書籍名
“小児感染症のトリセツ remake”
レビューした人
小児科医4年目(サイト運営の次郎作)
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★★★
参考書のレベル
発展編、後期研修働きたて向け
使用した場面、役立ったエピソード
いつ:小児感染症を診るときはいつも
読者の感想
小児科医であれば絶対読んでもらいたい一冊です。
基本的な項目立ては、ほとんど小児感染症の診かた・考え方と同じで、違いは「風邪の診かた」「発熱へのアプローチ」の項がないくらいです。
こちらの良さは「抗菌薬の投与量と投与期間を明記している」ところです。
当直の時などに「あれ眼窩隔膜前蜂窩織炎って何の抗菌薬だっけ?何日間予定だっけ?」などとちょっと調べるのに使いやすい内容とレイアウトとなっています。
また、書かれている内容も「小児感染症の診かた・考え方」とかぶっていることもあれば、こっちのほうが詳しいこともあるので、比較しながら読むと面白いです。
特に感染性心内膜炎などは、
トリセツ:小児はエコーウィンドウが広く、経胸壁心エコーの感度が成人に比して高い(80%)
診かた・考え方:小児における経胸壁心エコーの感度は25〜50%で、成人よりも感度が低く、さらに複雑心奇形になるほど心エコーの感度は低くなります
と書いてあり、いってることが全く逆です笑
やはり文献や参考書は1つにしぼらず、最終的には自分で何を正しいと考えるかは決めていかないといけないと思います。
ただし、とりあえずこの参考書は全ての小児科後期研修医が読むべき参考書なので、文句は言わずに全部読みましょう。