書籍名
そこが知りたかった 中毒診療
レビューした人
医師5年目(脳卒中内科医)
総合評価
★★★★★★☆☆☆☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
中毒診療の基本姿勢を学ぶ
読者の感想
中毒はたまーに診ることがありますが、ほとんど勉強したことがないため読んでみました。
内容としては、
(1) ABCDEアプローチ
(2) 病歴聴取と身体診察(トキシドロームを参考に)
(3) 検査 → 血糖、血ガス、心電図、尿簡易検査、浸透圧ギャップ
(4) 除染・体外排泄を考える
(5) あれば拮抗薬・解毒薬を使う
(6) 支持療法 → ABCDEの管理 + P(精神科)
(7) 行政と協力をする
以上の7つを診療の流れの基本姿勢・原則として、それぞれ解説していく形式です。
見開きA4サイズで、全110ページくらいです。
感想としては、総論的な内容をわかりやすく解説しているなと思います。それぞれの中毒物質(各論)の詳細は記載がないため、他書で学ぶ必要があります。各論の勉強への「つなぎ」というか「入口」にはいいと思います。筆者もそういう意味で「バイブルではなく攻略本」と表現しています(個人的に攻略本というとFFのアルティマニアなので本書の薄さでは物足りないという感覚です 笑)。
こうやっていけばいいんだという感覚はつかめます。中毒だからと言って無意味に苦手意識を持つ必要がないことも感じさせてくれました。それでもやっぱり中毒診療は難しいと思います。それは、ABCDEアプローチから始まるというところが、結局救急・集中治療としての実力が問われるのだなと思ってしまうからです。この本の内容が悪いわけではないのですが、、、いざ実践となるとハードルが高い。