【9月23日追記】
こんにちわ、サイト運営の川良です
以前に踊る救急医先生のご厚意により、こちらで公開させていただいた記事なのですが、
なんと
どんどんと医学書のレビューが増えていることから、最新版のまとめを作成したとご連絡をいただきました!
そこで、この度、医学書レビュー.comの方でも、以前に作成した記事を更新して再度公開することに致しました。
今回の更新で16冊ものレビューが増え、総勢35冊の大量レビューになっております!
是非みなさんもこれを参考に、自分に合った医学書を見つけてみてください~!!
こんにちわ、サイト運営の川良です
今日は、「次郎作」「脳卒中内科医先生」に引き続き、先生別のおすすめ参考書まとめ第3弾を公開したいと思います
今回、当サイトに掲載させていただくのは
「踊る救急医」先生です!
踊る救急医先生は、その名の通り、救急診療科で後期研修中の医師3年目の先生であり、今回、運営されているサイトから「分野別の医学書レビューまとめ」記事を転載させていただくことになりました
踊る救急医先生は、初期研修医の時に勤務に励む傍ら、米国医師国家試験(USMLE)の勉強を続け、Step2CKに合格するなど、ものすごいエネルギーを持った先生です
そんな先生は、日々自身のための勉強を続けながらも、
“自分と似た境遇であったり考え方を持つ方々全員の、明日からの勉強の指針として役立ってほしい”
との思いから、サイトにて情報発信を続け、すごいスピードで記事数を伸ばしています
(詳しくはこちらから「著者が医学書レビューを書き続ける理由ときっかけについて」)
さて、短い導入では踊る救急医先生のことを紹介はし切れませんが、早速レビュー本文に入っていきたいと思います!
当サイトのレビュー形式とは異なりますが、転載元の形式を尊重した形で書いていきます!
以下から好きな診療科・参考書をお選びください
医学英語
救急科
- 救急外来ただいま診断中!
- ビビらず当直できる 内科救急のオキテ
- ER・ICU 100のdon’ts
- 竜馬先生の血液ガス白熱講義150分
- 女性の救急外来 ただいま診断中!
- 帰ってきた竜馬先生の血液ガス白熱講義22問←New!
- ECMO実践ハンドブック~世界標準の成人ECMO管理←New!
- やっくん先生のそこが知りたかった中毒診療←New!
- ユキティのER画像Teaching File←New!
手技
内科全般
- 内科レジデントの鉄則
- 「型」が身につくカルテの書き方←New!
- レジデントのためのこれだけ輸液←New!
消化器
循環器
代謝内分泌
感染症
呼吸器
集中治療
- Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 循環・呼吸編
- Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 内分泌・消化器編
- ER・ICU 100のdon’ts
- Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
- 重症患者管理マニュアル←New!
- ICU/CCUの薬の考え方、使い方 ver.2←New!
- ICU輸液力の法則←New!
産科・婦人科・乳腺外科
腎・泌尿器
- 輸液を学ぶ人のために←New!
放射線科
その他
- 研修医になったら必ず読んでください←New!
医学英語
書籍名
Dr.セザキング直伝!最強の医学英語学習メソッド
基本情報
著者:瀬嵜 智之
出版社:医学書院
発行年月日:2020/4/13
ターゲット層
ターゲット層:USMLE・医学英語に興味のある医学生・研修医など
読了時間:5-6時間
となっています。今回のターゲットは本書のメインテーマである医学英語に興味がある方という風に紹介させていただいています。
しかし、論理に基づいた英会話の学習方法や、夢や目標を達成するための思考方法なども事細かに書かれており、
一般の医学生、はたまたビジネスマンにとっても得るものが大きいと思います。
推定読了時間は、一つ一つの医学英語の内容や参考文献などに深入りせず、通読した時の時間とさせていただいています。
本書は全てのページに役立つ情報や知識がちりばめられているので、そのあたりをゆっくり吸収するように読んだらもっと時間はかかってしまうかもしれません…
それだけ濃い一冊であるということですので、ご理解の程よろしくお願いします。
本書の特徴
本書のまえがきの内容を要約させていただきますと、本書はUSMLEコンサルタントとしてご活躍されている瀬嵜智之先生が、
●自分自身が人生をかけて得た、夢を叶えるためのコツを凝縮させた一冊を作りたい
●USMLEはただの国家試験ではなく医学英語も学ぶ上で最高のツールであり、 USNLEの勉強を通じて将来に生きる医学英語の学び方を伝えたい
という熱い想いを込めて制作した一冊です。残念なことに、僕のつたない要約能力では本書に込められた瀬嵜先生の想いを完全にお伝えすることができていないと思いますので、興味がある方はコチラのリンクから公開されているまえがきをご覧ください。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★☆☆
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★★☆
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
今回の評価は、USMLEおよび医学英語を学ぶという観点からお話しさせていただいています。
個人的な感想ですが、本書は今後USMLEを挑戦する方々にとって間違いなくバイブル的な存在となると思います。
なぜなら、本書を読み終わった後には今後どのように勉強を進めていくかという次のアクションプランがたくさん湧き上がってくるからです。
初学者にとっては今後の指針を具体的にわかりやすく示してくれているので役立つことは間違いないです。
また、ある程度勉強が進んだ方にとっても、何度か読み返すことで再び学べる内容も多いと思いますのでUSMLEの勉強期間中に継続的に使用することが出来ると思います。
また、ページ数が多すぎることなく通読しやすい分量なのも魅力の一つです。
おすすめの使い方
●まずは本書を楽しく通読(本当にあっという間に読めます)
●自分自身の境遇や環境に当てはめて、自分なりの医学英語やUSMLEの勉強方法を計画し実行する
●実行する中で、悩んだことや解決したいことが出てきたら再び該当する箇所を読み直してみる
本書を読んでみて、著者が考えたおすすめの使い方をご紹介します。
当たり前ですが、ただ本書を読んだからといってUSNLEに合格できるわけではないと思います。
本書を読んで参考にしたうえで、各個人が本気で努力を継続することで合格という目標を達成できるです。
なので読んで学んだ気になるのではなく、読み終わったら自分自身の境遇や環境に当てはめて、自分なりの勉強計画を立てて勉強し始めることが大切です。
その計画の中で、つまづいたときに本書に立ち戻って再び計画を練り直すというのが良い本書の使い方ではないでしょうか。
著者自身、これからSTEP2CSの対策を本格的に始めていきます。
本書でオススメされていた方法や戦略を全面的に採用させていただいた上で、
自分なりに少しずつアレンジしながら進めていきたいと思います。
また、かなりの長期戦となることが想定されますので笑、合格できるまでの経過を今後の記事に投稿していこうと思いますのでよかったら読んでみてくださいね。
救急科
書籍名
救急外来ただいま診断中!
基本情報
ターゲット層
救急外来で研修を始めた当初は、
救急車で来るのはみんな重症!救急と言えばABCDだ、まずはABCD安定させるんだ!
という意識ばかりがあったのですが、実際の救急外来ではABCDが安定している、いわゆる1次2次救急の患者さんが多く搬送されてきます。
しかも多くの病院においてはこういった患者さんの方が多い
というのは当時の著者にとっては意外でした(不勉強すぎたのかもしれません…笑)。
おそらく救急外来での業務に慣れていない初期研修医の前半の当直はどんな研修医も言葉に表せない不安と恐怖を抱き、救急車のサイレンが聞こえると胸がどきどきしてくるものだと思います。
自分にはそんな判断力ないよ!と感じてしまいそうですが、
実は、上級医の先生方は全ての事に対し咄嗟の判断をしているのではなく、
ある程度の症候別のパターン戦法にのっとって行動しています。
つまり、救急外来での具体的なアクションプランは、思いのほか症候別に体系的に決まっていて、まずはその型を学ぶことが大切なのです。
本書はそんな症候別のアクションプランを学びたい初期研修医を対象とした一冊です。
ターゲット層:初期研修医1年目(特に前半)
読了時間:12-15時間
本書の特徴
本書は、様々な名著を出版され、日本各地では大人気の講師として有名な坂本壮先生が、
・研修医が最も知りたい救急外来での基本事項を伝えたい
・初めての事ばかりで何もわからない研修医全員を、
救急外来で共に戦える仲間へと成長できるように教育したい
との思いから定期的に研修医向けに行っていた勉強会の内容がベースになっています
この本を読み終えた時には、
●合計22つもの症候別に救急外来で必要な知識を体系的に習得
例)意識障害・失神・心筋梗塞・CPA他内科救急のメジャーな症候を網羅
●豊富な鑑別や病態の解釈、スコアリングの必要性など救急医の思考パターン
例)意識障害をきたす疾患がいくつ言えますか? Well’s criteriaを付けるべきタイミングは?
●初期研修医が陥りやすい救急外来でのピットフォールを上級医との楽しい対話形式で疑似体感
例)痙攣している患者さんがやってきたら、まず何をしますか?
●論文や成書だけでは学びきれない、現場で使いやすいclinical decision ruleも多数掲載されており、明日からの救急外来での業務にすぐに生かせる思考力
例)BZ系で止まらない痙攣重責…どうしましょうか?
そもそも痙攣重責と臨床上判断する基準は大きく2つ、わかりますか?
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる救急外来の基礎を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★☆☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
正直、この一冊を読まずして救急外来での仕事は始められないと思います!
各症候についての解説がベースであり1つ1つの章を通読していくことになるのですが、読み始めは1ページ当たりの文章量がやや多く感じるかもしれません。
ですが、読み進めていくうちに感じるのは、解説の文章の中には臨床で経験したり重要となるエッセンスがこれでもかと凝縮されており、
この文章量であっても、一つも無駄な文や内容がない!
ということです。なんと素晴らしく恐ろしい一冊なのでしょう…。
おすすめの使い方
●まずは心して集中し、一冊通読する
●その後は救急車の触れ込みを聞いて該当する症候を軽く一読、初療の後にもう一度読む
●初療で悩んだこと、上級医に教えてもらったこと、自分で調べたことをこの一冊に集約化して自分だけの救急外来バイブルに!
手を抜かず初療の前後で本書を読むことでかなり理解が深まります。
書き込みまくって自分だけのバイブルにしましょう。
書籍名
内科救急のオキテ
基本情報
著者:坂本 壮
出版社:医学書院
発行年月日:2017/8/14
ターゲット層
「心電図は正常だから心原性失神は否定的か…」
「頭を動かすとめまいが誘発されたからBPPVか…」
これらは少し救急外来に慣れてきた著者が抱いていた勘違いです。
これらの考え方は一見正しいように感じますし、多くの場合この思考法で困らないのですが、時に重大な疾患を見逃してしまいます。
本書のターゲットはこうした少し救急外来に慣れてきた研修医にオススメの一冊なんです。
ターゲット層:初期研修医2年目・後期レジデント1年目
読了時間:4-5時間
本書の特徴
本書は、日本各地での救急外来初療セミナーが大人気の、有名講師坂本壮先生が、
●実臨床でよく出会うけど誤診しやすい、注意すべき症例を豊富なフィードバックと共にテンポよく!
●良く出会う疾患の非典型的な臨床上を把握
飲酒後の嘔吐とめまい、これって急性アルコール中毒…だよね??(正解は?!)
●救急外来で必須のバイタルや重症度の正しい解釈を学習
卒倒後ぼーっとしている高齢女性。これってヤバい?ヤバくない?!
●Choosing wisely…救急外来での検査選択は適切に!
側腹部痛で目覚めた中年男性、まず何から検査しますか??
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書のおすすめポイントは、
●さっと読みやすい本の薄さ!
●面白い症例問題の数々!
●覚えるべきポイントを最小限に集約!
です。それぞれを数値化すると上記のようになります!
特に症例問題は、ちょっと意地悪だなあ…笑 と思うほど
実臨床でミスリードされやすい情報の罠が仕掛けてあるので、本当に勉強になります。
おすすめの使い方
●まずは症例問題を解きながら楽しく通読
●フィードバックで登場する疾患を『ただいま救急外来診察中!』で復習
書籍名
ER・ICU 100のdon’ts
基本情報
【出版年月日】
2016/12/20
【著者】
志馬 伸朗 (編集), 小尾口 邦彦 (編集), 江木 盛時 (編集), 石丸 裕康 (編集), 大下 慎一郎 (編集)
ターゲット層
ターゲット層:ER・ICUローテ中の初期研修医・あるいはER・ICUえ勤務する医療従事者
読了時間:6-7時間
本書の特徴
本書は、広島大学救急集中治療科教授の志馬伸朗先生を中心とした救急・集中治療のスペシャリストが、
といった、意識しなければついついルーチンで行ってしまう注意事項について学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★+0.5
本の薄さ:★★★★★☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★★★☆☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は、日々の診療でよく出会う事項を中心にまとめられているので、それぞれの事項の医学的エビデンスを興味を持って読み進めることが出来ます。
学んでいく中で、明日からの診療や処置で気を付けるべき課題がたくさん見つかるので、
僕自身の考える良い医学書の特徴である、
読むことで明日からの行動が変わる
という点においては本当におすすめできる内容です。
また、個人的にはこういった100の項目をまとめたシリーズ系は、
流し読み、飛ばし読みしやすい
のでその点においてもおすすめです。
おすすめの使い方
●まずはさらっと目を通して、興味のある項目について読み込む
●自施設のルーチンと照らし合わせて、明日からの行動を改善する
と質問してくれた時に、
書籍名
竜馬先生の血液ガス白熱講義150分
基本情報
ターゲット層
「あれ、思ったより酸素の値が悪いぞ…なんでだろう…」
「国試で丸暗記したA-aDO2の式、よく意味わかんないからすぐ忘れちゃう…」
「わ、この検査所見は代謝性アシドーシス…かな?代謝性アシドーシスの原因ってたくさんあったし、何から手を付けて分類するんだっけ…」
これらは実際に研修医時代に著者が抱えていた血液ガス分析についての悩みです。
血液ガス分析は大変有用な検査であるため臨床でもよく施行される検査ではありますが、
仕事に慣れてきてしまうとその所見の解釈をおろそかしてしまいがちです。
その際に最も怖いのは、
検査所見から判断すれば緊急の医学的介入が必要なのにその介入が遅れてしまうことです。
例えばpHが正常だから大丈夫と判断していても、その背景には緊急で介入しないといけない代謝性アシドーシスが隠れている事もあります。
適当に血液ガスを読んでいると、普段あまり気にすることのないCOの値をチェックせず、高CO血症に対する高濃度酸素投与が遅れてしまうことも…
意外と落とし穴が多く解釈の難しい血液ガス分析は、研修医が学ぶべき重要項目の一つです!
時間や値段も含め、一回夜の飲み会を我慢するだけで基本をマスターできてしまうんです。
なんと素晴らしく、恐ろしい一冊なのでしょう…笑
ターゲット層:初期研修医1年目(特に前半)
読了時間:2-3時間
本書の特徴
本書は、米国呼吸器内科専門医資格を所持し、日本やアメリカを含む世界各国でご活躍されている田中竜馬先生が、
●血液ガス所見を読む際に必要な用語、概念
例)PAO2の「A」って何でしょう?
A-aDO2の計算式の意味を理解せず、丸暗記していませんか?
※低酸素血症≠呼吸器疾患!
例)ΔAG・補正HCO3-を計算してますか?
例)このガス所見は代謝性アシドーシスを呼吸性に代償…出来ているのかいないのか?
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる血液ガスについて学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
医学書レビューを初めて数回目にしてついに評価がインフレしてしまいました…笑笑
しかし、どれだけ批判的に吟味しても、血液ガス分析を初めから丁寧に学ぶという観点においては間違いなく完璧な一冊であるという結論に至りますので
今回の評価は満点とさせていただきました。
おすすめの使い方
●まずは一度固まった時間を数時間確保して、一気に通読する
●臨床で出会う血液ガスの検査所見を、本書で学んだ手順で何度も解釈する
●血液ガス分析に慣れてきたころにもう一度通読する
書籍名
女性の救急外来 ただいま診断中!
ターゲット層
「NSTってなんだっけ…栄養管理の人たちじゃなくて?」
「若年女性の下腹部痛…怖すぎますもう見れません…」
こんな風に産婦人科領域の知識がなく不安に思う研修医も多いのではないでしょうか?
これは自分自身が研修医時代に思っていたことです。
ターゲット層:初期研修医産婦人科ローテ中の研修医
読了時間:7-8時間
本書の特徴
本書は、女性診療のプロとして注目される新進気鋭の産婦人科医の柴田先生・水谷先生が、
1 救急コンサルテーション術
2 月経歴と性交歴の聞き方とコツ
3 救急室から始める女性のヘルスメンテナンス
4 女性の腹痛へのアプローチ
5 外陰部と帯下の異常
6 緊急避妊
7 月経困難とLEP
8 妊娠中のコモンプロブレム
9 産科エマージェンシー
10 授乳中だったら
11 産後のエマージェンシー
12 更年期?高齢者のコモンディジーズとその対応
13 DVの疑い方・対応の仕方
14 災害時の妊産婦と女性ケア
15 産婦人科は,こう研修する
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★☆☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
個人的には、産婦人科領域の本の中で一番肌に合った一冊でした。
主に産婦人科に将来進まない研修医や、産婦人科ではないジェネラリストの先生方向けの内容となっております。
どのタイミングでコンサルトするべきか、どこまでなら他科で裁量できる内容なのかなど、今後の自分自身の産婦人科領域の患者さんとの接し方の土台となった一冊です。
個人的にはとてもオススメなのですが、Amazonのレビューとは少しオススメ度が乖離していました…
よくよくレビューを読んでみると、プライマリーケア医が下手の横好きで産婦人科へのコンサルトが遅くなってしまうからと理由での批評がちらほら…
もちろんこの意見も解らなくはないですが、そういった緊急度の判断もプライマリーケア医の大きな役割なのだから、そこについて批判されるともはやプライマリーケア医の意義を否定している感じがします。
なので著者自身はプライマリーケアを学ぶべき研修医にとっては間違いなくお勧めできる一冊であると自信をもって紹介させていただきます。
おすすめの使い方
●救急外来での産婦人科領域のページだけ通読
●それ以外の項目は産婦人科ローテ中に出会う度に読んでいく
まずは、産婦人科領域の疾患の救急外来での対応についての章を通読します。
その他の項目は、ローテ中に出会う疾患、問題点に応じて読んでいけばいいと思います。
例えば本書を読み進めて通読したとしても、妊婦に使ってはいけない薬剤など実際に同じような患者さんを診療していない立場で読んでも頭に残らない内容も多いと思います。
どうしても通読したいのであれば、細かいところに注目して暗記しようとするのではなく、
産婦人科領域の概要をさらっとおさらいする気持ちで読み進めることをお勧めします。

