特集記事

3stepで成長する!救急外来・当直のおすすめ参考書5選

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みなさん、こんにちわ。運営の川良です

今回の特集記事は「救急外来ローテーションや当直の時に自信を持って診療するための参考書を5冊」紹介していこうと思います!

まず、救急外来での対応などは、「習うより慣れよ!」と思われる先生もいるかもしれませんが、実はそうでもなくて、座学による自習が非常に大切な場所であると思っています

病院に着いた時にはすでに患者さんの状態が悪かったり、急なタイミングで意図していない質問を受けたり、と十分に調べる時間がない中でアウトプットしなければならない機会が多いからです

また、そういった対応を研修医が率先して行うことが求められるのも救急外来の現場です

したがって、そういった場面でも自信を持って診療を行うためには

・最低限必要な知識をインプットしておく
・時間が無くてもパパッと参照できる本を携帯しておく
・現場での経験を踏まえて骨太の参考書で学習する

の3stepを意識することが大切と言えるでしょう

それでは今回は上記3stepに沿って、参考書を紹介していきます!

読めば明日からの診療にグッと自信が出る!サクッと勉強して、シッカリと臨床に生かしていただければと思います!

最低限の知識をインプット

まずは、研修医1冊目はこちらで決まりでしょう!

内容が頭に入ってきやすい構成で書かれており、救急外来での診療をイメージ起こしし、最低限の知識をインプットするのに最適な1冊と言えます

書籍名

あなたも名医!もう困らない救急・当直

 

レビューした人

当時研修医2年目(サイト運営の次郎作)

総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:研修医になって1冊目に読む参考書はこれで決まりです。

なぜ:しかし国家試験に合格したばかりで「少し医学を知っているだけの素人」状態の4月には、難しいものよりもこれが最適でしょう。

どのように:

図や表を多用しながらイメージがつきやすい構成になっており、また「にがて君」というキャラが最低限おさえておくべき内容を代弁してくれています。

他にも「頭の使い方」や「失敗例」など項目立てに工夫がこらされており、分かりやすい内容になっています。

 

読者の感想

(2018年1月 記)

研修医になって1冊目に読む参考書はこれで決まりです。

もちろん、詳しい内容が書いてある参考書や難しいものはいくらでもあります。

しかし国家試験に合格したばかりで「少し医学を知っているだけの素人」状態の4月には、難しいものよりもこれが最適でしょう。

図や表を多用しながらイメージがつきやすい構成になっており、また「にがて君」というキャラが最低限おさえておくべき内容を代弁してくれています。

他にも「頭の使い方」や「失敗例」など項目立てに工夫がこらされており、分かりやすい内容になっています。

繰り返しになりますが、鑑別診断系の1冊目としては、間違いない1冊です。

ただし鑑別診断を勉強するのに、これ1冊だけで満足してはいけません。

「これに載ってない症状が来た時に全く対応出来ない」という悲しい出来事が起こります。そのため、ぼくは多くの鑑別疾患の参考書を読むことを推奨します。

レビューした人

初期研修医2年目。3年目から産婦人科に進む予定

総合評価

★★★★★☆☆☆☆☆

読み返し度

★☆☆☆☆

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

救急科をローテーションしている時に一番初めに買いました。

 

読者の感想

一年目の一番最初にローテートしたのが救急科で、診療自体に慣れていなかった時に読んでしまい、箇条書きに「この時はこれをする!」と言われても知識もつながりにくいし想像しにくいなあ、と思いながら読んでいました。私としてはもう少し詳しく買いてくれている本を読んだり、病棟業務に慣れてから読むともう少し理解しやすかったのかな…と思いました。

そして、救急の現場で最も怖いものの中の一つが、

「急に訪れる外傷患者」です

正直、知識のない状態で挑んでも、自分が何をすればよいのか、また先輩たちが何をしているのかも分からないまま、ただただ時間が過ぎていきます

そんな時には、この1冊で最低限の知識をインプットしてから診療にあたると良いでしょう!

書籍名

外傷初期診療ガイドライン 第5版”

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総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

これは研修医のうちに絶対読んでください!!!

こんなに読みやすく、大切な知識がスッと入ってくるガイドラインはこれだけです。これは日本外傷学会が出しているガイドラインですが、参考書としてのレベル(読みやすさ、分かりやすさ)も天下一品です。

 

読者の感想

このガイドラインは研修医の間に必ず読んで欲しいです!!

