書籍名
“小児感染症の診かた・考えかた”
レビューした人
小児科医4年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★★
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
発展編、後期研修働きたて向け
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:小児感染症を診るとき
なぜ:小児科で感染症の考え方を書いたまとまった参考書がない中、この参考書が一番勉強になるから
読者の感想
小児感染症分野だと、この「小児感染症の診かた・考え方」と「小児感染症のトリセツ」の2冊がとてもよい参考書なのですが、個人的な好みでこちらの方にのみ星10個の満点の評価をしています。
僕が読んできた参考書200冊中、確かまだ2−3冊にしかつけていなかった満点をここでつけました。
トリセツ同様に、抗菌薬の1つずつの特徴や、肺炎・中耳炎・蜂窩織炎など項目ずつの解説もしっかりしており、全体的に分量も多いことからトリセツよりも詳しいです。
またchapter4に書かれている「月齢による発熱の対応の仕方」に関しては、救急外来で悩むことや、自分の中でしっかりとしてルールにできていなかった部分をしっかり説明してくれていて、さらに自分の診療をブラッシュアップすることができました。
「この年齢層では呼吸器症状がなくてもoccult pnuemoniaを疑ってX線をとる」など、ちゃんと決められている人はどれだけいるでしょうか。
Hibや肺炎球菌のワクチンは何回打っていれば予防効果を期待してよいか、など個人的に疑問に思っていたことにズバリ答えてくれてとても勉強になりました。
小児でよく問題となる、肺炎や尿路感染症についての解説や、抗菌薬ごとの説明に関してもある程度しっかり勉強していたはずですが、それでも知らない役に立つ知識がまとまっており、目から鱗でした。
イメージでいうと、トリセツよりもより”考え方”の部分に重点をおいてくれている印象でした。
小児科後期研修の方は、絶対買って読んでください。読んでないだけで周りと大きな差が出来てしまいます。