個別まとめ

【初期研修医向け】産婦人科医まごさんの分野別おすすめ参考書まとめ!

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こんにちわ、サイト運営の川良です

今日は久しぶりに先生別のおすすめ参考書まとめ記事を公開したいと思います

今回、当サイトに掲載させていただくのは

「産婦人科医まごさん」先生です! 
 

産婦人科医まごさん先生は、その名の通り、産婦人科シニアレジデント1年目の先生であり、今回、先生にご協力いただき、

twitterで行っていた47冊もの#1日1冊医学書レビューを転載いただくことになりました!

この医学書レビューは、まご先生が初期研修医だった際に、「広く・深く」医学を学ぶために精力的に学習を続けた粋を集めたものです!

また、まご先生のtwitterのアカウントを見ていただくと分かるのですが、医学書レビュー以外にも、精力的に情報発信を行っていたり、

2021年4月から後期研修医となったまご先生の、生き生きとして誰もが応援したくなるようなツイートが溢れていたりと、

思わずフォローしてしまうようなアカウントですね!笑

さて、川良の個人的な感想は置いておいて(笑)、早速レビュー本文に入っていきたいと思います!

ツイートにある元形式の評価項目を医学書レビュー.com用に改変していただいたので、いつも通りの形式で書いていきます!

それでは以下から好きな診療科・参考書をお選びください

救急科

外科全般

内科全般

循環器・心電図

抗菌薬

集中治療・人工呼吸器

腎・体液管理

小児科

麻酔科

産科・婦人科・乳腺外科

医学統計

医学雑誌

知っておくと便利な予備知識

救急科

書籍名

当直医マニュアル

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総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★★★★

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

ERローテの強い味方

 

読者の感想

本書の優れている点は、ポケットサイズにも関わらず、充実した情報量という点です。

目次を見てみると、一般的な内科疾患はもちろん、外傷、眼科耳鼻科皮膚科などのマイナーエマージェンシー、小児疾患まで掲載されています。
救急当直でファーストタッチを任せてもらえるときの強い味方になりますし、そうでなくとも、ホットラインが鳴ってから患者さんが当直するまでに該当箇所を読んでおくことで、診療の流れをイメージすることができるのでまさに救命科ローテにはうってつけだと思います。

そして僕の個人的押しポイントは、この小ささ(お尻のポケットにも入りそう)、この情報量に関わらずメモ欄が要所に設けられている点です。病棟ルール(何倍希釈とか)、追加で勉強した情報なども書き込めるのは◎です。
使い込むほどより充実したあんちょこ本に仕上がっていくと思います。

書籍名

当直ハンドブック

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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

 この参考書を一文で表すなら

研修医あんちょこ本、最初の一冊(当直はこれ1冊で解決しそうです)

 

読者の感想

救命当直や二次救急外来を経験する研修医をターゲットにしてある本です。 まず1番にいいと思ったのが、外傷のページが充実しているところです。

僕は救命当直の時、内科救急の本とJATEC外傷初期診療ガイドラインを毎回行き来してましたが、この本はそこが一冊にまとめられていていいですね。
婦人科・小児救急領域もしっかりページが割いてあります。 内科の二次当直してて思うのは、やはり要所で産婦人科の疾患がチラつくんです…(僕が産婦人科志望だからでしょうか…) そういう時、内科疾患だけでなく婦人科疾患が充実しているあんちょこ本が手元にあるのは、かなり心強いと思います。

アルゴリズム類もしっかり載っています。 ACLSだけでなく、PALS、外傷初期診療など、これらのアルゴリズムを調べたい時にいちいちいろんな本をひっくり返さなくてもこれ一冊で解決できるのは個人的にとても魅力です。むしろ解決まで2分いらないと思いました笑

三次救急の当直ではある程度プロトコールに沿った対応も求められますので、主要なページは付箋をつけておいて然るべきにすぐ見れるようにしておくと診療が捗りそうです。目的のページにたどり着くまではどうしてもEvernoteとかよりも本・紙のほうが早いので…
4月から研修医の方も含めて、研修医の当直あんちょこ本としてぜひおすすめです!

書籍名

BLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2020 準拠

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総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

 この参考書を一文で表すなら

 入職時に受けることをお勧めします

 

読者の感想

参考書兼、講習会レビューとなります。

そもそも講習についてですが、
講習の種類はBLSのような心肺停止に対する対応を学ぶものもあれば、より高度な蘇生を学ぶコースがあったり、はたまた外傷の対応、母体急変、脳卒中、新生児蘇生などさまざまな種類があります。
講習全般は学生でも受講可能な物も多いですが、実際に臨床の場に立つ+患者さんと対面で接する機会の多い我々研修医は、受講する意義はとても多いと思います。

今回紹介するBLSは胸骨圧迫と人工呼吸がメインで、大学入学時や教習所、OSCEでもやったかと思いますが、それにプラス小児の処置が入って、全部でBLSです。

BLSは就職したら受講義務な病院も多いのではないのでしょうか。
当院は入職時オリエンテーションに含まれていました!

受講内容もある、胸骨圧迫と人工呼吸、チームダイナミクスは急変対応の軸であると思っていますので、病院で受講が義務付けられていなくても自分で講習を探して受講することを強くおすすめします。

春から研修医の方は、就職病院でBLSの開催があるか、チェックしておきましょう!

書籍名

ACLSプロバイダーマニュアル AHAガイドライン2015 準拠

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¥7,623 (2023/12/10 16:52:30時点 Amazon調べ-詳細)
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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

 この参考書を一文で表すなら

 院内心停止をはじめとする、院内トラブルの備え

 

読者の感想

ACLSは、BLSの知識をもとに、アドレナリンやアミオダロンなどの薬剤投与の領域が入ってきます。その他、徐脈、頻脈の対応、急性期脳卒中などが含まれます。

ACLSは個人的に習得してよかったと思っています。
先日も述べた通り、初期研修医は実際に臨床の場に立つ+患者さんと対面で接する機会の多い立場なので、院内心停止などのトラブルに遭遇することもあります。

当院では院内心停止は救命科へスタットコールですが、到着までにACLSを展開できれば救命の質も上昇するのかなと思っています。
自身も院内心停止のファーストタッチを1件だけ経験しましたが、ACLS講習で学んだチームダイナミクスが活きたのか、CPRや上級医へのコール、看護師への指示出しなどができて、受講しておいてよかったと感じました。

難易度はやや難かもしれません。
心停止の波形の判別、頻脈、徐脈波形などの心電図解析が必要になってくるので、ACLSアルゴリズムに入る前に基本的な心電図波形を読むトレーニングが必要と思います。

テキスト代、受講料もBLSに比べやや高価ですが、初期研修のうちに習得することで、院内急変に一つ大きな自信がつくと思いますので、受講することを強くおすすめします。

書籍名

外傷初期診療ガイドライン―JATEC

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¥16,500 (2023/12/10 11:58:17時点 Amazon調べ-詳細)
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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

日本外傷学会・日本救急医学会からJATECを紹介します。
後述しますが、僕は専攻には通ったのですがコロナの関係で講習会自体が中止になってしまいました。
ですが、ガイドライン自体がとても充実していて、今でも開くことがあります。

(気づいたら第6版が出版されていました…)

内容は外傷の一次評価、二次評価、FASTの評価の仕方や胸骨盤レントゲンといった画像評価まで幅広いです。
ガイドラインを購入すると、付属のIDからJATECのe-learningに入ることができ、気管挿管や胸腔穿刺、輪状甲状靭帯切開などの手技のビデオを視聴できます。
このように、本書は教科書と映像講義を兼ねた内容になっています。

JATECを受講しようと思ったきっかけは、僕が救命ローテで外傷を多く引き当てて、その評価をできるようになりたいと本ガイドラインを読んでいたら、上級医の先生に受講してみるのもいいんじゃない?と勧めていただきました。

JATECは選考があり、応募するも落ちるを繰り返していたわけですが、2年目の4月に受講が決定。したのも束の間、コロナによって講習会自体がなくなってしまい、いまだに受けられずじまいです。

ガイドライン自体はとても読みやすく、今でも教科書として開くことが多いです。
救命をローテすると外傷患者さんを診ることがあると思いますが、内科疾患と違い外傷は一次評価のやり方も異なります。救命ローテーションの心強い味方になると思います。
また、e-learningも充実しているので、手技の予習としても使えます。

救命ローテーションは外傷診療が一つの大きな壁かと思います。
命救を充実した研修期間にするためにも、本書を購入してみてもいいかもしれません。
感染症の情勢が落ち着いたら、講習会の受講も検討してみましょう。

外科全般

書籍名

研修医のための見える・わかる外科手術

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★★

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目, 医学生にもおすすめです

 

この参考書を一文で表すなら

外科手術、手順を予習するならこれ

 

読者の感想

外科ローテ専用かと思う題名ですが、僕は麻酔科、救命(術後ICU)の研修でも役に立ちました。
この本を読むことで、ざっくりですが手術の進行をイメージできるようになります。