書籍名
帰ってきた竜馬先生の血液ガス白熱講義22問
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:中外医学者
発行年月日:2017/10/30
ターゲット層
「ある程度血液ガスの評価に慣れてきたぞ…!楽勝だな!」
「あれ、pH正常なのにやけに上級医は焦っている…なんでだろう…」
これらは実際に研修医2年目時代に著者が血液ガス分析について思っていたことです。
血液ガス分析は大変有用な検査であるため臨床でもよく施行される検査ではありますが、
仕事に慣れてきてしまうとその所見の解釈をおろそかしてしまいがちです。
その際に最も怖いのは、
検査所見から判断すれば緊急の医学的介入が必要なのに
その介入が遅れてしまうこと
です。
例えばpHが正常だから大丈夫と判断していても、
その背景には緊急で介入しないといけない
代謝性アシドーシスが隠れている事もあります。
適当に血液ガスを読んでいると、普段あまり気にすることのないCOの値をチェックせず、
高CO血症に対する高濃度酸素投与が遅れてしまうことも…
意外と落とし穴が多く解釈の難しい血液ガス分析は、
慣れてきたと思ってもより深く研修医が学ぶべき重要項目の一つです!
そんな血液ガス分析を深く学べる本書のターゲット層および推定読了時間はこちら。
ターゲット層:初期研修医2年目(興味があれば1年目後半でも)
読了時間:3-4時間程度
ここまで記事に書いてきたような、
複雑そうな血液ガス分析の基本を網羅的にかつとても分かりやすく
学べるのが本書です。
しかも推定読了時間をご覧ください。
3-4時間です。
時間や値段も含め、一回夜の飲み会を我慢するだけ
で基本をマスターできてしまうんです。
なんと素晴らしく、恐ろしい一冊なのでしょう…笑
本書の特徴
本書は、
米国呼吸器内科専門医資格を所持し、日本やアメリカを含む世界各国でご活躍されている
田中竜馬先生が、
●血液ガスの読み方を短時間でマスターできる人気セミナーの内容を書籍化したい
●慣れてきたからこそ迷う解釈、現場の判断をより詳しく学びたい
●血液ガスから複雑な病態を紐解く、血液ガスが読める楽しさを味わってほしい
との思いを込めて制作した一冊です。
臨床で血液ガス分析を評価する際の様々な武器や概念を、一癖ある症例ベースに
深くそしてわかりやすく学ぶことが出来ます。
この本を読み終えた後から、次の日から心がけている血液ガス分析のオキテ(著者独自の選りすぐりです笑)を一部ご紹介します。
●pO2↓でRR↑なのにpCO2→:呼吸筋疲労?挿管考慮
●妊婦や肝硬変の患者さんは呼吸性アルカローシス(なぜかわかりますか?)
●室内気のABGをゲットしたら、A-aDO2をチェック!(この計算を怠る研修医が多すぎます…)
●代謝性アシドーシスを見たら、浸透圧ギャップ・補正AG・尿AGまで意識
これらは今後何科に進んでも大事な基礎となる血液ガスについて学ぶべき重要事項です。普段の血液ガス分析に慣れているつもりだけど、もしこれらを読んであまりピンとこない方は本書を読むことをお勧めします。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
前作同様のかなりの高評価となってしましました…笑
血液ガス分析を深く丁寧に学ぶという観点においては
間違いなく完璧な一冊であるという結論に至りますので
今回の評価は満点とさせていただきました。
おすすめの使い方
●まずは一度固まった時間を数時間確保して、一気に通読する
●臨床で出会う血液ガスの検査所見を、本書で学んだ手順で何度も解釈する
●血液ガス分析に慣れてきたころにもう一度通読する
本書のおすすめの使い方はかなりセオリー通りですが上記の通り。血液ガス分析に慣れてきた、
研修医二年目や後期レジデントになって再度通読すると、より深い学びがあってお勧めです。もし本書の前の基本的な血液ガス分析についてまとめたこちらも併せて読むとより理解が深まります↓
書籍名
ECMO実践ハンドブック~世界標準の成人ECMO管理
基本情報
著者:Alain Vuylsteke (著), Daniel Brodie (著), Alain Combes (著), Jo-anne Fowles (著), Giles Peek (著), 市場 晋吾 (翻訳), 清水 敬樹 (翻訳)
出版社:羊土社
発行年月日:2020/2/10
ターゲット層
ターゲット層:研修医2年目から後期研修医・ICUで勤務する医療スタッフ(臨床工学士や看護師など)
読了時間:8-10時間
本書の特徴
本書の原著は、
Dr. Alain Vuylsteke , Dr. Daniel Brodie , Dr. Alain Combes ,Dr. Jo-anne Fowles ,Dr. Giles Peek
といった、ECMO管理のガイドラインの作成に携わるような世界的なECMOのエキスパートたちが、2020年現在のECMO管理のスタンダードをわかりやすく解説した一冊です。
それを、 市場 晋吾先生および清水 敬樹先生が翻訳してくださった、ECMOを学び理解する上で間違いのない一冊となっています。
本書の特徴としては
●世界的なECMOのエキスパートたちによるECMO実践のためのハンドブック
●系統的・網羅的かつ、臨床に必要な事項に絞ったコンパクトな解説を多く掲載
であるといえます。この本を読み終えた時には、今後ICUでの重症患者さん管理において大事なECMO基礎となる重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★+0.5
面白さ:★★★+0.5
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の総評において注目していただきたいのは、継続使用度の高さです。
正直他の参考書だと具体的な数値など、本当に管理する際に必要な情報が省略されていることも多いですが、本書にはとても具体的な管理の基準値や注意すべきことが書いてあるので読者側としては何度も実臨床で使うことがあります。
そして、通読する際にも豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は若手医療従事者がECMO管理を行う際に必須の一冊である!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
おすすめの使い方
●まずは本ブログや各種参考書でECMOの概念を軽く理解!
●本書を最初からじっくりと通読
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
まず、本書はECMOを全く知らない状態から通読を始めると少しつらいので、当ブログの簡単なECMOの記事や、他の集中治療領域の参考書をまず読むことをお勧めします。https://dancing-doctor.com/2020/08/19/ecmo-step/その後、著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験するECMO管理は理論を伴ったものとなり理解度が大きく異なるので、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
書籍名
やっくん先生のそこが知りたかった中毒診療
基本情報
著者:薬師寺泰匡
出版社:金芳堂
発行年月日:2020年02月
ターゲット層
新人看護師・初期研修医/救急外来を主戦場とする後期研修医
読了時間:3時間程度
です。
すなわち、救急外来で勤務する医療従事者が短時間で中毒診療を学ぶにあたって有益な本であると個人的には感じています!
本書の特徴
本書は、救急科専門医であり中毒を専門とされる薬師寺泰匡先生が、
●中毒診療現場で遭遇する困った問題をどうすれば良いのか体系化された方法の伝授して苦手意識を克服してほしい
●中毒診療の実務に役立つ“攻略本”のような書籍になることを目指し、正攻法から裏技的な方法までを伝えたい
という思いを込めて制作されている一冊です。この本を読み終えた時には、
「警察呼ぶの?呼ばないの?」
「拮抗薬って覚えなきゃいけないの?」
「患者さん、暴れているやん!」
といった、中毒診療で出会う疑問や問題点を学習して中毒診療に対する苦手意識を克服できている事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は何といってもわかりやすく面白い先生の軽快な文章です!
本書で喩えとして登場するドラゴンクエストなど、中毒の難しい内容を読者である我々に大変わかりやすく書いてくださっているので楽しくすらすらと読めます!
自分自身当直業務の合間に面白すぎて一気に通読してしましました。笑
個人的には中毒診療に関わるすべての医療従事者は一冊必ず携帯するべきだと感じているほどお勧めです。
特に中毒診療の参考書を読んだことがない方はまずこの一冊を強くお勧めします。
継続使用性については、先生自身も本書はあくまで攻略本として書いており、より詳しい治療については各種成書を参考にしてほしいと強調されていたのであえて☆3とさせていただきましたが、個人的には7-8割程度の日本で経験する中毒診療については問題なく初療できるのではないかなと思いました。
おすすめの使い方
●これまで悩んだ中毒診療を思い出しながらまず通読!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験する中毒診療は、攻略本を読みながらゲームをするくらいなぜかワクワクするようになるので、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
書籍名
ユキティのER画像Teaching File
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医・一人当直が始まり不安な専攻医
読了時間:7-8時間
本書の特徴
本書は、岩手県立中部病院の放射線診断科長の熊坂先生が、
●救急医療に携わる医師が自信をもってCT所見を読影できるようになってほしい
●少人数で救急外来で戦う医師のストレスを少しでも軽減したい
といった熱い気持ちを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、
●腹痛患者の手術適応についてCT所見から論理的に考えられる思考プロセス
●肺炎・無気肺・胸水を見分ける読影眼
●重症外傷患者のCT読影で重要な要素を漏らさないポイント
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
個人的には、ここまで救急外来での画像読影に特化した参考書はなく、救急外来での読影に自信をつけたい方には間違いなく役に立つ一冊だと考えます。
おすすめの使い方
●まずは一冊をさらっと通読して、注意すべきポイントを学ぶ
●救急外来で登場した疾患に出会う旅に、復習として読む
画像の読影についてのフィードバックを指導医や上級医からもらえることは少ない分、自分で普段からフィードバックする癖をつけると少しずつ自分の読影の型みたいなものが出来てきます◎
手技
書籍名
ねじ子のヒミツ手技
基本情報
著者:森皆 ねじ子
出版社:出版会社SMS
発行年月日:2009/6/29
ターゲット層
「ああ、突然挿管のチャンスが巡ってきたけど緊張する、どうしよう…」
「Aライン取れなかったの3回目だ…周囲のスタッフは全員さみしい目をしている…」
「同期のBさんはCVもうバッチリできるらしい…手技に自信が持てないなあ…」
これは著者自身が研修に日々感じていた心の声です。
先輩方は、手技は経験だから慣れればできるよ!と優しくフォローしてくださるけど、これだけ失敗が続くと一生自分にはできない気がする…
研修医時代の著者と同様に手技に悩む新人の医療従事者はたくさんいると思います。
また、後輩ができて手技を教える立場になった今も的確なアドバイスをするのは難しく、手技は本当に難しいなと日々感じています…
ターゲット層:新人看護師・初期研修医1年目(特に前半)/指導する立場の医療従事者
読了時間:3-4時間
すなわち、すべての医療従事者にとって有益な本であると個人的には感じています!
本書の特徴
本書は、医師として業務する傍らイラストレーターとしてご活躍されている森皆ねじ子先生が、
例)自分で点滴を組み立てることはできますか?
例)CVの際に注意すること、患者さんの体位や自身のポジショニングのポイントは?
※自分で準備できなければスタートラインにも立てません!
●外来や病棟で必要となる様々な基本的手技のポイントや注意点
◎採血・注射 ◎気道確保・挿管 ◎CV・Aライン ◎各種ドレーン ◎硬膜外麻酔 その他多数
●自分自身が指導する側に立った際の後輩への的確なアドバイスに必要な知識
例)初めてAラインにトライする後輩に伝えるべきポイントや注意事項は?
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
本書の特徴は何といってもわかりやすく面白いイラストです!
登場人物もみんなかわいし、思わずくすっと笑ってしまうような的確で面白いアドバイスも盛りだくさん!
実際のイラストを見てみたい方は、『ねじ子のヒミツ手技』で画像検索してみてください。
個人的にはすべての医療従事者は一冊必ず携帯するべきだと感じているほどお勧めです。
おすすめの使い方
●新人看護師・研修医1年目での業務スタートの前にまず通読!
●その後は経験した手技の前後で読み直して復習!
そのあとは後輩の指導を積極的に行って、教える立場に立つとよりそれぞれの手技への理解が深まります!インプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。
実際に自分の手技を客観的に評価してもらうこともとても大切だと思います。

