書籍名
プライマリ・ケアのための高齢者疾患とはじめに覚えたい、この処方
レビューした人
初期研修医1年目麻酔科志望
総合評価
★★★★★★★☆☆☆
読み返し度
★★★★☆
この参考書を読むタイミング
後期研修の働きたて, 後期研修中やそれ以降, 漢方専攻医
この参考書を一文で表すなら
西洋医学のドクターにもわかる漢方処方の定石
読者の感想
とある勉強会で、ツムラが無料で配ってくれたこの本を、大切にとっておきました。
大学2年以降、実に4年にわたり放っておかれた1冊が、今になって役立っています。
買うと新品で1100円、中古で339円+送料。
この1冊のいいところは、【症候別の処方をいくつか提示してくれて、体質と証に応じて応用自在にできる】ということです。
たとえば「認知症の陰性BPSD」という同じ症候であっても、うつ傾向なのか、胃もたれなのか、胸のつかえなのかという、いろんな周辺症状によって処方に適した薬が異なります。
おそらく、この本は漢方の証という概念に習熟していない現代医学のドクター向きの本で、それゆえに漢方の理論面で弱いところがあります。
しかし、ここでのゴールは【同じ症候に対する類方鑑別】であって、個別の方剤に対するイメージづくりは別の成書でやればよいのです。
したがって、この1冊は漢方の理論を知らないドクターにも、もちろん知っているドクターにもおすすめな、高齢者疾患向きの本です。