こんにちわ、サイト運営の川良です
今日は「先生別レビュー」記事の第5弾!!
内科医たくゆきじ先生のレビューをまとめてご紹介させていただきます!!
それでは早速!と行く前に、まずはたくゆきじ先生についてご紹介させてください
たくゆきじ先生は循環器内科を専門とする医師として働く傍ら、
を通して積極的に情報発信をおこなっていらっしゃる先生です

この紹介を書くにあたって、ブログを見返していたのですが、記事数も豊富でかつ不思議と引き込まれる文章力にやられて、自分の記事書きが進まなくなりました!笑
医学的な内容については言わずもがななのですが、個人的にかなり笑いながら読んでしまったのが、
「手術やカテーテルが終わった後にネクターを一気飲みするのは最高だと伝えたい。」
という記事です
みなさんもレビューの前にこの記事を読んでみてください。笑
それでは早速、レビューに参りたいと思います!
なお、本記事では、イラスト豊富な転載元の記事を再現するのが難しいことから、たくゆきじ先生の1人称を用いて要約する形で掲載とさせていただきます
詳しい内容についてはリンク先でご確認ください
また、書籍名をクリックしていただければ、当サイトのレビュー記事に飛べるようになっています
それでは参ります!
初期研修医におすすめする厳選9冊
循環器内科を回る初期・後期研修医におすすめの本
循環器内科医がおすすめする心電図の本
感染症・抗菌薬のわかりやすい本
医療統計のわかりやすい本
初期研修医におすすめする厳選9冊
まずは、参考書を紹介する前に、勉強方法についてお話します
「どのような勉強を重点的に行うべきか」
という質問を初期研修医から受けることがありますが、それについては
特定の科でのみ役立つ内容よりもまずはどの科でも使える汎用性の高い内容から優先的に勉強するべき
と考えています
そのうえで、具体的に汎用性が高い項目として
・輸液、電解質異常
・血液ガス
・感染症、抗菌薬
・心電図
・統計
の5項目を挙げます
ですので、ここでは上記5項目に従って各項目を紹介していきましょう
輸液、電解質異常2冊
・書籍名
内科レジデントの鉄則 第3版
・レビューの要約
輸液、電解質専門の参考書ではないものの
・低Na血症
・高K血症
・輸液
という章で手短にわかりやすくポイントがまとめられているので最初の一冊としてはおすすめです
・レビューの要約
上述の内科レジデントの鉄則で網羅されていない、酸塩基平衡や電解質異常について解説されています
少しアドバンスな内容に手を出したい先生におすすめです
血液ガス
・レビューの要約
用語が煩雑で勉強が嫌になってしまう血液ガスを体系的に学ぶための最初の一冊としておすすめです
以下の重要項目についてあやふやなものがあれば読んでみることをおすすめします
・PAO2とPaO2の違い
・A-aDO2とは
・アニオンギャップの重要性
・代償の考え方
また、酸塩基平衡を解釈するための読む順番と方法についてもわかりやすく書いてあります
感染症、抗菌薬
※本レビューは上記2020年版ではなく、2019年版のレビューです
・レビューの要約
臓器別・感染症別に、どの抗菌薬をどれくらいの量で投与すべきか、またどれくらいの期間投与すべきか、ということが書いてあり、すぐに臨床に適用することができます
こういった臓器別の解説が書いてある本は実は少ないので、一冊持っておくと良いでしょう
心電図2冊
・書籍名
レジデントのためのこれだけ心電図
・レビューの要約
心電図が嫌いな医学生や、自信がない研修医におすすめの一冊です
冒頭に心電図の勉強のやり方から書いてあり、最初に知っておくべきこと・そうでないことが明確になっている点が素晴らしいところです
また実際の心電図の解説においても、臨床で重要となる心室細動や心室頻拍などの超緊急な不整脈から勉強していく構成となっているところがありがたいところです