書籍名
ねじ子のぐっとくる体のみかた
基本情報
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(特に前半)
読了時間:3-4時間
本書の特徴
本書は、皆森ねじ子先生が、
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる内科で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★☆
(評価の概要)
本書は他のねじ子シリーズ同様、大変わかりやすく面白いです。
全て★5つを付けたくなるところですが、あえて批判的な吟味をするとすると、
エコーなどの生理検査や、CTなどの画像診断が進んだ今の世代では現場であまり重視されていない身体診察も多少掲載されているかなと思います。
もちろんその点はねじ子先生も記載してくださっていますが、個人的には治療方針や疾患の検査前確率があまり変化しない身体診察を、主訴に合わせてすべて真面目に時間を取ってやるのは少しナンセンスかなと思います…
もちろん、救急外来のような限られた時間の中での診察でない場合や、身体診察の歴史を体系的に学ぶのはとても大事なことではありますが!
おすすめの使い方
●意外と勘違いしている診察方法が思った以上にあるので一度通読してみる
●身体診察の前後で該当する項目を読み、イラストと自分の体感のずれを自身でフィードバックする
●身体診察の苦手意識が薄れてきたら、ひたすら診察してみる!
内科全般
書籍名
内科レジデントの鉄則
基本情報
ターゲット層
「入院中の患者さんが発熱した!どうしよう…」
「わ!採血したら高K血症だ!何をどうしたらいいんだっけ…」
研修医として勤務を始めたばかりのころは、毎日悩むことばかりです。
自分も例外なくそんな研修医の一人でした…
すぐに先輩や上級医に相談したくなるところをぐっと我慢して、
一旦まずは自分で考えることが肝要です。悩んだ時こそ成長のチャンス!
そんな時に役立つのがこちらの一冊。
ターゲット層:国家試験終了後の医学生~初期研修医1年目(特に前半)
読了時間:10-12時間
本書の特徴
本書はかの有名な聖路加国際病院の内科チーフレジデントの先生方が、
珠玉の一冊なのです。
●現場でよく遭遇する症候の鑑別
例)入院中の患者の発熱で見逃しやすい、想起すべき原因は?(7つ)
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる内科で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★☆☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
おすすめの使い方
●各章の末にある参考文献の論文を読む
●ローテ中に学んだことをこの本に書き込んで集約化する
より深く学びたい研修医2年目の先生は是非取り組んでみてください。

