアートとサイエンス
レビューした人
キノ・デ・トテン(from「医大生男子のくだらない考え」)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★☆
参考書のレベル
実習
読者の感想
これは最高ですね。
今まではどうしても診断の「Science」の部分にフォーカスされることが多かったのですが、「Art」の部分を言語化して踏み込んだ1冊です。得に医大生はどうしても勉強をしている中で「Science」の部分に注目してしまいます。しかし、実は医大生に求められているのは「Art」の部分をブラッシュアップすることなのかもしれません。そのような中で、診断を専門にしている先生の頭の中がのぞき込める一冊、そして、今まで言語化されていなかった部分をはじめて言葉にした、「診断」のエッセンスが凝集された一冊だと思います。
研修医になってからも、また、総合診療科や総合内科に進まなくても、臨床医をしていく上では必ず診断を求められる部分があります。また、診断医学にも、”No Assessment, No Test”の精神で患者さんと向き合っていくことは非常に大事なことであり、そのすべての基本となってくるのは鑑別をあげる能力です。
その考えたかを形作るうえで最高の1冊なのではないかと思います。
しかし、その分、内容は多少高度なものになっています。確かに非常に役に立つ一冊です。しかし、実習が始まってすぐの段階で読むのは少しハードルが高いかなとも思います。
6年生になって、実習が少し進んだ段階で鑑別診断のあげ方を整理しなおしたいと思ったときにまとめて読むと、頭の中がすっきりするかなと思います。
まだ難しいかなと思って方は、「医学生からの診断推論〜今日もホームランかっとばそうぜ」あたりから始めるのが入り口としては良いと思います。
その上で「誰も教えてくれなかった診断学」、本書と進み、最後に「考える技術」を読破すれば完璧だと思います。