手術は「今何を切っているのか」「これから何をするのか」などがわからないと辛いと感じがちかと思いますが、逆にここがわかってくるとぐっと面白く感じたり、興味が出てくるのではないかと思います。そういう点では学生の外科実習で読むのもいいかもしれません。外科系に興味を持つきっかけになると思います。

個人的には外科研修の時に読むならネッターなどの解剖学アトラスも一緒に読むといいと思います。
麻酔科研修なら麻酔のあんちょこ本、ICUなら周術期の参考書と組み合わせることを強くお勧めします。麻酔科も手術の予習として使えますし、術後ICUも手術内容を把握したいときに使えます。意外と外科ローテ以外の時にも使える活躍する1冊です。

元から外科系には興味なくて、1か月のdutyだけなんとかしたい!みたいな人にも実はおすすめです。進行がわかるだけで、外科ローテは楽しくなってくると思います。
ただわざわざ購入するのも勿体ないので、持っている友達に、該当するページだけコピーするのでもいいと思います。
手術記録を書くには情報が少ないかもしれません。志望外科で執刀などさせてもらえるようになり、手術記録書いて!と言われたら別に成書を購入しましょう。

書籍名

 周術期輸液の考え方 何を・どれだけ・どの速さ

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

周術期輸液の基本

 

読者の感想

本書は輸液…といっても、「周術期」に焦点を当てた輸液の本です。
周術期輸液の本は一般的な輸液の本に比べて種類が限られています。その中でも本書は要点が絞られていて、かつすぐ読み終えられる手軽さがあるのでおすすめです。
初めに、一般病棟における輸液と周術期における輸液は分けて勉強したほうがいいと思っています。

周術期はサードスペースの存在があったり、術前絶飲食があったり、refillingを考慮したりと、一般病棟に比べて特殊な状況なので、周術期輸液は、一般病棟での輸液と完全に別物として考えるべきだと思います。
研修医が遭遇する例としては、術後に尿が少ないとcallが来て、術中のin out balanceを計算して補液を決めることもありますし、麻酔中に尿少ないですと言われて維持量を計算してみると実は全然輸液足りてなかったり…ってこともあります。

この本のいいところは、そのような術中の生理的変化や術後のrefillingなどが易しくまとめられていて、かつページ数も少ないので読みやすいところです。
そしてこれは個人的な印象ですが、周術期輸液はサードスペースもろもろ含め、考える/見るべきポイントが増えるので、勉強していてややadvancedだと感じています。よって、『より理解を深める!体液電解質異常と輸液』などで基本的な体液動態をおさえてから、周術期輸液を勉強することをおすすめします。

書籍名

周術期の臨床判断を磨く―手術侵襲と生体反応から導く看護

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

周術期を勉強するならこれから

 

読者の感想

今日も看護師さん向けの本で、僕が勉強になった本を紹介します。

外科系に進む方は特に、周術期を勉強するには本著を強くお勧めします。
他の周術期輸液の書籍も紹介していますが、この本は周術期の水分動態意外にも術後の生体反応や疼痛管理、術後せん妄など幅広く描かれており周術期総論を学習するのにぴったりです。

本書は周術期に焦点を当てた本の中でも、Mooreの術後回復過程、術後腸管麻痺、術中体位別の神経障害の範囲は表やイラストが多く非常に理解しやすかったです。

範囲が広いのもあってボリュームもやや多めですが、一度通読してみてもいいと思います。僕は勉強した翌日から、周術期の患者さんをみる目が少しずつ変わってきた気がします。
値段も3000円と、コスパも◎!

看護師さん視点の書籍を読んで、理解を深める一助になったのはもちろんですが、一層の看護師さんとの連携を大事にしようと思いました。
周術期・術後管理以外にも看護師さんが見ている範囲は医師と異なりかつ幅広く、やはり患者さんに医療を提供するには、連携を積極的に取ることが不可欠と再認識しています。

内科全般

書籍名

内科レジデントの鉄則

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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目

 

この参考書を一文で表すなら

初期研修で最初に読むべき1冊

 

読者の感想

僕が研修医になって、一番最初に買った本です。

目次を見てみると、
A: 当直で呼ばれたら
B: 内科緊急入院で呼ばれたら
C: 入院患者の管理で困ったら
というように、当直、外来、入院の研修医3大状況を設定して書いてあり、研修医として対応すべき状況を大きく3ボックスで分けられるので頭の中で整理しながら読み進められます。

また、「研修医って何から勉強すべきなの?」というような状況に、知識の下地を引いてくれるようなイメージです。
輸液、栄養、鎮痛鎮静、抗菌薬、血液ガス分析といった、初期研修で勉強しておくといい範囲が陳列されているので、4月からの勉強のスタートダッシュにも一役買ってくれます。購入して、パラパラ程度で通読しておくといいでしょう。
より興味が出てきた範囲や、詳しく勉強したい範囲はこの本をベースに他の書籍の購入を検討し広げていくといいと思います。

なにより、これだけボリュームがあって4000円で買えてしまいます。コスパも申し分ないので、4月からの最初の1冊にぜひともお勧めします。

書籍名

 検査値を読むトレーニング

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

臨床検査・最初の一冊

 

読者の感想

臨床検査の本をご紹介します。研修医の机にも、ちらほら見かける本ですね。

栄養状態の程度は?
この人の肝腎機能は?
凝固線溶の異常は?

これらを採血データに基づいて、解説できるようになる本です。
国家試験では問われにくいけど臨床に出るとめっちゃ使う…みたいな範囲が全13単元に絞られ解説されています。
国試は5択といえど究極◯×問題なので、このような評価を問われる問題っておそらく出しにくいんですよね…
一度、採血データの見方を整理しておくという意味でも「初期研修最初の一冊」におすすめします。
病棟の患者さんでもほとんどは入院中に採血取ってると思いますし、ICUなどのユニット系では定期的なルーチン検査と全身評価が必要なので、僕自身救命・集中治療科ローテーションの時はこの本に助けられました。

この本には具体的な症例がそれぞれの単元のあとに掲載されています。
「Q.この人の栄養状態を評価してください」といった形で、アウトプットの場がすぐそこにあるというのもいい点ですね。

なんか難しそう…ってそこまでの心配はいらないです。基礎医学的な部分は多々ありますが、単元は栄養状態、肝腎機能といった実臨床で遭遇する物を中心にしてあって、臨床検査の評価は繰り返しアセスメントして身につくものだと思っているので、一度読んでみることをおすすめします。

書籍名

頻用薬の使い分け

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総合評価

★★★★★☆☆☆☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目

 

この参考書を一文で表すなら

ちょっとした処方にこだわりができます

 

読者の感想

解熱鎮痛薬、胃薬、便秘薬といった研修医でも処方する機会の多い薬の使い分けについて、全19項目にわたり解説されている本です。
たとえば便秘薬一つとっても、酸化マグネシウムとかセンノシドとか種類も豊富で、作用機序も違います。

研修が始まって4月5月、「先生、〇〇さんが便出てなくてお薬検討してください!」とNsさんから言われるも(種類多過ぎて何がいいの…?)ってなることもしばしば。そんなときの強い味方です。
研修に必須ではないと思いますが、種類を学び使い方を覚えてくると、処方にこだわりが出てきて患者さんの診察もより詳細になるかと思います。

読むおすすめ時期は、研修始まって病棟ルール覚えて薬の名前も知ってるのが増えてきた7〜9月です。
4月5月では少し難しいかも?

書籍名

 ケースで学ぶ不明熱の診断学

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4830620471

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

不明熱の臨床像

 

読者の感想

題名の通り、不明熱の全37症例が掲載されていて、自分でも考えながら読み進められる1冊です。
ケースの中には、「抗菌薬に反応しない発熱は…」「男性の尿路感染」「敗血症性ショックの原因は?」など、研修医でも遭遇しそうな症例がちらほら…

最初に症例が提示されて、
①review of system
②検査結果
③Problem list
④鑑別診断は?
というように全症例同じ形式で書かれているので、内容に一貫性があり、読みやすいです。
自分も発熱患者、治療に難渋したときにこんなふうに診療を進めていけばいいんだな、こういう考え方もあるのか、というイメージも湧きます。

筆者の先生がどう考えたかも載っているので、ちょっとしたフィードバックをもらえたような感じになります。
前回の本で総論を勉強して、今回のは各論・実践編ってイメージです。
この1冊だけ読むのも面白そうだけど、前回の『この1冊で極める〜』を事前に読んでおくとより楽しめるかなと思います

書籍名

この1冊で極める 不明熱の診断学

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4830620277

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

不明熱の勉強の導入に

 

読者の感想

一時期不明熱の勉強ばっかりしていた時があって、この本はその導入に使おうと思って買いました。
内容も学生〜初期研修医向けで読みやすく書いてあると思います。
「不明熱の診断学」は『この1冊で極める』と『ケースで学ぶ』の2つあって、今回は前者の方を紹介します。

