書籍名
診察マニュアル 身体所見のとり方
レビューした人
初期研修医1年目麻酔科志望
総合評価
★★★★★★☆☆☆☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
身体診察でいざ困った時
この参考書を一文で表すなら
ポケットに入る身体診察
読者の感想
古い時代ならではの特徴がいくつかあります。
① 身体診察は、時代を通して変わらない、かつ料金のかからない技法。したがって、古い記述も色褪せるどころか、昔の人が知恵をしぼったプロセスを味わうことができます。
② 画像の発達していない時代なので、スケッチや補助線をふんだんに使っている。むしろ、そのような描き方のほうが、最低限必要な本質をあらわしています。
③ たとえば、心臓の打診は、昔は心拡大をみるために行っていたようですが、今は画像の発達のためにほとんど行われません。しかし、災害時や飛行機の中など、自分の頭と腕だけが頼りになる場合は、絶大な力を発揮します。
④ 最後に、古いだけあって、安価です。
届いてみて思ったのは、白衣のポッケにちょうど入る大きさだということ。外来や入院時診察で、あらかじめ辞書みたく引けるようにタグをつければ、必要な診察技法がすぐわかる。
けっこう使い勝手良さそうです。
著者は、ハリソン内科学の和訳監修も手がけた黒川清先生。このクオリティで送料込み1000円は破格すぎる。