書籍名
「型」が身につくカルテの書き方
基本情報
著者:佐藤 健太
出版社:医学書院
発行年月日:2015/4/9
ターゲット層
ターゲット層:医学生から初期研修医(特に1年目)
読了時間:4-5時間
本書の特徴
本書は、カルテ記載のスペシャリストである内科医の佐藤健太先生が、
●「型」に沿って記載するだけで診療効率&診断推論能力がアップする、 「週刊医学界新聞」の人気連載の書籍化!
●カルテ記載の「基本の型」と「応用の型」を両方学ぶことで、より臨床で生きる実践的なカルテの書き方を学んでほしい!
●「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる」
との思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、SOAPを中心とした今後何科に進んでも大事な基礎となるカルテ記載について学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★+0.5
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
今回の総評について特筆すべきは、読み切りやすい本の薄さと高い必要性です!
カルテ記載は我流になりやすいからこそ、医学生や研修医時代に基本の型を学んでおくのは本当に大切だと思います。
「基本の型」の部では、SOAP形式や問題リストなどのカルテ記載法のエッセンスを習得することができ、合わせて医師らしい思考過程を身につけることが出来ると思います。
また、重要なのはどんな場面でも実践することが出来る「応用の型」の部であり、外来・救急などセッティング別のカルテ記載法を習得することが出来ます。
また、各章に散りばめられたcolumnは普段の疑問や悩みを解決してくれるような面白い内容ばかりで(例えばプロブレムリストは、#なのか♯なのか問題など…笑)、すらすらと読み進めることが出来ます。
おすすめの使い方
●これまでカルテ記載について悩んでいたことを思い出しながらまず通読!
●その後はカルテ記載をしながら適宜読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後のカルテ記載は、体系的にまとまったカルテの作成を意識できるので、医学生や初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

書籍名
レジデントのためのこれだけ輸液
基本情報
著者:佐藤 弘明
出版社:日本医事新報社
発行年月日:2020/6/29
ターゲット層
ターゲット層:医学生から後期研修医・看護師
読了時間:8-10時間
本書の特徴
本書は、内科医として勤務される佐藤弘明先生が、
●初学者が最初に読むのに適した本になるよう徹底的に考え執筆したい
●この一冊をきちんと理解すれば、自信を持って輸液を行うことができるようにしたい
との思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、
細胞外とは何ですか?なぜわざわざそのような名称を使うのでしょうか?
GI療法の仕組みは何ですか?
輸液の量を決定する際に必要な項目の代謝水とは何ですか?【電子書籍付!!】『レジデントのためのこれだけ輸液』【サンプルページあり】コウメイ塾HP引用
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる内科で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
今回の総評はほぼカンストしていますが、正直オススメ度やわかりやすさには☆100個ぐらい付けたいほどでした…笑
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりつ分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
特に尿細管のチャネルや利尿薬の内容については目から鱗の内容ばかりでした。
輸液や電解質異常の内容はもちろん、インスリンやステロイドなど、研修医や医学生の目線に立って網羅的に掲載してありました。
個人的には、後期レジデント以降の学年が進んだ先生方の書いた本やスライドは、初期研修医の最初に持つ疑問についての記憶は薄れてしまっているので、
僕自身も躓いた初歩の初歩に関する説明は乏しいよなあと思っていたのですが、本書は違いました。
本書に登場する研修医の疑問を読んで、
僕自身も同じ疑問や悩みを持っていたなあ!
と懐かしく思いました。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は今後、研修医が初めに輸液について学ぶ医学書のゴールドスタンダードになる!
と確信しました。今後出会う初期研修医全員に本書を勧めたいと思います。
また、USMLEのSTEP1・2CKを終えた自分としましては、
USMLEの腎臓・薬理・生理学の分野の日本語の参考書としても最適である!
とも思いました!
おすすめの使い方
コチラについても先生が、本書を読むにあたっての読者のための11のこだわりというPDFを作成されております。
興味がある方はリンクからご覧ください。
消化器
書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 内分泌・消化器編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2017/6/3
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
ことを目指して制作した一冊です。
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる集中治療をする上での学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
特に、集中治療によくある文言である、どちらがいいとも言い切れないというガイドラインによくある文言を含んでいるほどの名書です。
個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので自分のノートに書き写してまとめる(Evernote)
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。
循環器
書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 循環・呼吸編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2016/2/7
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
個人的総評
必要性:★★★+0.5
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★★☆
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
一方で、この本が出版されたときはq-SOFA導入前?であったので敗血症の概念が今と若干異なることや、気管挿管などの気道確保の部分など一部わかりにくい部分もありました…
それらを総合して個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●忙しい人はまとめページだけ読み込んでいく
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので、自分のノートに書き写してまとめる
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。

