書籍名
抗菌薬ドリル
レビューした人
医師3年目、救急集中治療医
総合評価
★★★★★★★★★☆
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
感染症入門書のニュースタンダード
読者の感想
本書を手に取ったのは研修医2年目の終わりころだったが、「こんな参考書がもっとはやくあれば良かったのに!」と思った。
本書には各トピックに5つ程の問題があり、それに対する解答と解説が書かれている。
特徴は以下の3点であると思う。
①インプットに偏りがちな医学書が多い中で、アウトプットも重視されている
②写真や図表も多くインプットしやすい
③エビデンスベースだが初心者にもわかりやすい
なかなか、これらがそろった感染症の医学参考書はめずらしい。研修医がまず手に取る本としてニュースタンダードになるのではないかと思う。個人的には矢野先生の「絶対にわかる抗菌薬はじめの一歩」で育ち、それも良書であることには間違いないのだが、本書はより使いやすいのでは、と思っている。
内容は、感染症の基本的な考え方や、各系統の抗菌薬の基礎知識・使い方など基本的な内容が中心となっている(各疾患に対するアプローチなど応用は次作の「抗菌薬ドリル実践編」があり、これもとても良い)。
ちなみに私は後期研修医に入った今も見返して、忘れやすい知識の確認などに使っている。新たな学びも多い。長く使える1冊であると思う。
なお、本書を読むうえで、知識がまっさらな状態でも読めなくはないが、何となく「この感染症にはこの抗菌薬を使うことが多いな…」程度の下地があると勉強しやすい。薄めのアンチョコ本を経てから2冊目の本として読むのもありだろう。