そもそも不明熱とは?という定義から入り、感染症Durackの不明熱分類に基づいた解説がなされています
この本の気に入っている部分は、後半は病歴聴取や身体所見、検査など、まさに研修医が明日にでも使えそうな知識がたくさん載っています。

「CRPをどう使うか」「血液培養の読み方」「生化学検査のどこに注目するか」などの臨床検査の見方も交えてあるので、不明熱を通して自身ラボデータの見方もブラッシュアップできそうです
よって、この本は臨床検査や診察ありきという印象ですが、「具体的な臨床像は?」といった興味が出てきたら『ケースで学ぶ不明熱の診断学』もセットでお勧めします。
こちらのレビューは後述します。

書籍名

 不明熱に絶対強くなる ケースで身につく究極の診断プロセス

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

不明熱を体系的に学べる

 

読者の感想

以前も不明熱の書籍を紹介させていただきましたが、今回紹介する書籍もまた違って読みごたえがあります。
本著は前半が不明熱の総論各論、後半はケーススタディとなっており、一冊にまとめられています。

気に入ったポイントは、「不明熱へのアプローチ13か条の原則!」というのが前半のメインに取り上げられていて、それに則ったケーススタディで解説されているので非常に体系的であることです。

あとは全体的にカラーだったり、口語調だったりと臨床現場をイメージしやすい作りで、読みやすい印象でした。

内容も不明熱疾患のことだけでなく、病歴聴取のポイントや検査オーダーなど広く書かれており、発熱外来やER当直にはとても上手く活用できそうです。

内科志望の方にはおすすめの一冊です!

書籍名

 忙しい人のための代謝学

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羊土社
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総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

基礎生化学を休み時間に復習できます

 

読者の感想

この本は僕が2年間で一番読み込んだ本です。

我々が学生時代に必死で覚えた生化学がすっきりまとめられています。
僕が集中治療・救命ローテの時に栄養について勉強していました。
そのうちに、「アミノ酸から糖新生ってどうなってるんだっけ」「乳酸ってできたあとどうなる?」など基礎医学の疑問がちらほら…
そこで生化学をもう一度勉強し直そうと思い、本書を購入。

ところで、臨床に基礎医学は必要かどうか。自分は現時点で断固Yesです。
研修医は臨床医の中でも基礎医学を勉強して間もない立場にいます。
臨床で行われる検査・治療等の医療行為はすべて基礎医学から根付いており、研修医という初学者の立場だからこそ「なぜこうなるのか」を面倒と感じても逐一基礎に立ち返って学ぶ必要があると思います。

本書の著者・田中先生のお言葉をお借りしますが、
『自ら調べ、自ら考え、自分なりの答えを見つける』
そのために、僕は一臨床医としてこれからも基礎医学を学び続けようと思っています。
以前ツイートもさせていただきましたが、基礎医学系の参考書はそのまま取っておくといいと思います。

生化学に関しては、本書はボリュームも多すぎず研修の昼休みとかに読めちゃいそうです。生化学をもう一度勉強し直したい方におすすめ!

書籍名

 シンプル病理学

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南江堂
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4524249346

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

読者の感想

初期研修期間に1か月間、病理診断科をローテーションさせていただきました。

短い期間でしたが、上級医の先生に「まずは病理総論額学を学びなおし、用語を正確に使えるようになること」と御指導いただきました。その時にご紹介いただいた書籍です。

学生の時、本書は病理学講義の時に何人かは持っていた印象です(自分の大学の病理は過去問中心だったので僕は参考書を1つも持っておりませんでした…)

萎縮、過形成などの病理総論を勉強するには本書はイラストも豊富で勉強しやすかったです。

ローテがはじまって最初は総論を勉強して正解だったと今では実感しています。上級医の先生方の知識にははるか遠く及びませんが、同じプレパラートを見て話をするにも総論学は不可欠だと思います。何事も順序、ですね。

病理ローテの標本漬けの毎日は、楽しく勉強できとても有意義でした。

産科を主にやりたいと考えている方も胎盤病理学はとても勉強になるので、病理診断科ローテーションはお勧めです。

循環器・心電図

書籍名

心電図検定公式問題集&ガイド

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

参考書を読むのに有用なタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目

 

その参考書を一文で表すとすれば?

何から心電図を勉強するか悩んでいる人へ

 

読者の感想

日本不整脈心電学会が行っている検定で、心電図検定です。
僕は4級と3級に合格しました。
内容も実践的で、かつ検定式で楽しく心電図が勉強できる機会なのでおすすめしたいです。

受験したきっかけは、心電図は学生の時から苦手意識があって、研修医になったら心電図は避けられないよな〜と思っていたら心電図検定の広告を見つけ…
問題形式で検定としてなら、モチベーションもなくならずにできるかなと挑戦してみました。

心電図検定はテキストが売っているので、仕事の合間に解いていました。

内容は個人的には実践的だと思いました。
検定というくらいだからマニアックなものばかりなのかと思っていましたが、脚ブロックやPSVT, AFの患者さんは循環器内科を回っていなくてもちらほら見ますし、ST変化も救命ローテでは見ます。

心電図に苦手意識のある方、読めるようになりたいけど何から手をつけていいかわからない方は、まずは心電図検定から始めてみるのもいいと思います。

研修医でなく、新人看護師さんにもお勧め。

抗菌薬

書籍名

抗菌薬の考え方,使い方 ver.4 魔弾よ、ふたたび…

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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

感染症診療を身近に

 

読者の感想

僕にとって、感染症は学生の時から興味のある学問でした。臨床に出て患者さんを診て、この本と出会い、感染症に対する興味はより強くなり、今では「感染症に興味があります!」と自己紹介しています。

感染症って、菌名も長くて横文字だし、抗生剤は種類多すぎるし、とっつきにくいと感じませんか?
そんな方にとって是非お勧めしたい一冊です!

僕は感染症・抗生剤の参考書は何か一冊買って読むことを強くお勧めします。
抗生剤の種類って多い上に人によって使い方が違うので、一貫して勉強する必要のある範囲だと思っています。
しかし研修医は1ヶ月2ヶ月で別の科に行っちゃうので一人のオーベンから学び続けることができません。
そこで、やはり本著のような参考書を読み自分なりの基盤を築き、ローテでブラッシュアップするというスタイルを取って勉強すべきだと思っています。
感染症はどの科でも扱う範囲ですから、一度勉強しておけば2年間のローテーション、およびその後の後期研修でも知識は活用できますし、各科上級医との抗生剤ディスカッションも可能になります。
岩田先生の本やレビューは基本口語調で書かれていますので、この本も全550ページとボリュームがあるように見えますが、その割にスラスラ読めると思います。

研修医向けの感染症・抗菌薬の本はいろいろと読みましたが、この本の好きなところは、

①冒頭で、「ここだけおさえとけば大丈夫、の10の掟」があり、僕はこの部分が岩田先生から我々研修医へのクリニカルパールだと思っています。
「患者の重症度を把握しよう」
「腎機能の確認」
「失敗症例から学ぶ」などなど…
我々研修医にとって感染症患者・抗菌薬使用者の管理は避けても通れないので、自身にとっての基盤を作るという意味でも、この10の掟に目を通すことをおすすめします。

②βラクタム系の解説が僕にとってとてもわかりやすかったです。
βラクタム系って使用頻度も高い上に種類が多い印象があります。セフェムも第一から第四まであって、ペニシリンにはβラクタマーゼが入ってるのもあってややこしい…
こんな場合は前述したように、どの状況で何が使われ、何は使用頻度が少ないか、などある程度優劣をつけて勉強することが必要だと思っています。

各抗生剤に岩田先生のコメントも添えられているので、非常に印象に残ります。
繰り返しますが、感染症ってどの科でも扱う分、誰かが代表して教えてくれるわけでもない印象です(感染症科とか回ったら別かもしれませんが、僕の初期研修病院にはなかったので…)。
その反面、抗菌薬の使い方は研修医の内に基盤を形成する必要があると思いますので、その導入に本書は最適と考えます。

集中治療・人工呼吸器

書籍名

竜馬先生の血液ガス白熱講義150分

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¥2,200 (2020/08/28 22:24:52時点 Amazon調べ-詳細)
4498130286

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

血液ガス読み方の基盤

 

読者の感想

私見ですが、血液ガス分析は研修医のうちに勉強しておいた方がいい範囲だと思います。
特に救命・麻酔科では頻繁に血ガス採血することが多いので、正しく読めて評価できるようになることはかなり大きいです。

血液ガス分析は、代謝性アシドーシスとか呼吸性アルカローシスくらいしかわからないと思っていませんか?
実際僕はそう思っていたので、血液ガスだけで150分の講義って何!?という驚きと、同時に興味があって勉強を始めました。
血液ガス分析では、酸塩基平衡だけではなく、呼吸の評価についてや、酸塩基の代償範囲から詳しい/隠れた病態についても評価できます。

