みなさんこんにちわ、サイト運営の川良です。
今日は、twitterでのおもしろtweetにいつもすごい反響がある、
さとみな先生(@muroyamuron)
のおすすめ参考書を紹介をさせていただきます!
さとみな先生のtwitterはぼく自身もよく拝見しているのですが、そのtweetは本当におもしろくて、周りに誰もいないのにいつも一人で「クスッ」っとなってしまうほどです
そんなさとみな先生は、もちろん「おもしろツイッタラー」だけで終わるはずもなく、
Q-Assistという国家試験講義動画の講師をやっておられたり、研修医時代に書いていたブログで「研修医になったら読むべき本ランキング」を書いたりと、後輩育成に熱心な側面もおありです
そして、今回はご本人からのご好意で、2020年2月にさとみな先生が書かれたおすすめ参考書を当サイトにて紹介させていただけることになりました!

「内科医さとみなの医学奮闘記」
なお、はじめに皆さんにお伝えしておきますが、さとみな先生のレビュー形式は、当サイトのものとは全く違います!
当サイトと違い、フォントサイズと赤字を大胆に使い、そのおすすめポイントが視覚的に飛び込んでくる形式を、今回の記事ではそのまま使用させていただくこととしました!
それでは、いつもの医学書レビュー.comとは違ったレビューをどうぞ!
第10位:あなたのプレゼン、誰も聞いてませんよ!
第9位:内科診断リファレンス
第8位:あなたも名医!もう困らない救急・当直
第7位:レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室
第6位:今日の治療薬(アプリ版)
第5位:レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
第4位:ICU/CCUの薬の考え方、使い方
第3位:感染症プラチナマニュアル
第2位:内科レジデントの鉄則
第1位:レジデントノート
第10位:あなたのプレゼン、誰も聞いてませんよ!
すみません、しょっぱな10位は医学書ではありません。
これは、プレゼンのスライドの作り方について書かれた本です。
といっても、巷にある畑違いのビジネス用パワポ教本ではありません。
れっきとした、
医師の、医師による、医師のためのスライド作り教本
なのです!
意外と大事なんです、パワポのスキル。
見せ方、配置、フォントや大きさ、そういった細かいけれども非常に大事なスライド作りのエッセンスが詰まった素晴らしい本です。
えっ、こんな見せ方があるの!?って眼から鱗になること間違いなし。
ただし、デジタルに慣れていないおじいちゃん先生が指導医の場合は、この本のスライドを真似るとかなり先進的でこっぴどく突っ込まれてしまう可能性もあるので、悪しからず。。。
ただ、見せ方というのは知らなければ使うかどうか選ぶこともできませんから、参考までに一読されることをお勧めします。
第9位:内科診断リファレンス
はっきり申し上げます。
これは、
”EPOC用”
ないし、その他
レポート書くとき用です。
EPOCってなに!?と思われる方もいらっしゃると思いますが、簡単に言うと
『研修医に課せられた30個の症例レポートの宿題』です。
レポートや病歴要約というのは基本的に”考察”を書かなければいけないわけですが、
こんなの普通にやっていたら
超!超!超!めんどくさい!
です。(超!超!超!イイ感じ!ではない)
そこでこの本。この本があれば、考察なんてなんのその。
該当の症例を引いて、そこにめちゃくちゃ載ってるエビデンスのし〜っかりした情報をパパッと書くだけ!
引用文献もちゃんと記載されているため、ものすごくそれっぽくなります。
(良い子のみんな!ほんとはちゃんとPubmedかなんかで文献検索して、いろいろ考察しなきゃだめなんだぞーっ!)
まあ一言でいうと、この本は通読して勉強するような本ではなく、”必要な時に辞書的に閲覧する”のが良いと思われます。

第8位:あなたも名医!もう困らない救急・当直 ver.3
救急と言ったら林先生だよね〜!っていうくらい、林先生は御高名な方ですよね。
これは、症候別にまとまった、
救急当直のバイブル的な本です。
これを持っとけばとりあえず安心。
「先生、次の患者さん胸が痛いんだって〜」
って言われたらその瞬間から数分で必死になってこの本の該当するとこ読んで、本の言う通り診察すれば、
とりあえず人並のファーストタッチができます。
忙しい救急の場で「あっ、あのページに書いてあったな!」って思い出すためにも是非通読してほしい一冊です。