・書籍名
心電図のみかた、考えかた
・レビューの要約
基礎編:
本書前半の総論では「活動電位」などの研修医にとって苦手意識が生じやすい話題に触れることなく、最低限知っておくべき必須の知識が述べられています
本書後半では心電図の読み方を体系的に解説しています
特に、心電図を読む際にいつも決まった手順で所見を確認していくことが書かれており、行き当たりばったりではない判読が身に付くでしょう
応用編:
心電図波形に関する解説が主になります
またSTEMIの時間経過と心電図変化や、冠動脈の解剖など読んでみる価値があるでしょう
統計
・レビューの要約
統計処理の方法ではなく、論文を読む際の解釈の仕方に重きが置かれた本書は、数式ばかりではなく挿絵も使用され、統計初学者に優しい内容となっています
第1巻:
以下のような、論文解釈で必要な知識を分かりやすく咀嚼して解説してくれています
・P値
・95%信頼区間
・平均値と中央値の違い
などなど
論文に対する拒絶反応を軽減してくれる1冊です
第2巻:
前半では観察/介入研究や、前向き/後向き研究などのデザインに関して具体例と一緒に解説してくれています
後半では、箱ひげ図・エラーバー・カプランマイヤー曲線などの図表の解説がされています
これらの知識に自信がない方はぜひ一読することをおすすめします
第3巻:
1,2巻とは少し違い、「論文の質を評価するための知識」が解説されています
「有名雑誌読んでおけば大丈夫」から脱却して論文自体の質の評価をしたい人におすすめです
循環器内科を回る初期・後期研修医におすすめの本
循環器内科で学ぶべき内容は多岐にわたるため、以下のような分野別でおすすめの参考書を紹介していきます
- 循環器全般を学べる教科書
- 心電図
- ホルター心電図
- 運動負荷心電図
- ペースメーカー
- 循環器内科の薬の使い方
- 心不全の検査
それでは各項目ごとに紹介していきましょう
循環器全般を学べる教科書
・書籍名
ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理
・レビューの要約
解剖や活動電位などの基礎的な内容から、検査や疾患の病態までを体系的に学ぶことができます
ページ数が多いので通読には骨が折れますが、循環器内科志望の先生にとっては通読で理解が深まると思うのでおすすめです
心電図2冊
・書籍名
レジデントのためのこれだけ心電図
・レビューの要約
心電図が嫌いな医学生や、自信がない研修医におすすめの一冊です
冒頭に心電図の勉強のやり方から書いてあり、最初に知っておくべきこと・そうでないことが明確になっている点が素晴らしいところです
また実際の心電図の解説においても、臨床で重要となる心室細動や心室頻拍などの超緊急な不整脈から勉強していく構成となっているところがありがたいところです
・書籍名
心電図のみかた、考えかた
・レビューの要約
基礎編:
本書前半の総論では「活動電位」などの研修医にとって苦手意識が生じやすい話題に触れることなく、最低限知っておくべき必須の知識が述べられています
本書後半では心電図の読み方を体系的に解説しています
特に、心電図を読む際にいつも決まった手順で所見を確認していくことが書かれており、行き当たりばったりではない判読が身に付くでしょう
応用編:
心電図波形に関する解説が主になります
またSTEMIの時間経過と心電図変化や、冠動脈の解剖など読んでみる価値があるでしょう
ホルター心電図
・書籍名
個人授業 心電図・不整脈
・レビューの要約
ホルター心電図に関する本はあまり多く出版されておらず、循環器内科医として働き始めの頃に困っていた時に出会った一冊です
ホルター心電図についての知識はこの一冊で十分得られるでしょう!
