救急外来

“この失神、どう診るか”の感想

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書籍名

この失神、どう診るか

レビューした人

医師5年目、脳卒中内科医

 

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目, 後期研修の働きたて, 後期研修中やそれ以降

 

この参考書を一文で表すなら

失神診療のリアルを楽しむ

 

読者の感想

以前読んだ「失神外来を始めよう!(文光堂)」に続いて、失神の知識を深めようと思い読みました。感想としては、滅茶苦茶面白かったです!正直、、、失神ナメてました(専門家の先生すみません)。

救急外来系の参考書の1章くらいでは語ることが出来ない内容がこの本には詰まっています。実際の20症例をベースに反射性失神、心原性失神、てんかんを主に解説しており、合間のコラムで重要な知識・トピックスが紹介・整理されています。普段お目にかかれない、というよりは見逃しているだけかもしれないような重要な症例がたくさん紹介されており勉強になりました。

非循環器医の自分としては、植え込み型ループ式心電計やtilt試験ってこんなに閾値低くやってんだなあという感想を持ちました。また、自分はてんかんを診ることも多いのですが、側頭葉てんかんでは心抑制型血管迷走神経性失神に極めて類似した脈拍変動がみられることがあるなんて恥ずかしながら初めて知りました。そんな風に、てんかんと失神の鑑別に対してもしっかり解説がなされています。

以前レビューした「失神外来を始めよう!(文光堂)」は何となく物足りなさがあったのですが、本書は症例ベースなおかげで失神診療のリアルを味わえました。

一方、問診事項や診察方法などに関する記載は乏しいため、そちらは「失神外来を始めよう!(文光堂)」で補うといいと思いました。お互い足りないものを補っているような印象で、2冊とも読んでよかったです。

先に読むなら1冊目は「失神外来を始めよう!(文光堂)」がいいかと思います。注意点として、やっぱり心電図の本ではなく「診療読本」なため、ハイリスク心電図の波形の解説などはありません。機会があれば、「心電図ハンター② 失神・動悸/不整脈編」もレビューしたいです。

失神を診る機会のある医師、特に循環器内科や神経内科を志望する方にとてもおススメです。研修医の先生や医学生であれば、まずは救急外来系の参考書から手を付けた方がいいでしょう。

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