ちなみに、「通読が俺の勉強のやり方だ!」と通読は絶対!かつ救急を学びたい!という方。
通読しやすさで言えば、坂本壮先生の『救急外来ただいま診断中!』がとっても読みやすいのでおすすめです。
第7位:レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室
救急外来で死ぬほど読みます。胸部レントゲン。ネコも杓子も「とりあえずレントゲン」です。
なのに、
胸部レントゲンを学ぶ機会って意外とないんですよね。
多くの施設では、CTやMRIは読影医がレポートをつけてくれると思うので、そのレポートが「答え合わせ」になって勉強できるのですが、レントゲンを読影してくれる施設は少ないと思います。
だから、レントゲンの「答え合わせ」って案外できないんですよ。
まあ疑問に思えば指導医に聞けばいいんですけど、なーんも知らない状態で聞いても馬の耳に念仏、猫に小判ですし、
聞くのも恥ずかしいことだってきっとあるはずです。
そこでこの本。
この本を読めば、とりあえず間違いなく、
『レントゲンの読む順序や意識すべき場所』がハッキリします。
そして、各疾患の典型的なレントゲン像を学んでチカラをつけ、最後には問題集までついてるリッチな仕様です。
胸部画像はとりあえずこの本から入るといいでしょう。

第6位:今日の治療薬(アプリ版)
これは勉強用ではありません。完全に仕事用です。
薬剤名を調べると、一般名、適用疾患、用法・用量、副作用や禁忌などが載っています。
勉強には完全に不向きであり、ただの辞書です。
多くの病院では病棟に本の媒体で置かれていることが多いと思いますが、スマホのアプリを使った方が数百倍速く、仕事の効率も違ってくるので、ここはケチらず買っておきたいところです。
アプリ版を買う場合は、M2 plusという医学書アプリがありますので、会員登録の上購入し、アプリにダウンロードしてください。
M2 plus→ https://www.m2plus.com/
第5位:レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室
第5位は大人気、やさしイイシリーズから、呼吸器教室をセレクトしました!
この本は、口語調でとっても読みやすいです。すらすら読めちゃいます。
咳、喘息、肺癌やCOPDなど、呼吸器に関する知識を
網羅的に、かつ、レジデント用に簡潔にまとめています。
この本の中で特に僕がおすすめしたいのは、抗菌薬の章です!
抗菌薬の使い分けは、1年目研修医なら誰もが通る登竜門的な分野で、それゆえ数多くの抗菌薬本が巷を席巻しています。
しかしそんな抗菌薬の本たちもいいですが、
この本の中の1節の抗菌薬の章がすげーわかりやすい!!!!
抗菌薬の誕生や歴史による移り変わりといった話も含めて解説してくださっているため、全体像がつかみやすく要旨がわかりやすいんですよね。
抗菌薬の勉強をするときには有象無象、数多くの本があって迷ってしまうと思いますが、そんな時は是非この本を読むところから始めてください。
Common diseaseである呼吸器疾患にも強くなれるため、研修医なら是非一読しておいてほしい本ですね。

第4位:ICU/CCUの薬の考え方,使い方
はい!僕の大好きな本!
何が好きって、
分厚すぎる!分厚すぎて、持ってるだけで賢くなれる気がするところ!(ダメです)
薬に迷ったらとりあえずこの本を開け。
ICU,CCUでの、と書いてありますがそんなのカンケーなく、急性期病院ならどんな場面でもきっと力になってくれるはずです。
急性期におけるありとあらゆる状況での、ありとあらゆる薬剤の使い方、考え方が載っています。
とにかくこの本は、
網羅率がすごい!!!!!
んです。
輸液に始まり、鎮痛、鎮静、人工呼吸、抗凝固、昇圧、降圧、栄養その他・・・。
ほんとうになんでもかんでも載ってます。
やべえ・・・やべえぞこの本・・・。
だから860ページもあるんだけど・・・(ハリーポッターかよ)。
この本を持っているとかなり安心です。
1年目にはかなり難しい内容になっている気がしますので、薬剤について少しずつ理解してきた2年目に手に取るのがいいようにも思えますが、
イバラの道を歩みたいタイプは1年目だろうとなんだろうと是非手に取ってみてください。
なお、もし自分の病院が圧倒的重症度の高い患者ばかり入院しているようであれば、確実に必要な本だと思います。