よって血ガスの結果一つから
「呼吸筋力低下→肺胞低換気による急性呼吸性アシドーシス」
「疼痛→過換気による呼吸性アルカローシス+乳酸貯留によるAG開大性代謝性アシドーシス+嘔吐による代謝性アルカローシス」
ここまでアセスメントできるようになります。

そしてこの本のいいところは、「血液ガスを4ステップで読む!」と題し血ガスの読み方を非常に体系的にまとめてあるので、読む順番と流れを覚えてくれば、徐々に臨床で使えるようになります。
あと、150分も要りません。僕は1時間と少しで読み終わりました。
この本を通して、いつもは酸塩基平衡を簡単に解釈するツールでしかなかった血液ガス分析が、2時間弱この本を読むことで見える幅が広がり、血液ガス分析が楽しくなると思います。

今まで「代謝性アシドーシス」としか評価できなかったのが、もっといろんなものが見えて評価の幅も広がると聞くとワクワクしませんか?
このシリーズは問題編もあり、そのままアウトプットするのにも最適です。

書籍名

 竜馬先生の血液ガス白熱講義22問

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¥2,750 (2023/12/10 14:21:38時点 Amazon調べ-詳細)
4498130383

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

血ガス読み方の基盤

 

読者の感想

こちらは「竜馬先生の血液ガス白熱講義150分」の問題編です。
白熱講義150分の内容がそのまま問題になっているのに加えて、呼吸商や尿アニオンギャップの話なども入っています。個人的にはこの本もセットで買うことをお勧めします。

inputは白熱講義150分で行い、そのまま臨床(患者さんのデータ)でoutputするまえにこの本を挟みましょう。outputの際に、自分のなかで築いた解釈が正しい方向を向いているかを例題を用いることで確認する必要があるからです。

これら二冊は1日2日で読み終わることができるほどすっきりまとめられているので、救命・麻酔科ローテーションがはじまっても業務の合間に読めそうです。
僕は血液ガスは結構勉強した方かなと自分では思っているのですが(笑)、その基礎を築いたのは間違いなくこのシリーズでした。翌日から、血液ガスのアセスメントが楽しくなってきたのを覚えています。
今まで紹介してきた『内科レジデントの鉄則』『研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡』にも血液ガスの読み方は載っていますが、これは口語調というのもあってか一番分かりやすかった印象です。

書籍名

“人工呼吸器に活かす! 呼吸生理がわかる、好きになる”

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¥3,630 (2023/12/10 16:58:15時点 Amazon調べ-詳細)
4758117349

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目

 

この参考書を一文で表すなら

生理から人工呼吸器を勉強するなら

 

読者の感想

今回は人工呼吸器の参考書の紹介です。僕は本著から人工呼吸器について勉強を始めました。

僕が1年生の救命ローテーションの時、初めは基本的なモードとパラメーターしか理解しようとしていませんでした。
しかし使い方次第では人工呼吸器が害となり、患者さんを苦しめてしまうということを学んでから、一度生理学に立ち返って勉強しようと考え、購入に至りました。

前半の呼吸生理の部分は、人工呼吸器や患者さんの病態を踏まえながら解説してあるので、学生の時習った覚えのある範囲でも見え方の違いを実感できました。

以前血液ガスの本を紹介しましたが、どちらも田中竜馬先生が執筆されているのもあって、内容に一貫性があり理解しやすく、一緒に購入することをお勧めします。

後半の人工呼吸器の範囲は前半の内容を踏まえた解説になっています。
呼吸器のモード、呼吸器離脱、抜管といった部分がメインで初学者でも読みやすいと思います。

呼吸器生理から人工呼吸器までを1冊の本でまとめてある本は多くないですし、わかりやすさ、値段的にも初期研修医の人工呼吸器入門にピッタリだと思います。

書籍名

 誰でもわかるNPPV

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¥2,420 (2023/12/10 16:58:16時点 Amazon調べ-詳細)
4796523286

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

NPPVわからなくなったらこれ

 

読者の感想

呼吸管理について、NPPVの本を紹介します。
NPPVは人工呼吸器の参考書にちょこっとだけ書いてあることが多いと思いますが、挿管管理とNPPV管理は完全に別物で、両者をしっかり分けて勉強することをおすすめします。

呼吸管理という意味では両者でやっていることは近いかもしれませんが、実際はモードも、画面の見方も、合併症の起き方もいろいろ違うので、NPPVはそれ用の本で勉強しましょう。
本著はフルカラーでイラストも多く、S/Tモードなどの解説もグラフィック画面と患者さんの呼吸パターンに合わせて解説してあるので理解しやすいです。人工呼吸器のPCVとなどと見た目は似ているのでごっちゃになりやすい印象です…
本書は看護師さん向けの書籍であり、マスクの正しい付け方やトラブルの対応、合併症予防などもページを割いてじっくり解説してあるので、研修医でもイメージできて理解しやすいと思います。
あと値段が2200円とお財布に優しいのも◎
NPPV入門におすすめです。

書籍名

 人工呼吸管理に強くなる

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

人工呼吸器管理の各論

 

読者の感想

呼吸生理の本もレビューしましたが、本書は呼吸器のモードについて踏み込んだ内容で、症例問題もあるのでより臨床に即した参考書という印象です。
個人的にはモニター波形の読み方やモード解説が詳しくて良かったと感じました。また、呼吸器管理中の鎮静・鎮痛や人工呼吸器関連肺炎についてもページを割いてあってよかったです。

最初はモードや用語の理解で手一杯かもしれませんが、その次は鎮痛鎮静を始めとする挿管患者さんの具体的な管理が要求されます。
「気管挿管で呼吸管理しているのになんでフェンタニルが必要なの??」など…
その部分に関しては本書はおすすめです。
ちなみに本書も呼吸生理やNPPVについての解説はありますが、それらはそれぞれ“人工呼吸器に活かす! 呼吸生理がわかる、好きになる” 誰でもわかるNPPV
の方がわかりやすい印象でした。

よって人工呼吸器管理を勉強するにあたっては
①『呼吸生理がわかる、好きになる』
②本書
②『誰でもわかるNPPV』
③『人口呼吸管理レジデントマニュアル』
の順番がいいと思います(③は後述します)

挿管管理は患者さんの呼吸以外にも気を配る点が多く難しい印象ですが、臨床に即した本書は大変参考になると思います。

書籍名

 人工呼吸管理レジデントマニュアル

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¥4,180 (2023/12/10 16:52:37時点 Amazon調べ-詳細)
4260038346

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

本書は僕は通読書というより辞書的に使うことが多いです。
レジデントマニュアルシリーズはポケットサイズでページ数も少ないですが、イラストは少なめで細かい病態生理までの解説は多くないので、ある程度地盤を固めた上で読むことをお勧めします。

内容は挿管手技から鎮静鎮痛といった挿管中の管理、トラブルシューティング、合併症、離脱まで幅広いです。

僕の本書の具体的な使い方は、
PCVとVCVの正常波形、ミストリガーの波形、鎮痛鎮静のスコアリング(BPS、RASSなど)、CAMICU…
などのページに付箋をつけておいて、必要な時にすぐ見られるようにしていました。いざというときはEvernoteより、あんちょこ本に付箋をつけていたほうが早いです。

救命科ローテーション中はこの1冊にとても助けられました。
通読するにはやや難しめで、ボリュームの割に値段が高めなのと使用状況が限られる点で購入は必須ではない印象ですが、選択ローテーションでも救命の選択を考えている方や、人工呼吸器管理を踏み込んでやってみたい方には強くお勧めします。

腎・体液管理

書籍名

 研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡

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¥3,980 (2023/12/10 17:33:28時点 Amazon調べ-詳細)
4498123603

総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

輸液電解質に一本踏み込む

 

読者の感想

こちらは僕が輸液の本で一番読み込んだ参考書です。

輸液の本は他にもいろいろ読みましたが、個人的にこの本の好きなポイントは、尿細管の生理が詳しく、かつクリアカットに書かれているところでしょうか。利尿薬の理解もしやすくなります。

他の輸液の本は体液動態を中心に述べているのが多い印象ですが、この本は利尿薬の他にも電解質異常や、中心静脈栄養についても書かれていたりと、より臨床的な印象です。これを一通り読んで理解できれば、上級医との輸液選択、電解質異常の議論に困らないと思います。本書を読み終えたら、周術期の輸液も理解しやすいかと。

内容はややアドバンスドで、基礎的な輸液組成や体液動態を理解してから読むのがベターだと思います。
よって、初期研修始まる前orなりたてのときに、輸液勉強するぞー!と気合い入れて読むには少し早いかも。たとえば『内科レジデントの鉄則』で該当ページを一通り読んで、輸液をある程度処方するようになってから、各論的にこの本で掘り下げるというやり方がいいと思います。

書籍名

より理解を深める!体液電解質異常と輸液

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¥5,500 (2023/12/10 20:43:21時点 Amazon調べ-詳細)
4498123123