書籍名
レジデントのためのこれだけ心電図
基本情報
著者:佐藤 弘明
出版社:日本医事新報社
発行年月日:2018/1/26
ターゲット層
ターゲット層:医学生から後期研修医・看護師
読了時間:5-6時間
本書の特徴
本書は、医学生や初期研修医を対象とした医学教育のプロであり、内科医として勤務される佐藤弘明先生が、心電図の初学書として
心電図について初学者が学ぶべきことを、
初学者が学ぶべき順に書いてあり、
(読みやすく楽しいため)最後まで通読することができ、
(読み終えた後は)もっと勉強したい、
専門書にも挑戦してみたいと思わせる本
を目指して作成されています。特に実際の場面が意識できるような、
●この心電図はなぜ学ぶ必要があるのか?
●どのような場面で出くわすのか?
●この心電図を学ぶとどんな良いことがあるのか?
●どのように対処すればよいのか?
に沿って記載されているので読み進めやすい内容となっています。この本を1ページ目から順に読んでいただくだけで、心電図について効率よく系統的に学ぶことができます。しかも、短期間で通読できるボリュームなので、大事な内容を漏れなく学ぶことができます。
通読し終わるころには、今後何科に進んでも大事な基礎となる心電図で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
今回の総評も先生の著書『レジデントのためのこれだけ輸液』同様、ほぼカンストしていますが、正直オススメ度やわかりやすさには☆100個ぐらい付けたいほどです…笑
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりつ分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
各心電図がどうしてこのような波形になるのか、豊富な図表を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は心電図を学ぶ初学者にとってのゴールドスタンダードになる!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
おすすめの使い方
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読!
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験する心電図の解釈は、体系立てて理解することが出来るようになると思いますので初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

書籍名
3秒で心電図を読む本
基本情報
著者:山下 武志
出版社:メディカルサイエンス社
発行年月日:2010/3/25
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医から後期研修医
読了時間:4-5時間
本書の特徴
本書は循環器内科医師として心電図に精通された、山下 武志先生が、
●何科の医師であっても限られた診療時間の中で求められるのは、効率よく心電図を読み解き、速やかに次の医療行動を決定することである。
●パターン認識による心電図診断ではなく、「視線」と「視点」に着目した新しい心電図の読み方を提案したい
との思いを込めて制作した一冊です。さまざまな検診で検査された心電図を何千も読むうちに、徐々に心電図を読影する型を発見されたそうです。この本を読み終えた時には、12誘導心電図を安全に乗りこなせるような読影方法を中心とした、今後何科に進んでも大事な基礎となる心電図の読み方で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。そして重要なのが、この読み方というのはいわゆるパターン認識や小手先のテクニックによるものではなく、心電図の生理学に基づいた本質的なものであるという事!一見とても興味を引かれるキャッチーなタイトルであるためそのように勘違いされる方も多いとは思いますが、今後いつまでも使うことのできる思考なのです!
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★★
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
今回の総評において特に注目していただきたいのは…本書の内容の濃さにもかかわらず読了しやすい読みやすさであること!
理解すればいいところと、本当に覚えなければならないことをしっかりと分けてくださっているので読者側としては重み付けをしながら読み進めることが出来ました。
具体的な心電図波形を使ってくださっているのでスイスイ読み進められます。
特に本書で強調されている12誘導心電図を安全に乗りこなせるような読影方法の実際の目線の動かし方などの内容については、目から鱗の内容ばかりでした。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は心電図の臨床現場での具体的な読影を学ぶ上でのゴールドスタンダードとなる医学書である!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
※一方で、本書は心電図の基本事項についてある程度理解した上でないと難しいと感じる内容もあると思います。
P波って何…?など、心電図の基本事項にまだ不安のある方はコチラの一冊から勉強することをお勧めします
おすすめの使い方
●これまで悩んだ心電図診療を思い出しながらまず通読!
●その後は本書の心電図の型を復習しながら実臨床で応用してみる!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験する心電図読影はスピード感も心電図を読む目線も変わり、無駄のない読み方ができるようになるので、初期研修医など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

代謝・内分泌
書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 内分泌・消化器編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2017/6/3
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる集中治療をする上での学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
特に、集中治療によくある文言である、どちらがいいとも言い切れないというガイドラインによくある文言を含んでいるほどの名書です。
個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので自分のノートに書き写してまとめる(Evernote)
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。
感染症
書籍名
絶対わかる抗菌薬はじめの一歩
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(特に前半)・STEP1勉強中の医学生
読了時間:4-5時間
本書の特徴
本書は、自治医科大学感染症科の矢野先生が、
に向けて制作した一冊です。
個人的総評
必要性:★★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★+0.5
継続使用度:★★★★☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴としては、何より抗菌薬の種類ごとに体系的かつ網羅的に初期研修医が知るべき知識が掲載されているので、これをもとに勉強したらまず間違いがないし漏れがないという事です。
裏を返すと、はじめの一歩とはタイトルにありますが一読するだけでは吸収不良になる難しい内容も多く、研修医終了後も継続して利用することも大切かなと思います。
個人的にはこれだけの充実した内容なのにこれだけページ数が少なくまとめられているのは本当にすごいと思います。時間対効果のコスパは半端なくいいです。
おすすめの使い方
●まずは軽く通読し、抗菌薬の作用機序ごとの分類
●カンファや臨床で出会う抗菌薬をその都度調べる

呼吸器
書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 循環・呼吸編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2016/2/7
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
することを目指して制作した一冊です。
この本を読み終えた時には、
個人的総評
必要性:★★★+0.5
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★★☆
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
一方で、この本が出版されたときはq-SOFA導入前?であったので敗血症の概念が今と若干異なることや、気管挿管などの気道確保の部分など一部わかりにくい部分もありました…
それらを総合して個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●忙しい人はまとめページだけ読み込んでいく
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので、自分のノートに書き写してまとめる
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。

書籍名
Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
基本情報
ターゲット層
「わけのわからないアルファベットが羅列してある…。なんじゃこりゃ。」
「触って患者さんの呼吸が止まったらどうしよう…何も触れないな…」
これらは実際に研修医1年目時代に著者が人工呼吸器について思っていたことです。
人工呼吸器は大変有用な患者管理であるため臨床でもよく施行されますが、研修医にとっては慣れないもので調整する敷居は高いかもしれません。
その際に最も怖いのは、
呼吸器のグラフィックや値から判断すれば緊急の医学的介入が必要なのに
その必要性に気づかず介入が遅れてしまうことです。
意外と落とし穴が多く解釈の難しい人工呼吸器は、慣れていない方はもちろん、慣れてきたと思ってもより深く研修医が学ぶべき重要項目の一つです。
人工呼吸器・人工呼吸中の患者に関わるすべての医療従事者にも是非読んでほしい一冊です。
ターゲット層:人工呼吸器・人工呼吸中の患者に関わるすべての医療従事者
読了時間:10-12時間
本書の特徴
本書は、米国呼吸器内科専門医資格を所持し、日本やアメリカを含む世界各国でご活躍されている田中竜馬先生が、
●人工呼吸管理中の酸素化不良で考える原因を4つ想起
これらは今後何科に進んでも大事な基礎となる人工呼吸について学ぶべき重要事項です。
普段から人工呼吸に慣れているつもりだけど、もしこれらを読んであまりピンとこない方は本書を読むことをお勧めします。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
かなりの高評価となってしましました…笑
人工呼吸を深く丁寧に学ぶという観点においては間違いなく完璧な一冊であるという結論に至りますので今回のオススメ度は満点とさせていただきました。
おすすめの使い方
●時間を数時間確保して、一気に通読する
●臨床で悩んだ人工呼吸について辞書的に使う
●血液ガス分析に慣れてきたころにもう一度通読する

