書籍名
周術期輸液の考え方 何を・どれだけ・どの速さ
レビューした人
初期研修医2年目産婦人科志望
総合評価
★★★★★★★★☆☆
読み返し度
★★★☆☆
この参考書を読むタイミング
研修医1年目, 研修医2年目
この参考書を一文で表すなら
周術期輸液の基本
読者の感想
本書は輸液…といっても、「周術期」に焦点を当てた輸液の本です。 周術期輸液の本は一般的な輸液の本に比べて種類が限られています。
その中でも本書は要点が絞られていて、かつすぐ読み終えられる手軽さがあるのでおすすめです。 初めに、一般病棟における輸液と周術期における輸液は分けて勉強したほうがいいと思っています。
周術期はサードスペースの存在があったり、術前絶飲食があったり、refillingを考慮したりと、一般病棟に比べて特殊な状況なので、周術期輸液は、一般病棟での輸液と完全に別物として考えるべきだと思います。 研修医が遭遇する例としては、術後に尿が少ないとcallが来て、術中のin out balanceを計算して補液を決めることもありますし、麻酔中に尿少ないですと言われて維持量を計算してみると実は全然輸液足りてなかったり…ってこともあります。
この本のいいところは、そのような術中の生理的変化や術後のrefillingなどが易しくまとめられていて、かつページ数も少ないので読みやすいところです。 そしてこれは個人的な印象ですが、周術期輸液はサードスペースもろもろ含め、考える/見るべきポイントが増えるので、勉強していてややadvancedだと感じています。
よって、『より理解を深める!体液電解質異常と輸液』などで基本的な体液動態をおさえてから、周術期輸液を勉強することをおすすめします。