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

輸液を基礎医学に則って理解する

 

読者の感想

『研修医のための輸液・水電解質・酸塩基平衡』という本を紹介させていただきましたが、本書の内容は比較すると「体液恒常性」「体液分布」といった基礎医学的な内容重視なイメージ。「Starlingの法則」「Donnan平衡」…どこかで聞いたような名前もちらほら出てきます。

実際研修医が輸液を処方する上でどこまでの知識が必要かですが、細胞内-間質-血管内での水の動き方、レニン・アンギオテンシン系、バソプレシンなどのホルモンの動きについては研修医のうちに一度目を通しておくべき範囲だと個人的に思っています。
特に救命ICUのローテでは、体液移動の原則(例えば「生理食塩水500mlを輸液したら、細胞内間質血管内にどの程度留まるのか」など)の知識は必須です。

その部分が基礎医学に則って書いてあるというのは個人的にかなり良書ポイントだと思っていますが、簡単にであれば体液動態については他の本でも取り上げられていますし、その部分を読むだけに払う金額を考えると、必ずしも購入はマストではないかなと…
他に血ガスの読み方や尿細管についても書いてありますが、正直他のそれ用の本のほうがわかりやすいと思っています。

『内科レジデントの鉄則』などで該当ページを一読した上で、この本の題名にもある通り、”より理解を深めたい”と思ったら、一度立ち読みしてみることをお勧めします。

小児科

書籍名

 時間経過で診るNICUマニュアル

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¥3,080 (2023/12/10 16:52:39時点 Amazon調べ-詳細)
4885637015

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目, 新生児科ローテーションの時

 

読者の感想

NICU(新生児集中治療管理室)は研修病院によってあるところとないところが分かれると思いますが、NICUが併設してある施設で新生児を勉強するならこの本をおすすめします。
僕は産婦人科・周産期志望なのもあって小児科ローテーションでは新生児を中心に勉強したかったので、NICUの参考書はいろいろ口コミ調べたり立ち読みしたりを繰り返していました。そんな時目に入ったのがこの参考書で、気に入ったポイントは題名にもある通り、時間経過で目次が区切られていることです。

新生児を勉強して気づいたのは、半日もすると前とは違う、また別の赤ちゃんになってしまうということです。必要な栄養の量も刻一刻と変わるし、採血の正常範囲も日単位で変わってきます。
そんな新生児の変化を捉え、かつ自身でプロブレムを立てて上級医に上申するためには、循環器や神経といった臓器別ではなく、出生〜3時間、3時間〜6時間というように時系列で見ることも重要であると思いました。
また、6時間後にすべき事、24時間後にチェックする事などがすぐにアクセスできるので、新生児診察・治療の道標になり、上級医と話し合う上でも大変重宝しました。

”臓器別でなく、時間経過で診る”
このコンセプトは新生児ならではなのかなとも思いました。
値段も高すぎないので、周産期志望の方はもちろんのこと、そうでない方も新生児科ローテの頼れるお供になると思います。

書籍名

新生児蘇生法テキスト

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¥4,400 (2023/12/10 16:52:39時点 Amazon調べ-詳細)
4758319987

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

 この参考書を一文で表すなら

 産婦人科・小児科志望なら受講お勧めです

 

読者の感想

日本周産期・新生児医学会からNCPRです。
僕は研修医2年目の10月に取りました。
名前の通り、新生児の蘇生法を学習できます。PALSやBLSとは新生児という点で異なります。

ちなみについこの間ガイドラインが2020版に改訂になってます!(僕が受けたのは2015…)
きっかけは小児科を回ったときに、教授から、産婦人科志望ならアルゴリズムは知っておこう、と言われ、だったら実際に講習会に参加して、体で覚えようと思いました。

会場は助産院で、研修医の僕の他に、産婦人科の先生、麻酔科の先生、助産師さんと、合計で8人程度でした。
3人1組でアルゴリズムを見つつ蘇生シュミレーションを行い、意見を出し合ったりして、とても勉強になりました。
その場で初対面でお会いした産婦人科の先生とは将来の話などができ、輪が広がる楽しさもありました。

産婦人科・小児科など、周産期に携わる科に進む方には受講を強くお勧めします。

麻酔科

書籍名

麻酔科研修チェックノート

総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

麻酔科以外のローテでも活躍

 

読者の感想

・麻酔科ローテでの使い方
麻酔科は手技が多く、気管挿管、中心静脈カテーテル、動脈ライン、18G静脈路などなど…が麻酔がしっかりかかっていて患者さんが動かない状態で落ち着いてできるという点では、1回1回の機会を大切にして習得を図りたいところです。
この本は手技のやり方が非常に丁寧なイラストで解説されているので手技の予習に使えます。貴重な手技の機会も1回目から「やり方がわからないので見学します…」てなことにならずに済んだりします。
あとは術中管理については他のあんちょこ本よりかなりページを割いている印象です。
麻酔科は日々(というか手術によって)上級医が違う、なんてこともありますから、モニターの見方ひとつでも、どうしても習うより慣れろ方式になってしまいがち。
そんな場合にも、この本のように自分を支える参考書があると心強いですし、「各科手術の麻酔」というページもありますから、オペの予習にも十分使えます。
僕の麻酔ローテ中の予習は、
①『研修医のための見える・わかる外科手術』でおおまかな手術の流れを把握
②同じ術式をした麻酔記録を参考
③このあんちょこ本に書き込んで予習する
という3段構えで予習していました。

・他科での使い方
おすすめするのは外科と救命です。
外科の患者さんも、手術が終わった後も術中の麻酔の影響や、術後鎮痛があるので麻酔と切り離されることはありません。
しかし主科は外科なので、麻酔の影響をある程度理解した上で術後管理を進めることになります。
この本は「術後管理」という項も設けられており、他科にいても麻酔のことを調べたい時に使うことができます。
救命も手技が多く、モニターの見方なども麻酔科と通ずる部分も多いので、十分活用できます。

麻酔科以外のローテーションでも使えて、値段も4000円ということから、かなりコスパのいい良書だと思います。
麻酔科はほとんどの初期研修で必修になっているのではないでしょうか。麻酔科研修で僕のおすすめあんちょこ本はこれです。
僕が気に入っているポイントは、麻酔科以外をローテしている時も使えたりするからなんです。

産科・婦人科・乳腺外科

書籍名

 産婦人科研修ポケットガイド

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¥5,720 (2023/12/10 16:58:17時点 Amazon調べ-詳細)
476531829X

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

産婦人科志望でない方にも読んでほしい

 

読者の感想

産婦人科の数あるあんちょこ本のなかで、この本は産婦人科を志望してない人にも手に取っていただきたいと感じた一冊です。

産婦人科は周産期、腫瘍、女性医学、不妊の4つに大きく分かれます。国家試験を受けてみて感じた方もいらっしゃると思いますが、産婦人科は範囲が広いです…
本書は1か月という限られたローテーション期間で産婦人科学を勉強するのに、踏み込みすぎず、それでいて研修内容は網羅されているような、ちょうどいい情報量がまとめられていると思いました。

この本のいいと思う部分は大きく2つです。
一つ目は、巻頭に「産婦人科研修の大まかな流れ」として、産婦人科研修の心得が書いてあります。
たとえば「内診台やエコーを当てているときは不要な会話は慎む」など…
産婦人科は診察も含めてデリケートな部分が多いと思います。この部分はやや道徳的ですが、ページを割いてしっかり書いてあるのをみると、患者さんに気を配ろうという産婦人科上級医の先生からのメッセージなのだと感じます。

二つ目は、「もっと踏み込んで勉強したい人へ」として、各巻末にガイドラインや参考文献が載っていて、QRコードですぐ飛べるようになっているんです。
例えば「婦人科腫瘍に興味が出てきたから詳しく勉強してみたい!」となった場合にも対応できます。
ポケットサイズではありますが、情報量は充実しているので、ローテーション中に産婦人科に興味が出てきた人にも対応できる、非常に柔軟なあんちょこ本だと感じました。くわしさは★5です。

将来何科に進むか決まっていない方や、産婦人科を現時点で強く志望していない方も、産婦人科ローテーションを期に本書の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

書籍名

産婦人科必修 母体急変時の初期対応

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メディカ出版
¥5,280 (2023/12/10 16:52:39時点 Amazon調べ-詳細)
4840471886

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

 この参考書を一文で表すなら

 産婦人科の他に、救命・麻酔科の先生も

 

読者の感想

J-CIMELS(ジェイシーメルス)は、産後過多出血など、母体急変についての講習会です。
僕はベーシックコースを研修医2年目の12月に受けました。

受講のきっかけは、NCPRを受けた時にお話しした産婦人科の先生に、産科救命志望ということを伝えたら、本講習会を勧めていただきました。
受講者は僕以外に産婦人科の先生、助産師さんの他に、麻酔科と救命科の先生もいらっしゃいました!