集中治療
書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 循環・呼吸編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2016/2/7
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
個人的総評
必要性:★★★+0.5
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★★☆
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
一方で、この本が出版されたときはq-SOFA導入前?であったので敗血症の概念が今と若干異なることや、気管挿管などの気道確保の部分など一部わかりにくい部分もありました…
それらを総合して個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●忙しい人はまとめページだけ読み込んでいく
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので、自分のノートに書き写してまとめる
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。

書籍名
Dr.竜馬のやさしくわかる集中治療 内分泌・消化器編
基本情報
著者:田中 竜馬
出版社:羊土社
発行年月日:2017/6/3
ターゲット層
ターゲット層:初期研修医1年目(中盤ー後半)
読了時間:7-8時間
タイミングとしては、ある程度一般的な内科や麻酔科・救急科いづれかをローテした後の初期研修医1年目が最適かなと思います。
本書の特徴
本書は、米国の集中治療医である田中竜馬先生が
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる集中治療をする上での学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は、研修医と上級医(コテコテの関西弁…笑)の二人が、
重症な病態の患者さんの初療から全身管理までの流れを、
面白おかしく質疑応答しながら進んでいくストーリーにあると思います。
研修医が抱きがちな集中治療領域の素朴な質問に、上級医が病態生理から論文のエビデンスベースに丁寧に解答していきます。
患者さんに何が起きているか、病態生理を学ぶ上では最高の一冊であると思います。
特に、集中治療によくある文言である、どちらがいいとも言い切れないというガイドラインによくある文言を含んでいるほどの名書です。
個人的な評価をさせていただいていますが、集中治療の生理学を学ぶ上では本書よりもわかりやすい本は他にないと思います!
おすすめの使い方
●時間に余裕がある方は、研修医と上級医の会話を含めゆっくり通読
●まとめページのサマリは本当に重要なエッセンスが含まれているので自分のノートに書き写してまとめる(Evernote)
初学者で時間に余裕があれば通読をお勧めします。本当に面白いので!
ある程度理解している内容も多ければまとめのページを読み込んで、
実際に引用されている論文を読むと、どのような竜馬先生がどのような解釈をしているのか知ることが出来て面白いです。
書籍名
ER・ICU 100のdon’ts
基本情報
【出版年月日】
2016/12/20
【著者】
志馬 伸朗 (編集), 小尾口 邦彦 (編集), 江木 盛時 (編集), 石丸 裕康 (編集), 大下 慎一郎 (編集)
ターゲット層
ターゲット層:ER・ICUローテ中の初期研修医・あるいはER・ICUえ勤務する医療従事者
読了時間:6-7時間
本書の特徴
本書は、広島大学救急集中治療科教授の志馬伸朗先生を中心とした救急・集中治療のスペシャリストが、
といった、意識しなければついついルーチンで行ってしまう注意事項について学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★+0.5
本の薄さ:★★★★★☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★★
継続使用度:★★★★★☆☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は、日々の診療でよく出会う事項を中心にまとめられているので、それぞれの事項の医学的エビデンスを興味を持って読み進めることが出来ます。
学んでいく中で、明日からの診療や処置で気を付けるべき課題がたくさん見つかるので、
僕自身の考える良い医学書の特徴である、
読むことで明日からの行動が変わる
という点においては本当におすすめできる内容です。
また、個人的にはこういった100の項目をまとめたシリーズ系は、
流し読み、飛ばし読みしやすい
のでその点においてもおすすめです。
おすすめの使い方
●まずはさらっと目を通して、興味のある項目について読み込む
●自施設のルーチンと照らし合わせて、明日からの行動を改善する
と質問してくれた時に、
書籍名
Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理
基本情報
ターゲット層
「わけのわからないアルファベットが羅列してある…。なんじゃこりゃ。」
「触って患者さんの呼吸が止まったらどうしよう…何も触れないな…」
これらは実際に研修医1年目時代に著者が人工呼吸器について思っていたことです。
人工呼吸器は大変有用な患者管理であるため臨床でもよく施行されますが、研修医にとっては慣れないもので調整する敷居は高いかもしれません。
その際に最も怖いのは、
呼吸器のグラフィックや値から判断すれば緊急の医学的介入が必要なのに
その必要性に気づかず介入が遅れてしまうことです。
意外と落とし穴が多く解釈の難しい人工呼吸器は、慣れていない方はもちろん、慣れてきたと思ってもより深く研修医が学ぶべき重要項目の一つです。
人工呼吸器・人工呼吸中の患者に関わるすべての医療従事者にも是非読んでほしい一冊です。
ターゲット層:人工呼吸器・人工呼吸中の患者に関わるすべての医療従事者
読了時間:10-12時間
本書の特徴
本書は、米国呼吸器内科専門医資格を所持し、日本やアメリカを含む世界各国でご活躍されている田中竜馬先生が、
●人工呼吸管理中の酸素化不良で考える原因を4つ想起
これらは今後何科に進んでも大事な基礎となる人工呼吸について学ぶべき重要事項です。
普段から人工呼吸に慣れているつもりだけど、もしこれらを読んであまりピンとこない方は本書を読むことをお勧めします。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
かなりの高評価となってしましました…笑
人工呼吸を深く丁寧に学ぶという観点においては間違いなく完璧な一冊であるという結論に至りますので今回のオススメ度は満点とさせていただきました。
おすすめの使い方
●時間を数時間確保して、一気に通読する
●臨床で悩んだ人工呼吸について辞書的に使う
●血液ガス分析に慣れてきたころにもう一度通読する

書籍名
重症患者管理マニュアル
基本情報
著者:平岡栄治 (編集), 則末泰博 (編集), 藤谷茂樹 (編集)
発行年月日:2018/8/2
ターゲット層
「心外術後の患者さんのプレゼンをしてって言われたけど、注意してモニタリングする項目は何だろう…」
「この頭に刺さっているモニターは何だろう…(のちにICPセンサーと知る)」
「BPが低い…この患者さんにまず使うのはノルアドレナリン?それともドブタミン?」
これは著者自身が研修に日々感じていた心の声です。というより専攻医になった今も同じような悩みを抱えています…笑
研修医時代および現在の著者と同様に重症患者の管理に悩む新人の医療従事者はたくさんいると思います。
ターゲット層:ICU勤務の看護師・初期研修医1年目後半以降~専攻医レベルの医師
読了時間:20-25時間
です。
すなわち、ICUで勤務するすべての医療従事者にとって有益な本であると個人的には感じています!
本書の特徴
本書は、東京ベイ・浦安市川医療センターで勤務される平岡栄治先生を初めとするお三方が、
●アメリカなど世界の集中治療分野も学んできたうえで、日本の現状に即した純日本ICUブックを作りたい
という思いを込めて制作されている一冊です。
ICU/CCUでのモニタリングや人工呼吸器管理を中心に、先生方の日々の臨床で培ったクリティカルケアの技術、経験をまとめられています。
ガイドラインやエビデンス偏重にならず、しっかりとした患者評価と最適な治療を実現するために、病態生理の理解も含めた内容が網羅的に掲載されています。重症患者管理のスタンダードとなる知識と診療の指針となる一冊です。
この本を読み終えた時には、
●鎮静鎮痛・循環管理を含めたICU/CCUでの具体的な重症患者管理
●それら使用法の背後にあるエビデンスや生理学的知識
●現在の治療方針に影響を与えた数々のRCTの結果
など、今後ICUで勤務する上で大事な基礎となる学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★+0.5
本の薄さ:★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★+0.5
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は何といっても臨床での治療選択が変わってきた数々の論文の紹介や、豊富なエビデンスや背景となる生理学知識が網羅されている事です。
特におすすめなのが本書の最初の項目である重症患者を体系的にアセスメントするためのカルテの書き方、評価の仕方を解説してくださっている事です。
その他項目ごとに最新のエビデンスやガイドラインに即した内容や、必要な生理学的知識もふんだんに盛り込まれております。
そのため、働いていて治療に疑問や悩みを感じるたびに本書を読むことで、こんなことまで解説していあったのか…と購入後も継続して使用できる一冊です。
おすすめの使い方
●ICU看護師・研修医集中治療科ローテ中での業務期間に気長に通読!
●経験した症例、使用薬剤に応じて適宜復習!
●ICU入室中のカルテは本書の内容を参考にしてシステマティックに書いてみる!
上記が個人的におすすめの使い方です!
この本は一つ一つの内容がかなり骨太であるが故、通読にはそれなりの時間を要します(著者は1項目約1時間程度要しました…)なので焦ることなくじっくりと読み進めていき、臨床で疑問に出会う度に復習として読むのがいいかと思います。また、本書のカルテの書き方は重症患者のカルテ記載において本当に役に立つので是非参考にしてみてください。