初期研修2年目に初めて読んで、それまで読んでいなかったことを後悔した教科書第1位です。

特に読んで欲しいのは最初の26ページです。この部分に初期診療の総論、primary survey, secondary surveyの流れが記されています。
とにかくこの26ページだけでも繰り返し読んでください。

外傷のガイドラインではありますが、救急対応・蘇生の基本についてもたくさん書かれています。

僕は大学での初期研修1年目、このガイドラインを全く読んでいませんでした。
初期研修2年目の病院では外傷患者が多いと聞いていたので、これを読んで勉強したところ、救急で運ばれてくる外傷患者への対応に迷いがなくなり、上の先生はしっかりとガイドラインに沿って診療をしていることがわかり感銘を受けました。

カリキュラム上、研修医は初期研修の間に一度は3次救急に関わると思うので、その際は確実にこのガイドラインを見てください

まずは初めの26ページを読んで、残りは必要に応じて確認することがお勧めです。

“ガイドライン”であるにも関わらず、参考書としても読みやすく、ここまで大事な知識をすんなりと身につけることができるのはこの“外傷初期診療ガイドライン”だけです。

さらに、小児外傷・妊婦外傷の項目まで大事な情報満載で、すごく読み応えがありました。

パパッと参照便利本

最低限必要な知識をしっかりと頭にインプットした後は、それでもちょこちょこ調べたい項目について、こちらの本を随時パパッと参照するにが良いでしょう

書籍名

京都ERポケットブック

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

初期研修1年目の救外対応時に色々な主訴・症候でやってくる患者に対して、何から考えたら良いのか、何をすれば良いのかモヤモヤしているような時に役立ちます。ポケットに入れても余裕が残るくらいの本書ですが、コンパクト主訴別アプローチ方法や検査・治療の方法などがわかりやすく書かれており重宝しました。

 

読者の感想

初期研修医(特に1年目)必携の救急外来対応のポケットブックです!
国試でいざ膨大な知識をインプットした新研修医の皆さん。研修が始まって意気揚々と救外対応!となっても、「あれ何からしたらいいの・・・?」「問診・身体診察なにやればいいんだ?」「病歴大体わかったけど何の検査を指示すればいいんだ?」など冷汗かきまくるのが初期研修医の定めです笑。

そんな時にこの本がお勧めです。主訴別アプローチや診断後の初期治療について具体的なアクションがとれるように簡潔かつ明確に書かれているので非常に使いやすいです。

僕は「あと5分で救急車きます!呼吸困難だそうです!」とCallを受けたら、その5分で呼吸困難の章を開いて、初動のシミュレーションを頭の中で行っていました。特に使えるのが各章の冒頭についている「アタマの中、救急搬送までの5分でCheck」は時間コスパ良くてめちゃめちゃ使いました!

この本があれば、看護師さんの「先生早く指示出してください!」や指導医の「指示待ちじゃだめだよ!」を聞かずにデキレジの第一歩を踏み出せるでしょう!笑

経験を踏まえて骨太系へ

上記2stepの参考書で場数を踏んできた後は、これら少し骨太な参考書で知識のモレを無くし、さらなる自信をつけると良いでしょう

まずは、救急・鑑別疾患系で1冊だけと言われたらこの1冊!

書籍名

救急外来ただいま診断中

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レビューした人

次郎作(当時、初期研修医2年目)

総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:救急・鑑別疾患系を1冊だけ選べと言われたら、この一冊

どのように:救急外来用参考書でスタンダード的な存在。少し細かい内容もあるので、症候学が身についてきた段階で知識を肉付けするように読むとなお良い

 

読者の感想

(2018年1月 記)

この参考書を読んだ頃、僕がずっと、

「救急参考書でスタンダード的な存在になる!!内容も読みやすさも最高!!」

と、言い続けた参考書です。

内容は少し踏み込んだ部分もあり、初めての人には細かいところもありますが、数か月の当直を経てある程度症候学が身についた後にどんどんと知識を肉付けするように読むと良いでしょう。

実践に即しており、素晴らしい参考書なので、鑑別診断・救急系で1冊だけと言われたら、この1冊でしょう。

レビューした人

医師4年目、脳卒中内科医

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:救急分野の勉強で役立ちます。

 

読者の感想

(2020年2月 記)

内科救急を診る全ての研修医にオススメです。自分は研修医の初期に購入し、一年目の終わり頃に読みました。一年目の始めの方に読んだ時はまだ自分には早いかなという印象は持ちました(自分の不勉強のせいですが、、)。ただ、少し勉強が進んだころに読み直してみたら圧巻でした!

