医学論文 総説要約

COVID-19に対するヒドロクロロキンの予防効果

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タイトル

“A randomized trial of hydroxychloroquine as postexposure prophylaxis for Covid-19.” Boulware, David R., et al. New England Journal of Medicine (2020).

原文はこちら

論文を一言でまとめると

COVID-19陽性患者と接触した大人に、 ヒドロクロロキンの予防投与を行っても、 COVID-19発症の予防効果は認めなかった。

Methods

[場所/施設] アメリカとカナダで、メディアを介して参加者を募集した [Patients] 4日以内にCOVID-19陽性の患者に、10分以上の時間1.8m(6 Feet)より近い距離で接触した18歳以上の大人 [Intervention] ヒドロクロロキンを投与する(初日に、800mg/dose + 6-8時間後に600mg/dose追加。その後、4日間 600mg/day投与) [Comparison] プラセボ薬を投与する [Outcome] 検査でCOVID-19の診断 or 臨床的にCOVID-19の診断 [デザイン] 二重盲検ランダム化比較試験 ※第二回の中間解析で実際のCOVID-19の発症率が想定より高かったためサンプルサイズを956人を目標に減らし、第三回の中間解析でこのまま実験を継続しても両群の差が出る確率は極めて低いと計算され、その時点で研究は打ち切りとなった。

結果まとめ

・最終的にランダム化割付を受けた対象者は821人であり、年齢の中央値は40歳(四分位範囲 33-50歳)、合併症のある方は225人(27.4%)、医療従事者は545人(66.4%)であった。そのうち、719人(87.6%)がマスクなしアイシールドなしの高リスクの接触であった。 ・COVID-19の発症は、介入群で49人/414人(11.8%)、対象群で58人/407人(14.3%)と有意差を認めなかった(P = 0.35)。 ・副作用の報告は、介入群で140人/349人(40.1%)、対象群で59人/351人(16.8%)と、ヒドロキシクロロキン内服した群で有意に多かった(P < 0.001)。 ・以上より筆者らは、今回のRCTの結果からはヒドロクロロキンによるCOVID-19の発症を予防する効果はないことが示唆される、と述べた。 [Limitation] ・当時のCOVID-19の流行状況からPCR等の検査で診断確定出来ている症例が少なく、一般的な風邪症状の患者も発症とカウントされている可能性があり、介入の効果は出にくくなるデザインだった可能性がある。 [読んだ感想] ・上記のlimitationはありますが、概ね「ヒドロクロロキンによるCOVID-19の発症の予防効果は期待出来ない」という結果で良いと思いました。 ・ヒドロクロロキンの内服で副作用はしっかり出ているし、しっかり盲検化もされてサンプルサイズ計算もしっかりされた上での有意差なしなので、やはり現時点ではヒドロクロロキンの予防内服は推奨出来ませんね・・・トランプさん・・・
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