書籍名
ICU/CCUの薬の考え方、使い方ver.2
基本情報
著者:大野 博司
発行年月日:2015/12/25
ターゲット層
「ICU入院中の患者さんがせん妄なってますって看護師さんに言われたけど、どうしよう…」
「結局輸血って何を何単位いけばいいんだろう…」
「BPが低い…この患者さんにまず使うのはノルアドレナリン?それともドブタミン?」
これは著者自身が研修に日々感じていた心の声です。というより専攻医になった今も同じような悩みを抱えています…笑
研修医時代および現在の著者と同様に重症患者の管理に悩む新人の医療従事者はたくさんいると思います。
ターゲット層:ICU勤務の看護師・初期研修医1年目後半以降~専攻医レベルの医師
読了時間:25-30時間
です。
すなわち、ICUで勤務するすべての医療従事者にとって有益な本であると個人的には感じています!
本書の特徴
本書は、集中治療分野のスペシャリストである大野 博司先生が、
●職場で定期的に行ってきた勉強会の内容を日本中のICUで働く医療従事者にシェアしたい
●「目の前の医療がどの程度世界標準から離れており」そして、「それが妥当なのか」を見極められるようになってほしい
という思いを込めて制作されている一冊です。
ICU/CCUで頻用される薬剤の使い方を中心に、先生が日々の臨床で培ったクリティカルケアの技術、経験をまとめられています。
新章の書きおろし、新規薬剤・文献のアップデート、新規付録「クリティカルケアで重要な薬物相互作用」の追加など、大幅な改訂作業によって旧版の倍、800ページ超の大ボリュームとなっております。
この本を読み終えた時には、
●鎮静鎮痛・循環管理を含めたICU/CCUで使用する薬剤の具体的な使い方
●それら使用法の背後にあるエビデンスや生理学的知識
●各薬剤だけでなく、患者さんに応じた薬物の相互作用を考えた管理
など、今後ICUで勤務する上で大事な基礎となる基本手技で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★+0.5
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★+0.5
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
本書の特徴は何といっても超具体的な薬剤の使い方と、豊富なエビデンスや背景となる生理学知識が網羅されている事です。
本書のタイトルを見ると一見、基礎医学の薬理学などの内容を掲載した本に感じますが、実際には医療現場の具体的なcaseに応じた使用方法が解説されているのです。
USMLEなどで学ぶ基礎医学的な内容を実臨床生かす、いわば実臨床をベースとした一冊なのです。
そのため、働いていて治療に疑問や悩みを感じるたびに本書を読むことで、こんなことまで解説していあったのか…と購入後も継続して使用できる一冊です。
おすすめの使い方
●ICU看護師・研修医集中治療科ローテ中での業務期間に気長に通読!
●経験した症例、使用薬剤に応じて適宜復習!
上記が個人的におすすめの使い方です!この本は一つ一つの内容がかなり骨太であるが故、通読にはそれなりの時間を要します(著者は1項目約1時間程度要しました…)なので焦ることなくじっくりと読み進めていき、臨床で疑問に出会う度に復習として読むのがいいかと思います。

書籍名
ICU輸液力の法則
基本情報
著者:川上 大裕
出版社:中外医学社
発行年月日:2019/9/11
ターゲット層
ターゲット層:研修医(特に2年目)からICUや重症患者管理をメインに行う後期研修医
読了時間:7-8時間
です。
輸液分野の初学書として強くお勧めするのはコチラの一冊です↓
本書の特徴
本書は、神戸市立医療センター中央市民病院集中治療部に所属されている川上大裕
先生が、
●集中治療医を志す若手医師だけでなく、急性期の輸液や循環管理に携わるすべての医師に向けての輸液の指南書を作りたい
●新しいエビデンスが次々と乱立していく現在、それらに振り回されることなくそれらを使いこなすことができるようになってほしい
●そのための根っこである循環生理をしっかり理解してほしい
との思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、輸液反応性やその指標、そして各疾患の循環整理やフェーズを意識した管理など、今後何科に進んでも大事な基礎となる急性期の輸液や循環管理で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★★★
おすすめ度:★★★★★
(評価の概要)
今回の総評はほぼカンストしていますが、オススメ度や継続使用度には☆をいくつつけても足りないほどでした…笑
これまで断片的に理解していた循環管理における知識が見事につながっていき、頭の中で整理されていくのを感じました。
通読していて気持ちいいと思った本は本当に久しぶりです…!
特筆すべき点として、本書は輸液の参考書かと思いきや、敗血症や心不全、ARDSの循環動態を中心とした管理の内容についても言及されており、重症患者で想定される病態がかなり網羅されていました。
特にスワンガンツカテーテルや右心不全の項目は、これまで苦手意識が強かった自分にとってはまさに目から鱗の内容ばかりでした。。感動的。。。
一方、僕自身の能力が低いからかもしれませんが、P-Vループなど個人的には一度通読するだけでは理解できていないことも多く、何度も読み込んだり臨床で出会う度に継続して読み続ける必要があるなと思いました。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は集中治療領域の循環管理を学ぶ上でバイブルとなる一冊である!
と感じました。今後出会う初期研修医に本書を勧めたいと思います。
また、USMLEのSTEP1・2CKを終えた自分としましては、
USMLEの循環器の生理学の参考書としても最適である!
とも思いました!
おすすめの使い方
●難しい概念に立ち止まることもあるが、ある程度理解できていないことを許容しながらまずは通読
●その後は経験した症例の前後で読み直して復習!
●後輩に本書の内容を駆使してベッドサイドでアウトプットすることで自分の理解度を高める
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては、上記のようにまずは集中治療領域の体液管理について全体的に学んだ後に、様々なシチュエーションでアウトプットすることで理解が深まるなと思いました。
実際の症例はもちろん、勉強会や普段の後輩への指導の際に本書の内容を用いて自分の言葉でアウトプットし続けることで自分自身が成長できるのではないかと思います。

産科・婦人科・乳腺外科
書籍名
女性の救急外来 ただいま診断中!
ターゲット層
「NSTってなんだっけ…栄養管理の人たちじゃなくて?」
「若年女性の下腹部痛…怖すぎますもう見れません…」
こんな風に産婦人科領域の知識がなく不安に思う研修医も多いのではないでしょうか?
これは自分自身が研修医時代に思っていたことです。
ターゲット層:初期研修医産婦人科ローテ中の研修医
読了時間:7-8時間
本書の特徴
本書は、女性診療のプロとして注目される新進気鋭の産婦人科医の柴田先生・水谷先生が、
1 救急コンサルテーション術
2 月経歴と性交歴の聞き方とコツ
3 救急室から始める女性のヘルスメンテナンス
4 女性の腹痛へのアプローチ
5 外陰部と帯下の異常
6 緊急避妊
7 月経困難とLEP
8 妊娠中のコモンプロブレム
9 産科エマージェンシー
10 授乳中だったら
11 産後のエマージェンシー
12 更年期?高齢者のコモンディジーズとその対応
13 DVの疑い方・対応の仕方
14 災害時の妊産婦と女性ケア
15 産婦人科は,こう研修する
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★☆☆
わかりやすさ:★★★★+0.5
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
個人的には、産婦人科領域の本の中で一番肌に合った一冊でした。
主に産婦人科に将来進まない研修医や、産婦人科ではないジェネラリストの先生方向けの内容となっております。
どのタイミングでコンサルトするべきか、どこまでなら他科で裁量できる内容なのかなど、今後の自分自身の産婦人科領域の患者さんとの接し方の土台となった一冊です。
個人的にはとてもオススメなのですが、Amazonのレビューとは少しオススメ度が乖離していました…
よくよくレビューを読んでみると、プライマリーケア医が下手の横好きで産婦人科へのコンサルトが遅くなってしまうからと理由での批評がちらほら…
もちろんこの意見も解らなくはないですが、そういった緊急度の判断もプライマリーケア医の大きな役割なのだから、そこについて批判されるともはやプライマリーケア医の意義を否定している感じがします。
なので著者自身はプライマリーケアを学ぶべき研修医にとっては間違いなくお勧めできる一冊であると自信をもって紹介させていただきます。
おすすめの使い方
●救急外来での産婦人科領域のページだけ通読
●それ以外の項目は産婦人科ローテ中に出会う度に読んでいく
まずは、産婦人科領域の疾患の救急外来での対応についての章を通読します。
その他の項目は、ローテ中に出会う疾患、問題点に応じて読んでいけばいいと思います。
例えば本書を読み進めて通読したとしても、妊婦に使ってはいけない薬剤など実際に同じような患者さんを診療していない立場で読んでも頭に残らない内容も多いと思います。
どうしても通読したいのであれば、細かいところに注目して暗記しようとするのではなく、
産婦人科領域の概要をさらっとおさらいする気持ちで読み進めることをお勧めします。