今まで勉強してきた事が整理され、見落としポイントや鑑別疾患が新たにアップデートされていきました。よく出会う症候をしっかりと勉強できるため、その都度復習するのにも適しています。具体的な薬剤の使用方法も記載されているのがまたいいですね。表をコピーして、自分のノートに貼ってカンペにもしました。

外傷など外科救急に関する記載は乏しいため、他書で勉強する必要があります。

レビューした人

研修医2年目。3年目からは眼科専攻の予定

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:救急外来

どのように:腹痛の患者さんの診察手順

 

読者の感想

救急外来でよくある疾患や見逃してはいけない疾患の検査や診断方法など欲しい内容が書いてあります。これを読めば救急外来が初めてでも手順がよくわかります。

レビューした人

初期研修医2年目
3年目からは産婦人科専攻の予定

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

参考書のレベル

入門編

 

使用した場面、役立ったエピソード

救急科の応援直や救急科ローテしている時に通読して、あたった症例に関してその都度調べていました。

 

読者の感想

この症例が来たらこの検査!といったように一対一対応のような書き方をしておらず、感度・特異度、検査前確率などを意識して書かれた本だなと思いました。正直現場でこの本で毎回調べていたら大変なので、こういった本を通読してからマニュアル本などで症例と検査などを一対一対応で調べると良いのかなと思いました。救急科をローテする前に一読したい本です。

最後は、誰しも必ず怖い思いをする「急性腹症」

そんな領域で、ピットフォールを埋めながらより深い病態理解に繋げるための1冊です

書籍名

ブラッシュアップ 急性腹症 第2版

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レビューした人

医師3年目、総合診療科医

 

総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★☆

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:救急外来で当直をする初期研修医のころ

なぜ:見逃しのリスクを少しでも減らすために

どのように:通読し、手痛い失敗のたびに読み返していました

 

読者の感想

(2020年2月 記)

研修期間中に必ず腹痛患者さんで診断エラーを経験することになるからです。

本書が記載する落とし穴は、臨床研修病院ならば、2年間であなた自身やあなたの周りの先生方が必ず経験することになります。

そのくらい急性腹症の診療は、身近なのに難しくて恐ろしいです!

その恐さを知る医師ほど、本書を強く勧めています。

急性腹症のピットフォールを体系的にまとめた本はCopeか、本書の実質2択です。

2冊を比較すると、国内でコモンな疾患の記載が充実している本書に軍配があがります。

本書を読み、せめてピットフォールを知ったうえで、診療に臨みましょう。

レビューした人

当時初期研修医2年目(サイト運営の次郎作)

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

参考書のレベル

標準編

 

使用した場面、役立ったエピソード

いつ:1年目に一通り腹痛について学んだあと、2年目でもっと深い病態理解に繋げる

どのように:いわゆる「鑑別疾患の参考書」にも腹痛の項はあり、勉強になるがそれだけでは得れれない、大事な内容が書いてある。

内科当直で頻度・危険度ともに高い「腹痛」の症候に対して特別深く勉強するのにおすすめです。

 

読者の感想

(2018年1月 記)

本当におすすめの1冊で読み返し度も満点です。

1年目では「鑑別疾患系参考書」の腹痛の項を読み診療を行えば十分と思われますが、2年目ではもっと深い病態理解が必要になる場面もあるかと思います。

腹痛の鑑別疾患は多岐にわたり、外科・内科・婦人科外科的疾患や内科的疾患が入り混じり、本当に怖い症候のうちの一つです。

本書では
・比較的若年の胆石はエコーで描出するのが良い。なぜならコレステロール結石が多く、CT値が胆汁と同じである
とか
・腸閉塞は小腸閉塞と大腸閉塞に分かれていて、それぞれ原因が全く違う。手術歴のない小腸閉塞について、原因と大事な所見は?
とか
・急性腹症の中でも敗血症を主症状とするものが2つある

など、「広く浅く」ではないにしろ臨床的にとても大事な内容がたくさん盛り込まれています。

内科当直で頻度・危険度ともに高い「腹痛」の症候に対して特別深く勉強するのにおすすめです。

以上、読めば明日からの診療にグッと自信が出る!サクッと勉強して、シッカリと臨床に生かしていただければと思います!

川良健二

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