さらには、本書で解説されている「心拍数トレンドグラム」の知識を身に付けると、モニター心電図を見る際にも役立つことから有用といえます
苦手意識のある人は是非読んでみてください
運動負荷心電図
・書籍名
運動負荷試験Q&A119
・レビューの要約
「どんな患者さんへの運動負荷が危険か」
「どんな所見が出たら運動負荷を終了するか」
などのギモンにQ&Aで答えてくれるのが本書です
運動負荷心電図に自信のない人におすすめです
ペースメーカー
・書籍名
個人授業 心臓ペースメーカー
・レビューの要約
前半:
国家試験の勉強だけでは及ばない「具体的なペースメーカーの適応」について、その判断を学ぶことが出来ます
後半:
実際の手技と設定について、初学者にも手が出しやすいように分かりやすく解説されています
手技は写真付きで紹介されているので、一度も見たことがない人の予習にもおすすめです
前半・後半を通して、通読することで苦手意識が減ること間違いなしです
循環器内科の薬の使い方
・書籍名
循環器治療薬ファイル
・レビューの要約
前半:
病態ごとの循環器治療薬の使い方が解説されています
実際の投与方法が具体的に書かれており、特に抗不整脈薬の使い方において役に立ちました
また、「急性心不全」の章は研修医の病棟管理する上で役立つ内容となっています
後半:
薬剤ごとの具体的な投与方法と注意点が解説されています
添付文書に投与量などは記載されていますが、本当にそれで良いのかどうか不安になるときもあるので、そういう時に参照すると良いでしょう
必要な項目を辞書的に調べる使い方をしていますが、もちろん通読しても間違いなく勉強になる1冊です
心不全の検査
・レビューの要約
本書は心不全診療の際、必要な検査をもれなくオーダーするための1冊です
心不全の基礎疾患は多岐にわたるため、その都度必要な検査のオーダーにもれが生じる時があるかと思います
そんな時に、
・心不全の時間経過に合わせて
・心不全の病型に合わせて
・心不全の原因疾患に合わせて
など、本書に紹介されている具体的な検査のセットを利用することで、「必要な検査がもれてないか」という不安を解消する一助となります
なお、この参考書は読むだけでなく、実際に読みながら電子カルテのセットを作ることが大切です
循環器内科医がおすすめする心電図の本
まずは、参考書を紹介する前に「心電図の本の選び方のコツ」を紹介したいと思います
心電図の参考書は、参考書ごとに対象とする読者と、その使い方が違うということを意識する必要があります
対象とする読者については
・医学生
・初期研修医
・後期研修医のはじまり
などが考えられ、その時期にあった本を選ぶことが大切です
また、本の使い方については
・通読型の本
・辞書型の本
などが考えられ、
・通読型の本は心電図の考え方を学ぶために一気に通読することが重要で
・辞書型の本は分からない事柄を辞書に様に調べる使い方が有用です
それでは、以下に通読型3冊と辞書型1冊を紹介していきます
通読型3冊
・書籍名
レジデントのためのこれだけ心電図
・レビューの要約
「本当に全く心電図が分からない人」向けで、初学者の中でも特に医学生向けと言えるのが本書です
冒頭に心電図の勉強のやり方から書いてあり、最初に知っておくべきこと・そうでないことが明確になっている点が素晴らしいところです
また実際の心電図の解説においても、臨床で重要となる心室細動や心室頻拍などの超緊急な不整脈から勉強していく構成となっているところがありがたいところです
・書籍名
3秒で心電図を読む本
・レビューの要約
心電図の判読に自信がない研修医や、心電図判読の仕事が始まる後期研修医におすすめの1冊です
本書では12誘導をどういう順番で読むべきか、その目線の動きを3stepで解説していて、思わず明日の診療に試したくなる内容です
私(たくゆきじ先生)も心電図判読の仕事では本書をベースとした判読を行っています
ただし、内容は上記のようなものに特化しており、心電図異常に関しての解説はほとんどありません
そういった内容については後述の辞書型参考書を用いて調べましょう
・書籍名
心電図のみかた、考えかた
・レビューの要約
基礎編:
本書前半の総論では「活動電位」などの初学者にとって苦手意識が生じやすい話題に触れることなく、最低限知っておくべき必須の知識が述べられています。その点万人向けと言えるでしょう
本書後半では心電図の読み方を体系的に解説しています
特に、心電図を読む際にいつも決まった手順で所見を確認していくことが書かれており、行き当たりばったりではない判読が身に付くでしょう
応用編:
心電図波形に関する解説が主になります
またSTEMIの時間経過と心電図変化や、冠動脈の解剖など読んでみる価値があるでしょう
辞書型1冊
・レビューの要約
医療者全員が対象と言える本書では、その半分を使って実際の波形図を記載しており、心電図自動判定で分からない所見を提示されて困った時などに、比較して参照することができます
ほとんどあらゆる心電図異常が記載されているので、通読するというよりは辞書として使うのがおすすめです