J-CIMELSも急変シミュレーションを3人1組で対応し、お互いいろいろ意見し合いながら進めていく形式です。
ACLSやNCPRのように、やはりチームダイナミクスは大事だと感じました。
声を出して、お互い建設的な意見を言い合い、フォローし合う、将来はそんな周産期チームができたらいいなと思いました。

また、母体生理は非妊時の生理と全く異なり、母体急変に関してはあらかじめ知っておかないと動けない部分もあるのかなと思いました。

産婦人科医だけでなく、救命・麻酔科志望の方は本講習の受講をお勧めします。

書籍名

 図説CTGテキスト−助産実践能力習熟段階(クリニカルラダー)®レベルIII認証CTG必須研修対応テキスト

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

CTG(cardiotocography;胎児心拍数陣痛図)はこれで勉強しました。

CTGの参考書は他にもいろいろありますが、僕が本書を気に入っている点は、生理学の解説がわかりやすかったからです。

胎児の圧受容器、化学受容器がどう働いてこの波形になっているのか、生理学的にも解説があると理解しやすいです。

付録には問題集がついていて、知識の確認にもなるので◎

陣痛促進の薬剤ごとの有害事象まで載っています。MFICUに持ち妊婦さんがいるときは、ぜひ目を通して勉強しておきたい範囲です。

書籍名

 症例から学ぶ産婦人科疾患の画像診断

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メディカル・サイエンス・インターナショナル
¥8,580 (2021/12/12 22:29:58時点 Amazon調べ-詳細)
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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

画像診断の参考書ですが、僕にとっては婦人科腫瘍の参考書としても使っていました。

画像についてはもちろん、婦人科疾患の解説もわかりやすかったです。

この本を手にしたとき、そもそも子宮筋腫ってMRIだとどう映るんだっけ?レベルでしたが、そんな状態でも画像診断はおもしろいと思えるくらいにはなりました。

産婦人科ローテーションでは、患者さんのMRIを見ながら本書を照らし合わせて勉強していました。

また、本書は婦人科病理の解説も載っているので、僕が病理診断科ローテーションの時は患者さんのカルテと画像と顕微鏡と本書を並べて勉強していました。


婦人科腫瘍読影の参考書でありながら疾患についての解説も豊富で、産婦人科志望の方は購入を強くお勧めします。辞書的な使い方もできますし、通読しても勉強になります。

書籍名

 産科の必須手技ベスト58: 本当に知りたかった技とコツ

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

『ペリネイタルケア』という助産師さん向けの雑誌の増刊号です。

産科の必須手技という題目で、内容は医師向けにも書かれており参考になります。


分娩体位は医師が直接指示することは少ないですが、体位の意義などは参考書に載っていなかったのでとても勉強になりました。

会陰切開や検体採取のページなどはよく参考にしています。

書籍名

帝王切開のすべて: 助産師だからこそ知っておきたい術前・術後の管理とケアの実践

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

こちらも『ペリネイタルケア』という助産師さん向けの雑誌の増刊号です。

内容はすべて医師向けに書かれたものではないですが、参考になる部分も多い1冊。

内容は術前術後管理や合併症がメインですが、帝王切開の手順や妊娠高血圧などの母体合併症も簡潔にまとめられているので、産婦人科志望の研修医が最初に読んでもわかりやすいと思います。

母子の愛着形成やバースプランなど、助産師さんが積極的に動いてくださる範囲ではありますが、医師としても理解しておきたい範囲です。

書籍名

 産婦人科手術スタンダード

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4758317437

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

読者の感想

後期研修医になり、先輩に産婦人科手術書のおすすめで紹介していただきました。

恥ずかしながら初期研修医の間は手術書は持っておらず、上の先生の手術を見学して手順を覚えてメモするを繰り返していました。今思えば、その段階で手術書を購入し予習に利用すればよかったかもしれません。


いろいろ出版されている手術書の中で本書を選んだのは、帝王切開、単純子宮全摘、付属器切除、円錐切除…と多くの術式がこの1冊にまとまって載っているからです。

その分一つの術式に割いてあるページ数は他の書籍に比べて少ないですが、必要に応じて先輩のをお借りしたり、購入したりして広げていこうと思っています。

総論的な1冊なので、産婦人科志望の初期研修医にもおすすめです。

書籍名

 プロメテウス婦人科がん最新治療

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B00L7OLQH4

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

『産婦人科の実際』の増刊号です。

出版は2013年であり、今では治療がどの程度アップデートされているかは勉強しきれていないのですが(というか購入したとき出版年度を意識していなかった…)、経験を積む過程で知識をブラッシュアップしていけたらと思っています。

内容は、婦人科腫瘍の各論はもちろんのこと、僕自身が婦人科領域の遺伝子変異や分子標的薬が面白いと感じているのもあり、その部分が詳しくわかりやすくのっているのが購入の決め手でした。

病理像も載っていたので病理診断科ローテーションの時は参考にしていました(が、上級医の先生には婦人科病理学の成書を参考にするように!とご指摘いただきました汗)

書籍名

 産婦人科ベッドサイドマニュアル 第7版

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4260034553

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

読者の感想

本書はいつもスクラブのポケットに入っています。

以前紹介させていただいた『当直ハンドブック』『人工呼吸管理レジデントマニュアル』と使い方は同じで、病院での病棟ルールや院内プロトコールなどを書き込んだり、腫瘍のステージング、CTGのレベル分類の部分に付箋を貼ったりして、必要な時に見れるようにしてあります。

それと、個人的には妊娠時・授乳中に使える薬剤が載っているのがうれしいです。

以前『産婦人科研修ポケットガイド』も紹介させていただきました。サイズ感は両者で近いですが、前者は参考書に近く、本書はマニュアル本なので用途によって使い分けています。

産婦人科志望で、より踏み込んだ研修をしたいと思っている方はこちらもおすすめです!

書籍名

 早産のすべて−基礎から臨床,DOHaDまで

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¥9,350 (2023/12/10 16:58:20時点 Amazon調べ-詳細)
4758319952

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★★

 

読者の感想

レジデントの先生方が読んでいるのをみて、自分も買ってしまいました。
日本早産学会が出版している『早産のすべて』です。

始めて受け持った妊婦さんがpreterm PROMの妊婦さんだったので、早産について踏み込んで勉強する機会だと思い、購入しました。

産科ガイドライン2020に準拠しているのがよかったです(その前は2017)
クリニカルクエスチョン式に書かれているので、ページ数のわりに読みやすいと感じています。

これから早産の妊婦さんも多く受け持つと思うので、本書が自分のバイブルになりそうです。

書籍名

 産婦人科エコーパーフェクトマニュアル

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日本医事新報社
¥10,670 (2023/12/10 16:52:44時点 Amazon調べ-詳細)
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総合評価

★★★★★★★★★★

 

読み返し度

★★★★★

 

読者の感想

産婦人科領域の超音波検査を勉強するにあたり、何か自分の主軸になる1冊が欲しいと思い、本書を購入しました。

本書にした理由は大きく2つあって、
1つめは電子版でエコーの動画が見られるというところです。産婦人科に限らず、エコーは動画で見て周囲の構造物や位置関係がわかって初めて静止画で理解できると思っているので、僕のような初学者にとっては動画から勉強できるのはとても助かっています。初学者~中級者対象とも書いてあるので購入の敷居も低かったです。

2つ目は、本書のコンセプトが

①疾患知識と典型画像を頭に叩き込むこと
②きれいに描出するための理論を学ぶこと
③そして、たくさん検査をすること

でありとても共感したということと、やはり最初、典型画像を覚えることから始めるには、本書は1枚のビューの解説が充実しているのでとても勉強になります。


初期研修では、上級医/レジデントの先生方の妊婦健診陪席をすることをおすすめします。できれば胎児スクリーニングの陪席も!