さあついに3位〜1位の発表です!
僕が1位に選ぶ医学書はいったいなんでしょうか!?
気になります?気になりますよね?気になってください!(押し売り)
続きいきましょう!
第3位:感染症プラチナマニュアル
This is the god of 抗菌薬の本。
少なくとも僕はそう思います。
まず何がイイって、
白衣のポケットに入る大きさなのがイイ!!
そして、
安いのがイイ!
さらにそのくせ、
抗菌薬から、疾患から、細菌の種類からの3つの視点から
辞書的に引けるのが実践に使えすぎてやばい!!!
どういうことかというと、
SBT/ABPCで開けば→「広域で〜嫌気性菌にも効いて〜腎機能に応じてこんな感じで使って〜」
肺炎で開けば→「エンピリックにはCTRXかSBT/ABPC使うことが一般的で〜非定型ならAZMもかぶせて〜」
E.Coliで開けば→「尿路感染症や肝胆道系に多くて〜CEZやCMZ、CTRXを使って〜ESBLならMEPMで〜」
みたいに、3つの入口から情報にたどり着けるような構成になっているんですよ。
これは読んでもよし、現場で辞書的に使うもよし。
どちらかというと僕は後者で使っていますが、どちらにせよこの本は
感染症治療にあたる時はなくてはならないでしょう。

(なお、現場には”サンフォード勢”も数多くいます。サンフォードとは書いてある用量が少し違ったりすることもあります。指導医の方針や性格によってはサンフォードを使うこともありえるでしょう)
第2位:内科レジデントの鉄則
はい、バイブル。
買ってください。
以上。
※ちなみに僕は聖路加病院とはなんの関係もありません。回し者ではありません。(笑)
これ買ってない研修医いるの?ってくらいみんな持ってます。
かの有名な聖路加病院の超優秀なチーフレジデントの先生たちが執筆された、
レジデントのレジデントによるレジデントのための参考書です。
1年生の時、当直で呼ばれたらまずこれを開いて確認したものです。
始めの勉強にも極めてふさわしいと思いますし、2年生やそれ以降になって新たに読み直しても発見があって面白いと思います。 まあ僕が紹介せずとも、みんな買うので多くを語る必要はないでしょう。

第1位:レジデントノート
栄光ある第1位は!なんと!
レジデントノート!!!!
おい!結局レジデントノートかよ!ふざけてんのか真面目にやれ!
そんな声が聞こえてくる気がします。
(内科レジデントの鉄則を抑えて1位になる医学書ってなんだろう・・・)
とわくわくしながら読んでいた方、すみません。
でも僕は!
断固としてレジデントノートを推させていただきます!!!!!
これの良いところはいくつもありますが、まずなんといっても、
「勉強するべきこと・したいことが無い、あるいはわからない時にとりあえず読める」
ことですね。
参考書ってふつう、自分が「これを勉強したいなー」って思うから買いますよね?
その時点で、参考書の
『選択バイアス』
がかかっているんです。
嫌いな分野や勉強する必要がないと思っている分野の参考書を買わないんですよ。
たとえば胃腸炎や風邪。
こんなの勉強する必要ないって思っていることでしょうし、最初はみんなナアナアに診療するんじゃないかと思います。
でもレジデントノートを通年で読んでいればそういった分野もちゃんと勉強できます。
そしてそこには多くの発見があり、自分の診療の浅はかさを憂うことになります。
その道ではかなり名の知れた先生方が執筆されている
という点も、ポイントが高いです。
レジデント用だからといって知らない先生がテキトーなエビデンスで書いているというわけでは断じてないです。
大真面目に4月号から読む必要は全くなくて、図書館や本屋に行って自分が興味ありそうな月から読むってことで良いと思います。
特に、
増刊号は必読
ですので、迷う方はまず増刊号を読むところから始めるのが良いと思います。
1年を通しての勉強に是非使うべき最高の雑誌
だと僕は思っています。
↓手元に置いておきたい増刊号を載せておきます
・消化器診療に自信がつく1冊
・洋書に『マイナーエマージェンシー』という本があって2万円くらいするけど、それを買うよりまずこっちを買えばいいと思う。
・Common diseaseを腰を据えて勉強する機会って意外とないよね、ってことでこれを読んでおきたい。
いかがでしたでしょうか?
この記事が、みなさんと素晴らしい本を引き合わせるキューピッドになれることを願っています。
一緒に頑張っていきましょう!!!
byさとみな先生