腎・泌尿器
書籍名
輸液を学ぶ人のために
基本情報
著者:和田 孝雄 (著), 近藤 和子 (著)
出版社:医学書院
発行年月日:1997/9/1
ターゲット層
ターゲット層:輸液の本質を学びたい新人看護師・初期研修医から後期研修医
読了時間:6-8時間
本書の特徴
本書は、医学書院にて連載を持ち様々な輸液の参考書を執筆されてきた、輸液のエキスパートである和田 孝雄先生が、
●「輸液の手ほどき書」として臨床の第一線で働くドクター、ナースを対象にした医学書院での連載のまとめ
●代々受け継がれてきた「伝統芸能」の要素の強い輸液の本質を紐解きたい
と制作した一冊です。本書は和田先生に加え、臨床現場で共に働いている近藤先生に加え、看護学生の梶原様の三人の語り口調で内容が進んでいくので、あっという間に楽しく通読できてしまいます。この本を読み終えた時には、本質的な生理学を中心とした、今後何科に進んでも大事な基礎となる輸液において理解しておくべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★☆
面白さ:★★★★+0.5
継続使用度:★★★☆☆
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
総評の特徴としては、これだけの本質的な内容を網羅しているにもかかわらず、200ページ程度と薄く通読しやすいのに加えて値段もお手頃という事。
さらに本書は和田先生に加え、臨床現場で共に働いている近藤先生に加え、看護学生の梶原様の三人の語り口調で内容が進んでいくので、あっという間に楽しく通読できてしまいます。
また、愛嬌たっぷりの豊富な図表を使ってくださっているので読み進めやすい。
特に脱水症の概念についての内容は目から鱗の内容ばかりでした。
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書は輸液の生理学や本質を学ぶ上で大切な一冊である!
と感じました。一方で、輸液の初学者であれば難解な内容も散見されるので、輸液の初学者には以下の一冊を強くお勧めします
おすすめの使い方
●まずは上記の『レジデントのためのこれだけ輸液』を通読
●これまで悩んだ診療を思い出しながら通読!
個人的におすすめの使い方をご紹介します!
著者個人の意見としては、輸液の初学書を読んでからある程度臨床経験を積んだうえでの通読をお勧めします。まるで、輸液の本質について上質なレクチャーを受けているかのような心地よさに包まれるので、ぜひ皆さんに読んでいただきたいです…!
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。

放射線科
書籍名
胸部X線・CTの読み方やさしくやさしく教えます!
基本情報
著者:中島 啓
出版社:羊土社
発行年月日:2016/6/13
ターゲット層
ターゲット層:医学生から初期研修医
読了時間:4-5時間
本書の特徴
本書は、亀田総合病院呼吸器内科中島啓先生が、
●苦手意識を持った若手医療従事者の悩みを解消したい
●専門医レベルの細かい内容は省略し、コモンな疾患に限定して、平易な言葉で解説したい
との思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、冒頭に述べたX-pやCTの読影手順や正しいプレゼンテーション、想起すべき鑑別疾患を含めた、今後何科に進んでも大事な基礎となるX-p、CT読影で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★+0.5
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★+0.5
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
今回の総評はにおいて特筆すべきは、圧倒的なわかりやすさ…!
概念を理解すればいいところと、本当に覚えなければならない読影の手順などをしっかり分けてくださっていて、集中して読み切ることが出来ます。
そして読み進めながら、豊富な症例問題で理解度をチェックすることが出来ます!
後期研修医になったいま改めて読んでも、症例問題難しすぎるよ…っと思うこともしばしば…笑
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書はX-pやCT読影の初学書として最適の一冊である!
と感じました。いつも出会う初期研修医に本書を勧めております。
おすすめの使い方
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読して基本を理解!
●半年後、タイムカプセルのように再び通読して基本を再確認!
●半年ごとに繰り返す…
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験する画像読影はより体系立ったものとなるので、初期研修医1年目など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。そして大切なのは、半年ほど時間が経ったのちに再び通読してみること!我流で読んでしまっていたことに気づき、再び基本に立ち返ることが出来るのです。自分自身、再び読み返して最近胸部の縦郭を意識できていなかったなあ…と反省しています笑

書籍名
画像診断に絶対強くなるワンポイントレッスン
基本情報
著者:堀田 昌利 (著), 土井下 怜 (著), 扇 和之 (編集)
出版社:羊土社
発行年月日:2012/4/2
ターゲット層
ターゲット層:医学生から初期研修医
読了時間:5-6時間
本書の特徴
本書は、堀田 昌利先生が、
●よく出会う疾患、見逃せない病変をイチから学んでほしい
●我流な読影からのステップアップを目指してほしい
●基本となる構造物の解剖をすっきり理解してほしい
との思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、冒頭に述べたMRIやCTの読影手順や正しいプレゼンテーション、想起すべき鑑別疾患を含めた、今後何科に進んでも大事な基礎となるMRI、CT読影で学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★☆
本の薄さ:★★★★+0.5
わかりやすさ:★★★★★
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★★+0.5
おすすめ度:★★★★+0.5
(評価の概要)
今回の総評はにおいて特筆すべきは、圧倒的なわかりやすさ…!
研修医のバイブルである、「レジデントノート」の大好評連載が単行本化しているだけあって専門用語を用いない平易な言葉で記載してあります!
また、カンファレンス形式であり今まで知らなかった画像の読み方が楽しくわかります。
豊富な症例問題で理解度をチェックすることが出来ますが、
後期研修医になったいま改めて読んでも、症例問題難しすぎるよ…っと思うこともしばしば…笑
また、特筆すべきは肺や肝臓、脳の解剖について徹底的に解説してくださっていること!
一度読むと今後の読影での画像所見の見え方が変わります!
特に脳の解剖を理解できることでMRIの読影ポイントは大きく変わるなと実感しました…!是非皆さんに経験してほしい…!
あくまで個人的な評価であり、しかも何様だよと言われてしまうことは重々承知ではありますが、自分は
本書はMRIやCT読影の初学書として最適の一冊である!
と感じました。
おすすめの使い方
●これまで悩んだ診療を思い出しながらまず通読して基本を理解!/p>
●半年後、タイムカプセルのように再び通読して基本を再確認!
●半年ごとに繰り返す…
個人的におすすめの使い方をご紹介します!著者個人の意見としては
本書を読んだ後に経験する画像読影はより体系立ったものとなるので、初期研修医1年目など早い段階での通読をおすすめします。
そのあとは実際の症例を通じてインプットとアウトプットをたくさん経験していきましょう。そして大切なのは、半年ほど時間が経ったのちに再び通読してみること!我流で読んでしまっていたことに気づき、再び基本に立ち返ることが出来るのです。特に解剖のページは何度も振り返ることをお勧めしますよ…!自分自身、再び読み返して最近胸部の縦郭を意識できていなかったなあ…と反省しています笑

その他
書籍名
研修医になったら必ず読んでください
基本情報
著者:岸本 暢将 岡田 正人 徳田 安春
出版社:羊土社
発行年月日:2014/2/25
ターゲット層
「明日いよいよ初診外来させていただくけど、どうしたらいいんだろう…」
「Aライン今日も失敗した…一生Aライン取れない気がする…」
「夕方のカンファでいきなりプレゼン任されたどうしよう…」
働き始めの研修医には、たくさんの困難が降りかかってきます。
これらはいずれも著者が研修医時代に感じていたことです。笑
診察・問診・手技・プレゼンを1からやさしく体系的に学びたい!
という新米研修医にぜひともお勧めしたいのがこの一冊。
ターゲット層:初期研修医1年目(特に前半)
読了時間:8-10時間
本書の特徴
本書は、
沖縄県立中部病院・在沖縄米軍海軍病院・米国ハワイ大学で人生で3度も初期研修(インターン)を経験された、研修医生活を知り尽くした岸本暢将先生をはじめとした先生方が、
●2年という短期間で効率的に研修生活を送る秘訣を伝授したい
●研修医生活で本当に必要な臨床力を養える教科書にしたい
と思いを込めて制作した一冊です。この本を読み終えた時には、
●研修医に必要な心構え例)スタッフから好かれる研修医の条件、わかりますか?
●診察・問診・EBMに基づいた治療方針決定例)クレームから学ぶコミュニケーション上達法
●初期研修医時代に身に着けたい基本的手技のコツと注意点例)CV・Aライン・挿管を自信をもってできますか?
など、今後何科に進んでも大事な基礎となる研修医時代に学ぶべき重要事項を学習している事でしょう。
個人的総評
必要性:★★★★★
本の薄さ:★★★★☆
わかりやすさ:★★★+0.5
面白さ:★★★★☆
継続使用度:★★+0.5
おすすめ度:★★★☆☆
(評価の概要)
本書には初期研修で必要な様々なエッセンスを網羅的に詰め込まれているため、2年目以降読み返しても忘れがちなことが再確認できるので面白いです。
特に第1章の礼節やマインドの部分は忙しく働いているとすぐに忘れてしまうので笑、
定期的に再確認したらいいかもしれません。
またEBMの考え方やクレーム対応など、個人的にはUSMLEの倫理で学んだ内容も含まれていたので面白かったです。
一方、内容の配分としては図表よりも文章が多いと感じました。
またところどころに一文がかなり長文となっており、通読するには少し重たい感じもしました。
おすすめの使い方
●外来やプレゼン、手技などを経験した事をその都度再確認する辞書的な使い方
●余力がある1年目の先生は早い段階で是非一度通読を
●礼節やマインドを学べる第1章は疲れた時や余裕がないときに何度でも読みましょう笑
個人的には通読仕切る体力がなかったので、興味がある項目や経験したことに応じて復習に使っていました。やる気のある研修医1年目の先生は4月中に通読できると、今後の研修医生活の大きな貯金になるのかもしれません。
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