特集記事

【安くはないが、かなりアリ】4,000-6,000円の研修医向け参考書8選

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みなさん、こんにちわ。運営の川良です

前回の特集記事では4,000円以下のコスパ◎参考書を紹介しました

それに引き続き、今回は「そんなに安いとは言えないけど、かなり“アリ”なお得感の高い参考書」を紹介したいと思います!

前回と同じで、ローテーションに関わらず知識が必要となる
・救急外来
・抗菌薬
・輸液
・心電図

の参考書を今回はカテゴリ別に紹介していきます

読めば明日からの診療にグッと自信が出る!

サクッと勉強して、シッカリと臨床に生かしていただければと思います!

救急外来

書籍名

ジェネラリストのための内科外来マニュアル

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レビューした人

研修医2年目(サイト運営の次郎作)

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:Walk-in外来で重宝する

どのように:Walk-in外来をやる際の「頻度の高い疾患」、「見逃してはいけない疾患」がきちんと書かれている

 

読者の感想

(2018年1月 記)

別記事で紹介した”救急外来 ただいま診断中!”は、主に救急車対応を想定した内容となっています。
(アナフィラキシーショック・失神の鑑別・見逃してはならない心筋梗塞/くも膜下出血の注意点、など書いてある)

それに比べ、この1冊はWalk-in外来に歩いてくる患者を想定した対応が書かれています。Walk-in外来で気を付けるべきなのは「軽症そうな患者の中に重症が潜んでいる」ことであり、本書に整理されている「頻度の高い疾患」、「見逃してはいけない疾患」を参考にすると、診療に自信が持てるかもしれません。

レビューした人

医師3年目、小児科後期研修医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

入門編/標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

一般外来(時には救急外来)でよく来る主訴に対して予習するために使用

 

読者の感想

よくある疾患(common diseases)と見逃したくない疾患(must rule out diseases)に分けられており、各疾患に対する問診、身体所見、検査、治療法が見開きで表になっているのは非常に見やすいです。

自分が使用するときはこの見開きで自分の鑑別と照らし合わせて漏れがないかを確認し、押さえておくポイントを再確認しました。

書籍名

内科当直医のためのERのTipsジェネラルケースのディープアプローチとエビデンス

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レビューした人

医師3年目、総合診療医

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:初期研修医のころ

どのように:高齢者のコモンな救急症例への対応をしっかりと学ぶために、章だてごとに読むと理解がものすごく深まります。

 

読者の感想

初期研修医にとってのER診療の花形は、重症熱傷や高エネルギー外傷などの外傷集中治療かもしれません。

しかし現場で圧倒的にニーズがあるのは高齢者内科救急です。救急診療の書籍は多数ありますが、本書の特色は「ER×高齢者診療」にあります。病歴や身体所見は非特異的で、患者背景は複雑で、コモンな疾患に数多の落とし穴が隠れています。その複雑さに挫けそうなとき、この本が高齢者診療のヒントを提供してくれますよ。

これらのピットフォールを網羅的に収録した良書です。

書籍名

バイタルサインからの臨床診断 改訂版〜豊富な症例演習で、病態を見抜く力がつく!

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レビューした人

医師3年目、小児科後期研修医

 

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

入門編/標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

救急外来でバイタルサインの異常を拾う時に使用しました。

 

読者の感想

バイタルサインの組み合わせや異常(血圧と脈拍数、脈拍数と体温の相関など)の解釈について学べる優れた本です。最初に読んだときは最初のカテコラミンリリースとショックがやった分かった程度でしたが、複数回読んでより深みが出ました。筆者が定期的に行っているCPVSコースに参加してだいぶ体感するため、本とコースで合わせて完結と言えます。

輸液

書籍名

”より理解を深める!体液電解質異常と輸液”

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レビューした人

 小児科医4年目(サイト運営の次郎作)

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

電解質異常や輸液についての理解を深めたい時

 

読者の感想

低ナトリウム血症や高カリウム血症は小児を診ていても時々遭遇しますが、基本の考え方は成人例と大きく違いません。
この参考書は電解質異常についてとても詳しく書かれており、なおかつすごく分かりやすいです。

電解質異常の鑑別や解釈、対応については大切なことなのに案外忘れがちです。この参考書で繰り返し復習するようにしていました。

レビューした人

当時研修医2年目(サイト運営の次郎作)

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

どのように:低Na血症・高Na血症・低K血症・高K血症の治療、鑑別で役立った

 

読者の感想

(2018年1月 記)
酸塩基平衡や電解質異常の参考書の中では最も有名ではないでしょうか?
僕は総合診療科をローテしていた時、低Na血症・高Na血症・低K血症・高K血症の治療、鑑別でかなりお世話になりました。

酸塩基平衡・電解質異常に関してはこの1冊で十分なほど詳しい参考書です。
初期研修の2年間を通して役立つ参考書だと思うので是非購入してみてください。

抗菌薬・感染症

書籍名

感染症まるごとこの一冊

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レビューした人

医師4年目、脳卒中内科医

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:初期研修医の段階で

どのように:感染症の基礎を学ぶことができる

 

読者の感想

(2020年2月 記)

自分が初期研修医時代に最初に購入した感染症関連の参考書です。文字通りまるごとこの一冊で感染症の基礎的な内容を学べます。
というか、内科医師4年目になってもこの本で得られる以上の知識はupdateしておらず、専攻する科によってはこれで十分ではないかとも考えます。