僕には胎児エコーで尊敬する上級医の先生がおりまして(僕が勝手に言ってるだけなんですけど)、その先生の外来に陪席し、本書を一緒に読んで解説いただいた時間はとても勉強になりました。

僕はまだ赤ちゃんのサイズも正確に出せるかどうかの見習い産婦人科医ですが、本書と長い付き合いをしていきたいと思っています。

書籍名

 産婦人科専門医のための必修知識

※こちらの書籍は2021年5月時点でAmazonに在庫がありませんでした。ご購入希望の方はこちらを御覧下さい。

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

日本産婦人科学会から出版されています。
初期研修医を含め、レジデントの当面の目標は専門医なので、僕は産婦人科ローテーション中は本書を教科書代わりにしていました。
踏み込んだ各論的内容はその都度成書を開きましたが、疾患・病態を勉強するにあたり導入は本書がいいと思っています。

本書の目次がないことが難点ですが、頻回に開くページには付箋をつけておくといいでしょう。もしくはA.総論 B.周産期 C.生殖・内分泌といった具合にタックインデックスをつけるのも◎

内容も簡潔なので、初期研修医のうちから所有しておく1冊にいいと思います。

産婦人科・医学雑誌

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金原出版
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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

・『臨床婦人科産科』(医学書院)
・『周産期医学』(東京医学社)
・『産科と婦人科』(診断と治療社)
・『産婦人科の実際』(金原出版)
・『PERINATAL CARE』(メディカ出版)

などなど…

産婦人科の医学雑誌です。

僕は毎号買ってるわけではないのですが、どれも毎月出版されているのでよく医学書コーナーで最新号をチェックしてます。

どれも年に1回の増刊号があったり、症例検討も載っているので一概にどれがいいとかは個人的にはないです。

面白そうなトピックがあって通勤時に読みたい、臨床で参考にしたいなどあればその都度購入しています。

3000円程度で買えるので、ほかの医学書より気軽に買っちゃってます。

書籍名

 コウノドリ

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

読者の感想

これは医学書ではないんですが…(笑)

僕が医学部3年生の時産婦人科を始めて勉強したとき、正直全く興味が出てきませんでした。

過去問通りに出る範囲も多かったのであまり勉強しなかったというのも一因なのですが、なにより男の自分にない組織の勉強をするというのがどうも実感に欠け、頭に入っていかなかったというのがあります。しかも範囲は広いし、病理も出るし画像も出るし…

そんな中、どこかでこの漫画を読んだのを期に(多分漫画読めるアプリだった気がする)産科婦人科疾患のイメージがすこしずつ湧いてくるようになりました。むしろ勉強が楽しくなってきて、6年生になる頃には国家試験で産婦人科は得点源になって産婦人科を志望するまでになりました。

そういう意味でコウノドリが自分に与えたインパクトは大きいです。

笑える話もあれば感動する話もあり、医療従事者でなくとも読んでほしい漫画です。

今度コウノドリ好きな話ベスト10とか書きますかね…!

医学統計

書籍名

いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ①

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

医学統計のおさらいに

 

読者の感想

臨床に出ると、あらゆる場面で統計が共通言語になってきます。
具体的には医学論文、薬剤説明会、勉強会、上級医との会話などなど…
後で『医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究』を紹介させていただきますが、それを読んで
「よし!文献を読むポイントはわかったぞ!」
「ではいざ、自分で
・Patient どんな患者に
・Exposure どうすると
・Outcome どうなるか
に沿って読んで解釈してみよう!」
となったときに、医学統計の勉強は避けて通れません。

医療統計、大事なのはわかってるけど、習ったのなんてだいぶ前だし、もう一回あの重い本を引っ張り出してくるのはちょっと…と思っている方には今回の本をおすすめします。

本書は1巻、2巻、3巻の3部でなっており、この1巻は「まずは統計アレルギーを克服しよう」と題されています。
1巻目の内容はp値や信頼区間をメインに解説されています。
この部分だけを勉強するぐらいなら他の医療統計の本にも載ってますが、この本をおすすめするのは章ごとに問題が載っているところです。
やはりinputしたすぐあとにoutputできる場があるのは助かります。問題が載っているかは僕が参考書を買うときの決め手の一つです。わからなかったらまたその章を読み直せばいい、いわばセーブポイントみたいなものですからね。

このシリーズの2巻3巻も併せておすすめしますが、体系的に読み進めるにはこの1巻から順番に読み始めていくほうがいいと思います。
3つ揃えると10000円近くになってしまいますが、その対価に見合うわかりやすさだと思いますので、医療統計の入門書としてぜひおすすめします。
もちろん研修医だけでなく、看護師さんや、文献を読んでみたい医学部実習生にもおすすめですよー!

書籍名

 いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ②

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

医学統計のおさらいに

 

読者の感想

2巻の内容は研究デザイン、感度・特異度が中心です。

前向き/後ろ向きなどの研究デザインについては、リスク比・オッズ比についても合わせて図説がしっかりしているので助かりました。やはり2×2の表で対比してあるとわかりやすいです。
研究デザインは臨床統計を読む上でかなり重要になってくると感じていますが、言葉で理解するのがなかなか難しい印象でした。
感度・特異度については国家試験では問われやすい範囲であり、計算式などで理解している方もいらっしゃると思いますが、実際の統計データを前に解説してあるのは個人的に良かったです。
計算まではなんとかできるけど、では実際患者さんにどう使うか?というところが大事だと思います。

書籍名

 いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ③

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

医学統計のおさらいに

 

読者の感想

3巻は実際の臨床研究の読み方がメインです。

本シリーズ3巻目まで読んだ後だと、文献のレビューが少しずつ読めるようになってくると思います。3巻はその仕上げ、といった印象でした。
3巻の具体的な内容はたとえば対象の選択は適切か、数は十分か、ランダム化ができているか、αエラーβエラーについてなど…
1巻2巻の内容をベースにした解説であり、ややadvancedな印象なので3巻に行く前に一度振り返っておくことをお勧めします。

以前ツイートした内容ですが、臨床研究・医学統計を勉強するには
①いろんなレビューを読み論文の構成を頭に入れる
②医療統計をしっかり学び直す
③少しずつ批判的吟味の視点を学ぶ
この3ステップが重要と考えていて、本著は②〜2.5あたりに相当するのかなと思います。

書籍名

EBM実践のための統計学的Q&A

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

臨床研究を読む練習になる

 

読者の感想

医学統計を勉強して臨床研究を読むにあたって、
①いろんなレビューを読み論文の構成を頭に入れる
②医療統計をしっかり学び直す
③少しずつ批判的吟味の視点を学ぶ
の3ステップで勉強を進めていくべきだと僕は考えています。

①は『医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究』
②は『いまさら誰にも聞けない医学統計の基礎のキソ』
がお勧めです。

③は読み手の経験にも左右されるので勉強しにくい点だと感じていましたが、本書を読んでみてとても参考になったのでご紹介します。
ページは見開きで、左に論文とそれに対する設問、右に解答(一例)が載っています。
具体的には、一つの研究に対して
「この研究での比較対象は?」
「この研究デザインは?」
「なぜ各被験者はplaceboを投与されたのか?」
といった設問が並んでおり、それに対する解答も示してあります。

③に関しては、どうしても受け身の解釈になりがちな部分であると感じています。
レビューを読んで筆者の意見を聞いたり、studyのdiscussionを読んだり、上級医の意見を聞いていても、
「ふんふん、なるほど、そういう考えもあるんだな~」で終わってしまいがち。
その部分を本書は問題形式にすることで、自分から文献を批判的に見る練習ができます。
①と②がわかってきたら、本書で論文を読む練習をしてみることをお勧めします。

医学雑誌

書籍名

 レジデントノート

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

参考書としても使える医学雑誌

 

読者の感想

レジデントノートはご存知の方も多いと思います。
毎月1冊特集が組まれて発売されます。
本院の研修センターには全巻が本棚に置いてあって、(多分購読してる?)全巻見れるようになっています。

レジデントノートは書き方も平易でイラストが多く、1つのトピックが8〜10ページ程度なので読みやすいですね。あんまり長いとだらだらしてしまうので…

1冊ごとに取り上げる内容が独立しているので、教科書的に読めるのが一番の強みだと思います。値段も2000円程度と非常にお手頃価格で、ちょっとしたあんちょこ本感覚です。

あとは羊土社のホームページでバックナンバーが見れて、そのままPDFで購入することが可能です。そのままタブレットに入れられますし、買って届くまで待たなくて済むのがいいですね。

書籍名

 Hospitalist

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

読者の感想

MEDSi(メディカルサイエンスインターナショナル)から出版されているHospitalistです。
『レジデントノート』や『J-COSMO』など、初期研修医をターゲットにした医学雑誌よりも文字が多い印象ですが、表やグラフも多く、1つのテーマに6ページ程度と長すぎず、最後に必ずSummaryが付いているのも推しポイントで、初期研修医が時間をかけて読むのにいい医学雑誌だと思います。

『レジデントノート』のように、毎号1つのトピックが取り上げられています。
内容が専門的なので、本書を読んで得たことを、我々研修医ができる日常範囲で活かすことはややハードルが高いかもしれませんが、執筆されている先生方の知見・ご意見は大変勉強になります。
産婦人科志望の僕でも産婦人科診療につながるヒントが見つかったりするので非常に楽しく読んでいます。
あと、僕が単純に内科が好きというのもあります(腎疾患2の「妊娠中のAKI」はとても読み応えがありました)。

そしてHospitalistにも巻末に文献・論文の紹介があります。
PICOに沿ったとても簡潔的なレビューなので、知識をつけて、かつ自身の文献の読み方の見直しにもなるのでとても参考になります。

価格は1冊5000円とやや高めではありますが、出版は年4回なので、年間を通してだと『レジデントノート』などとあまり変わりません。
気になるトピックがあれば立ち読みしてみて、気に入ったら購入し時間をかけて読んでみることをお勧めします。

書籍名

 J-COSMO

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総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★★☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

