こんばんは、次郎作です。
医師5年目ということで、論文を執筆するようになってきました。
元々、論文を精力的に読んでいたこと、
プラス、最近論文を書くための勉強を進めたことで、
目的ごと、理解のフェーズごと
の「医療統計」の参考書の紹介ができるようになったので、記事内で前編・後編に分けてご紹介しようと思います!
以下、目次になります!
目的【前編】:英語論文を読めるようになる!
フェーズ1「医学統計の基礎のキソ」
理解レベル:医療統計、それっておいしいの?
フェーズ2「わかってきたかも医療統計・・・だけど論文読めません!!」
理解レベル:英語論文ムズカシ〜、読むコツとかないの!?
フェーズ3「今日から使える医療統計」
理解レベル:まぁまぁ論文は読んでるよ。あ〜でも、そういうメソッドの細かいところは聞かないで
目的【後編】:論文をかけるようになりたい!
フェーズ1「完全独習 統計学入門」
対応レベル:そもそも、統計なんて忘れちまってるんだよねぇ
フェーズ2「臨床研究の道標」
対応レベル:論文ってか、研究をデザインしたことなんかねぇよ!
フェーズ3「みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター!」
対応レベル:統計ソフトとか知らないよ!解析方法とか知らないよ!
目的【前編】:英語論文を読めるようになる!
フェーズ1「医学統計の基礎のキソ」
理解レベル:
医療統計、それっておいしいの?
おすすめする参考書:
この本の対象:
英語論文にチャレンジしたいけど統計はちんぷんかんぷんの方、「統計」と聞いただけで震え上がる「統計アレルギー」の方
実は、僕この参考書を最近になって読んだんですけど、
「研修医1年目の駆け出しの時に読んでおけば論文の理解が全く違ったのに!」
とかなり後悔した一冊です。
入門書だから、中身がペラペラだと思ってる人もいるかもしれません、
しかし、
「死ぬほど分かりやすく、統計の本質を書いてくれている」
しかも、
「英語論文を”読む時”にのみフォーカスを当てて、それ以外の無駄を省いている」
というなかなかの優れものです。
これのおかげで、p値の意味、αエラー・βエラー、などなどを自信持って説明できるようになりました。
フェーズ2「わかってきたかも医療統計・・・だけど論文読めません!!」
理解レベル:
英語論文ムズカシ〜、読むコツとかないの!?
おすすめする参考書:
この本の対象:
ちょっと英語論文をつまみ出したが、いまいちこの読み方で良いのか自信ない方
感想:
これは僕が初期研修2年目で出会った参考書です。
それまでにもできる限り英語論文は読むようにしたんですが、この参考書に出会って、
「PECO/PICOで簡単に論文読んでみよう」
「abstractと図表だけでもすごい情報あるよ」
「RCT・メタアナリシス・観察研究の読み方、気をつけること!」
「intention to treatとper protocolの違いと、その意味」
などなど、実用的で論文を読み解く精度が格段に上がる内容でした。
この参考書を読み込んでから、論文の理解がかなり深まったように感じました。
おすすめです!
フェーズ3「今日から使える 医療統計」
理解レベル:
まぁまぁ論文は読んでるよ。あ〜でも、そういうメソッドの細かいところは聞かないで
おすすめする参考書:
この本の対象:
若手医師の中では論文読んでいる方かなぁとは思うけど、ちゃんと系統立って勉強したことはない方
感想:
これは僕も最近の医師4年目の終わりくらいに読みましたが、
「結構論文読んできてたのに、知らないこといっぱい!これが統計の本質か!」
と感動した一冊です。
「p値の見過ぎによる出過ぎ(over fitting)」
「プロペンシティスコアの考え方」
「インターアクションの意味」
など、知ってることと中にも、知らなくて勉強になることばかりでした。
でも、
「あ、だからこの前の論文でああいう解析してたのか!」
ってビビッとくる感じの内容が多かったので、初学者というよりはちょっと論文に読み慣れてきたくらいで読むのが良いかもしれません。
目的【後編】:論文をかけるようになりたい!
フェーズ1「完全独習 統計学入門」
対応レベル:
そもそも、統計なんて忘れちまってるんだよねぇ
おすすめする参考書
この本の対象:
統計とはなんぞや、統計って何がすごいねん、おれは何を推定しようとしているんだ・・・?、という方
感想:
これは少しMPHの受験用に読み始めたけど、面白い面白い。
こんなに易しく統計の基本や概念を説いてくれた本はありません。
統計学の勉強の第一歩目としてほぼ必ず名前があがる参考書で、その噂に違わずすごいいい本です。
あぁ、統計学ってこういう考え方なんだね〜、
あ、こういう風に論理を展開していくと・・・
あ!限られた実測値から、母集団が推定できるようになった!!!
みたいな、感動を持って読み切れる作品です。
今回はオススメ度書いてないけど、これは文句なしの星10個です!
フェーズ2「臨床研究の道標」
対応レベル:
論文ってか、研究をデザインしたことなんかねぇよ!
おすすめする参考書
この本の対象:
症例発表じゃない臨床研究を自分でやってみたい方
感想:
「症例発表はしたことあるけど、それ以外で論文書いたことないなぁ〜」
「そろそろ臨床研究とかやってみたいな〜」
という人で、上から研究が降ってくるような立場にない人は必見です!
僕も、病院所属の後期研修医なので、
自分で動かないといい臨床研究が自分の手元に転がり込んでくる、なんてことがありません。
2年ぐらい時間をかけて、
やっとデータを使わせてもらったり、次は自由にやりたいこと教えてよと言ってもらえる立場になったので、急ピッチで勉強始めました。
今までは雲を掴むような「臨床研究をデザインする」ということの道のりを見せてもらえたので、読む前よりイメージが着くようになりました。
これから、この2冊についているワークシートを使って実際提案する研究デザインをしてみようと思うので、
色々終わったら、追加の感想を書き足そうと思います!
フェーズ3「みんなの医療統計 12日間で基礎理論とEZRを完全マスター!」
対応レベル:
統計ソフトとか知らないよ!解析方法とか知らないよ!
おすすめする参考書:
この本の対象:
統計ソフトを使ったことがなく、無料のEZRを使ってみようかなと思っている人
感想:
初めは観察研究からやらせてもらうことになったので(当たり前笑)、
多変量解析くらいできるようになっとかないとな、と勉強を決意しました。
最初から有料の物を使うつもりもなかった上に、
「今日から使える医療統計」でとても分かりやすかった新谷歩さんがEZRを実際に使いながら勉強できる参考書を書いていたので、この参考書で勉強してみました。
(Macのせいで、EZRが使えるようになるまで4-5時間格闘しました・・・)
内容は、基本的なことから始まり、途中からはガンガンEZRを実際に動かしながら、実際の使い方や使い所の解説が進んでいく構成になっていました。
元々、理系でプログラミングとかも興味あるので、新しいゲーム機を買ってもらった時のような楽しさを覚えました笑
これ、特殊なのかな?笑
EZRにも触れ合えたし、普通に統計の勉強にもなって、なんか今後やっていけそうな気持ちになれたので、
この参考書はオススメです!
ただ、まだまだ多変量解析への道は遠かったようで、もう1冊こなさないといけないようでした・・・笑
その本がこちら
これもまた読み終わったら感想追記しておきます!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
以上です!
正直「統計」「英語論文」に拒否反応が出るような人も多いと思います。
また、他の人がおすすめの参考書も、
タイミングを間違えると「全然参考になりません」
なので、今回はランキング形式ではなく、勉強のフェーズを意識して記事を書きました!
参考にしてもらえると嬉しいです!
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