矢野晴美先生の書籍では「絶対わかる抗菌薬はじめの一歩(羊土社)」(ピンクのやつ)も有名で、自分も本書と同時に購入しましたがほとんど読んでないですし、不要だったなとも感じました。

感染症は①感染臓器、②感染微生物、③抗菌薬のトライアングルで成り立っており、本書はこれらすべてを網羅的に学べます。「感染症診療」において抗菌薬の知識だけでは不十分なのです。そういう意味で、本書をまず1冊目として読むべきものとしてオススメします(複数の他書と比較したわけではありませんので、あくまでも個人的に)。

感染症はどこの科にいても必要となり、早めに学んでおかないと上級医の処方を眺めるだけでいつまでもモヤモヤした気持ちが晴れません。

総合評価は10にしたいところですが、発刊が2011年とやや古いかも?と感じただけです。実際治療する際には、毎年updateされている「感染症プラチナマニュアル(メディカル・サイエンス・インターナショナル)」や、各種ガイドラインも参照にするのがいいと思います。

レビューした人

医師3年目、小児科後期研修医

 

総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

病棟などで感染症の全体像を知るための入門書として。

 

読者の感想

カルテの書き方や必要な問診に加えて代表的な病原菌、抗菌薬についてまさにまるごと書いてある本です。

私は学生の臨床実習の時から使用していました。抗菌薬に関してはかなり詳しく書いてあるので多少飛ばし読みしつつ、必要時に気になる抗菌薬について復習するのには良いと思います。

心電図

書籍名

レジデントのためのこれだけ心電図

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レビューした人

医師4年目、総卒中内科医

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:心電図で困ったとき

どのように:すぐに確認できる

 

読者の感想

(2020年2月 記)

正直、心電図は何冊も参考書を購入してしまいました。

初期研修医時代にまず読んだのが「3秒で心電図を読む方法」(メディカルサイエンス社)ですが、これは当たりでした。その後さらに勉強しようと思って何冊か購入したのですが、どれもマスターできたと言えるほど読み込めませんでした。

当レビューを閲覧されるような勉強好きの方ならわかっていただけると思うのですが、勉強しだすとあれもこれも学びたくなって、かつ、担当している患者さんのことでも色々と調べなきゃいけないし、、、と心電図だけに勉強時間を割いてトレーニングする暇ってあまりないんですよね。自分は計4か月半の期間を循環器に身を置いていましたが、それでも結局心電図には全く自信が持てないままでした(少し循環器入局も考えましたが、この理由でやめました)。

本書に出会ったのは医師3年目のときで、その時の初期研修医が持っていたのを見て欲しくなって買いました。やっぱり通読して読み込む時間はないのですが、「あれ?どうだったかな」と思ったその都度本書で確認しています。

その波形・不整脈になる病態・機序、その治療法がわかりやすく記載されており、入門書なのに辞書的な使い方をしています。ただ、筆者も「初心者がどのように勉強したら理解しやすく効率が良いか」ということにとても配慮されており、初期研修医が最初によむ本としても非常にオススメできます。

自分も研修医の時にこの本が発刊されていたら、時間もお金も節約できて、かつ心電図の基礎に自信が持てたと思います。ぜひ手に取っていただきたいです。

内科一般

書籍名

内科レジデントの鉄則

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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:初期研修の全期間

どのように:一度通読して、その都度読み返していく

 

読者の感想

(2018年1月 記)

研修医に役立つ情報が詰め込まれています。
何から勉強すればいいか分からないなら、この参考書を読んでみましょう。
2年間の初期研修を終えて読み返してみたら改めて「本当に大切なこと」が書かれていると実感しました。
一度通読して、必要な時に読み返すという使い方をお勧めします。
この参考書の内容を完璧に理解し実践できる1年目がいたら一目置いてしまう
そんな名著です。

レビューした人

初期研修医1年目、産婦人科志望

 

総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

研修医働きたて, 研修医1年目, 国家試験勉強

 

読者の感想

各症候やプロブレムに対しての考え方、対処法を勉強できます。
1番最初に読んだのは国家試験勉強中でしたが、1.2章(特に2章)は国家試験にも有用な情報がたくさん載っていると思います。症例文があってそのあとに数個のクエスチョンがあり、その中でテーマについて解説していくというスタイルなので、友人とディスカッションしながら読み進めていくとより勉強になると思います。

書籍名

総合内科病棟マニュアル

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レビューした人

医師3年目、集中治療・救急診療医

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

研修医2年目の総合診療ローテの時に、内科病棟管理についてEvidence Basedかつ具体的なアクションがわかりやすく書かれてるものを選んで買いました。

いわゆる内科病棟管理のマニュアル本・ポケットブックです。一般的な病棟管理のみならず、初期対応~退院後のフォローについてわかりやすく簡単に書かれています。

なので、救外対応時に入院後の検査計画や申し送りなどについてアセスメントするのにも使えますし、退院し慢性管理に移行する際にも使えました。

 

読者の感想

内科マニュアル本・ポケットブックの中では現在最も優れた本だと思います。
Evidence basedでもちゃんとマニュアル本らしく、脂っこくなく、取るべきアクションが簡潔にわかるように構成されていました。

前述の通り救外~退院まで使えますし、集中治療の章もあるので重症度が高い内因性疾患を持つ患者にも使えると思います。

研修医4月のスタート時に持っておいて損はないですし、研修医~レジデントまで使い倒せる1冊かと思います!

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