感染症・抗菌薬の分かりやすい本
まずは、参考書を紹介する前に、「抗菌薬・感染症の本の選び方のコツ」を紹介したいと思います
ずばり、まずは抗菌薬そのものを解説している参考書ではなく、抗菌薬・感染症を臓器別で解説した参考書を第一に選ぶことです
理由として、病棟管理においては
「この抗菌薬について知りたい」
よりも
「肺炎にどんな抗菌薬を使えばいいか知りたい」
と思うことの方が圧倒的に多いからです
そのため、まずは臓器別の参考書を読みながら、実際に患者さんに抗菌薬を使用した経験と理解を得ながら、慣れたところで抗菌薬の詳しい解説を学び理解を深めていくという手順をおすすめします
それでは実際におすすめの参考書を紹介していきます
臓器別の参考書2冊
※本レビューは上記2020年版ではなく、2019年版のレビューです
・レビューの要約
臓器別・感染症別に、どの抗菌薬をどれくらいの量で投与すべきか、またどれくらいの期間投与すべきか、ということが書いてあり、すぐに臨床に適用することができます
こういった臓器別の解説が書いてある本は実は少ないので、一冊持っておくと良いでしょう
・書籍名
感染症診療の手引き
・レビューの要約
本書のおすすめポイントは、ずばり以下の3点です
・実臨床に適用しやすい臓器別の記載
・腎機能別の投与量が記載されている
・ポケットサイズで値段も安い
臓器別(=病名別)に腎機能別の減量も記載してあり、持ち運びにも便利なポケットサイズなので、日常診療でわからないことがあった時に調べるためにポケットに入れておくのがおすすめです
抗菌薬そのものの参考書
・書籍名
絶対わかる抗菌薬 はじめの一歩
・レビューの要約
抗菌薬の考え方を知らない初期研修医や、惰性で使ってしまっている後期研修医におすすめの一冊です
本書のおすすめポイントは、ずばり以下の3点です
・感染症精査の検査がセットで紹介されている
・抗菌薬の選択をするうえで重要な細菌を解説している
・抗菌薬の作用機序を図で分かりやすく解説している
知識を整理する上でも、初期研修医だけでなく経験を積んだ医師にもおすすめの一冊です
辞書として使う参考書
・レビューの要約
感染症診療のバイブルともいえる本書はかなり分厚い構成になっていることから、通読は困難でその都度調べる使い方がおすすめです
そんな中でも、必ず通読した方がよいのが、感染症診療のエッセンスが書かれている
第1章 感染症診療の基本原則
です
その他、本書に感染症のほとんど全てが書いてあるのではないかと思うくらい充実した内容になっていておすすめです
医療統計の分かりやすい本
「統計」と聞くだけで苦手意識が湧いてくるような人は少なくないのではないでしょうか?
かくいう私(たくゆきじ先生)も「別に困らないしやる気が出ない」と思っていましたが、国際学会を機に勉強をしたところ、論文への苦手意識も徐々に克服され、それなりに手ごたえを感じています
そこでここでは私が実際に読んだ本と、その順番を紹介します
なお、順番は記載順に読むのがおすすめです
・レビューの要約
統計処理の方法ではなく、論文を読む際の解釈の仕方に重きが置かれた本書は、数式ばかりではなく挿絵も使用され、統計初学者に優しい内容となっています
第1巻:
以下のような、論文解釈で必要な知識を分かりやすく咀嚼して解説してくれています
・P値
・95%信頼区間
・平均値と中央値の違い
などなど
論文に対する拒絶反応を軽減してくれる1冊です
第2巻:
前半では観察/介入研究や、前向き/後向き研究などのデザインに関して具体例と一緒に解説してくれています
後半では、箱ひげ図・エラーバー・カプランマイヤー曲線などの図表の解説がされています
これらの知識に自信がない方はぜひ一読することをおすすめします
第3巻:
1,2巻とは少し違い、「論文の質を評価するための知識」が解説されています
「有名雑誌読んでおけば大丈夫」から脱却して論文自体の質の評価をしたい人におすすめです
・書籍名
今日から使える医療統計
・レビューの要約
薄い(164ページ)中にギュッと内容が書かれた1冊
・交絡と回帰分析
・単変量統計テスト
・同等性と非劣性
などについて解説されています
通読型の本書ではあるのですが、かなり骨太な内容なので初学者が完璧に理解するのは難しいかもしれません
なお、そんな時は著者の新谷歩先生のYoutube講義を併用すると理解が深まるかもしれません
・書籍名
マンガでわかる統計学
・レビューの要約
気軽に「統計の概要」を掴むためにも適した本書ですが、途中からは難しい数式が登場し、本書だけで理解するのは難しい場所もあります
上述の『いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ』などを踏まえて、少し統計をかじっている人が深い理解を得るための本であると思いました
以上、たくゆきじ先生のおすすめ参考書を分野別に紹介しました!
当サイトとはまたテイストの違う、イラスト豊富でポップな元記事も是非ご覧ください
「明日の診療を変え得る1冊」
が豊富なレビューとなりました!
それではこれにて
川良健二