こちらは中外医学社から、JCOSMOという雑誌です。
内容もイラストが多く、言葉も平易で研修医・初学者でも読みやすいと思います。

この雑誌の特徴は内科、救急、画像診断、マイナー科、感染症、など各科の先生が8〜10ページの連載をしているという形態です。

産婦人科志望の僕は、柴田先生の〈目からうろこの女性の診かた〉がとても勉強になりました。女性患者に対する特有の問診の仕方など、非常に参考になります。

僕が好きでお勧めしたいのは、原田先生の〈JCジャーナルクラブ〉です。

毎号一つのテーマに沿った文献がレビューされています。体系的に書かれているので読み方も参考になりますし、各号ごとにテーマが違うのもいいです。(創刊号のテーマは心筋梗塞の除外でした。)

将来の志望科について考え中の研修医の方など、読んでみると新たな発見や刺激があるかもしれません。
教科書的な使い方もできますし、ページをめくって読んでいるだけでも面白いですし勉強になります。

中外医学社のホームページからバックナンバーに移ると、電子書籍という形で購入できます。

書籍名

 J-IDEO

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4498920260

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医2年目

 

読者の感想

中外医学社から、J-IDEOを紹介します!
感染症に焦点を当てた雑誌です。
内容は感染症について先生方が一つずつコーナーを設けて連載していくスタイルです。

感染症のみ、というとなんだかマニアックかもと思うかもしれませんが、以前紹介した『抗菌薬の考え方、使い方』にも書いた通り感染症は研修医にとって身近な存在ですし、意外と読みやすくて知識も得るものが多いと思います。

個人的に好きなのは、症例検討形式のコーナーが多く、自分でも考えながら読み進められます。
そういう点では、研修医、医学生も対象にしているのかなと感じたりします。

新型コロナウイルス感染症もさまざまな先生が取り上げてくださっているので、知識のアップデートに役立ちました。
この雑誌も巻末にジャーナルクラブが設けられていて、岩田先生が執筆なさっています。

岩田先生のレビューは文献一つずつにコメントが添えられていて先生の知見が見られるのでとても勉強になります。
感染症は研修医のうちで遭遇頻度が高いと思いますので、一度読んでみると理解が深まって面白いかもしれません。

ホームページのバックナンバーから電子書籍として購入できます。

書籍名

 DOCTOR’S MAGAZINE

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

ちょっと番外編ですが…DOCTOR’S MAGAZINEです。
民間医局から購読すると無料で毎月届きます!

「ドクターのヒューマンドキュメント誌」とあり、表紙の先生のドキュメンタリーを読むことができます。

この本の好きなところはそこ以外にも、レジナビが書いている臨床研修指定病院紹介ページは、同じ初期研修医の一週間のスケジュールや、インタビューが載っていて、同じ初期研修医としてとても刺激になります。

同じくレジナビが書いている専門医研修紹介ページは、後期研修病院が紹介されていて、後期研修先を悩んでいる方は参考になると思います
何より無料で毎月届きますので、まだ購読していない方は購読することをお勧めします!

書籍名

 ICNR(Intensive care nursing review)

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学研メディカル秀潤社
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総合評価

★★★★★★★☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目

 

読者の感想

今日は集中治療雑誌の中でも、看護師向けのものを紹介します。
学研から出版されているICNRは「クリティカルケア看護に必要な最新のエビデンスと実践をわかりやすく伝える」というコンセプトです。

看護雑誌、看護師向けの本って言葉の使い方、選び方が平易だし、イラストも多めでめちゃくちゃ読みやすいです。
このICNRはそれに加え、細かい部分ですがページの右端に用語解説欄があるのがありがたいです。わからない用語をスマホで調べながら本と行ったり来たりって結構めんどくさいので…

よって救命・集中治療領域における人工呼吸器などのデバイス管理や、呼吸生理に関しては本著を教科書的に利用するのも一つの手だと思います。PICSについては他の医学書よりICNRが一番わかりやすかったです。

医師が看護師向けの本を読むことについて、確かに両職種間で見る角度は多少異なるかもしれませんが、見ている患者さんは一緒なので、患者さんや疾患・病態についてわかりやすく書いてあるというのはいい点だと思っています。

これは救命・集中治療に限った話ではありませんが、
看護師さんが今患者さんに何のケアをやっているのか、そのケアにどのような意味があるのか、何を考えて動くかを知る上でも助けになります。

研修医は立場上、上級医に報告することが多かったり、施設によると思いますが研修医ファーストコールのことも多いです。そういう面では看護師さんの動きから学ぶことは多いと思っています。

以前も参考書選びの時に書いたように、看護師向けの本は上記のメリットがあるので特に研修医は読んでみることをおすすめします。

もちろんあくまで看護師向けなので、医師に限ったフィールドについては別の参考書を読む必要があるかもしれませんが、研修医が最初の方に読む本に看護師むけの本は個人的にアリです。
これからも僕がお世話になった看護師さん向けの本を時々紹介していきます。

書籍名

INTENSIVIST

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総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

MEDSi(メディカルサイエンスインターナショナル)から出版されている、INTENSIVISTです。本書は僕が初期研修2年間で一番通読した医学雑誌です。

僕は産婦人科志望ですが、救命・集中治療領域もローテーションを通して興味を持った範囲でした。
INTENSIVISTで最初に読んだのは「産科ICU」です。産科特有な病態や生理学も、集中治療という別の目線から見ると新鮮で興味深いという印象を受けました。
それからというもの、集中治療を通してさまざまな病態を見てみたい!いろんな先生の意見を聞きたい!と思い、気になるのをポチってたら気付けばほぼ全冊買ってしまったという…

雑誌の構成、値段、出版頻度は『Hospitalist』と似ていますが、集中治療という点から見ているという点と、医師以外に看護師・臨床工学技士が執筆しているコラムがあるのも読んでいて大変面白いです。
救命・集中治療科志望の方でなくとも、自分が将来専門にしたい科が取り上げられている号があれば一度読んでみることを強くお勧めします。きっと、新たな発見や刺激があると思います。

知っておくと便利な予備知識

書籍名

 医師のための介護・福祉のイロハ

総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医1年目, 研修医2年目, 将来的にまた必要になるのかもしれません

 

この参考書を一文で表すなら

医師向け介護福祉の本

 

読者の感想

初期研修には地域研修が組み込まれており、病院によってはそこで往診の研修があると思います。
この本ではデイケアなどの通所サービスや、老健・特養・サ高住などの施設、訪問看護について詳しく、わかりやすく解説されています。
僕は最初は内科を中心に回っていたので、ここで急に施設とかの話になったものですから、地域研修は自分にとって別世界のようでした。

買って読んでみて、介護や福祉については具体的なイメージがつきやすくなり、「他職種連携」とか「在宅診療」という単語に対する苦手意識は薄くなったとは思いますが、1ヶ月の研修では理解しきれない部分もあったので、1か月のローテ期間に対してはちょっとオーバーワークかも知れません。
しかし他にも介護や地域医療の本は買って読みましたが、この本は医師の立場から書いてある本というのもあって比較的わかりやすいと感じました。
今後在宅医療に従事しようとする方や、地域研修1ヶ月をより良いものにしたいと思っている方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

書籍名

看取りの技術 平方流 上手な最期の迎えさせ方

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総合評価

★★★★★★☆☆☆☆

 

読み返し度

★★☆☆☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

読者の感想

僕が地域医療研修の時、在宅医療の現場を見てみたいと思うことが多々ありました。そこで地域病院の院長にお願いして訪問看護師さんに1日着いて見学させていただく日をもうけていただきました。

僕がついた訪問看護師さんは、一見なんでもないように聞こえる日常会話から、患者さんのいろんな表情を引き出していく方でした。そうして一緒に在宅医療を作っていく姿を見て、僕は強い憧れを抱きました。

その訪問看護師さんから貴重なお話を伺っていく中で、在宅医療の現場を見てみたかったんですと伝えると、この本を紹介していただきました。

内容は老衰、疼痛管理、などの医学的なことから、患者家族からの悩みにどう答えるかなどの社会的なことまで内容は幅広いですが、緩和ケアの現場をイメージできて考えさせられる内容でした。
これから臨床医として現場に立って、この本の存在を思い出すたび自分を見つめ直し、そして何度も読み返していきたいと思った本でした。

参考書とはまた違うかもしれませんが、僕の初期研修生活で思い出に残る一冊を紹介させていただきました。

書籍名

 米国式症例プレゼンテーションが劇的に上手くなる方法

総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目, 医学生にもおすすめです

 

この参考書を一文で表すなら

臨床プレゼンの入門書

 

読者の感想

研修医になって公の場でプレゼンがうまくできるか心配な人は多いと思います。学生の時のプレゼンは、自分が治療方針を立てたわけでもないし知識もしっかりしてないので、上の先生の言われるがまま、なんとな〜くできているのかできてないのかわからず終わった…って人も多いと思います。

プレゼンって一言で表してもめっちゃ種類あります。

学生がイメージするのは朝カンファレンスのプレゼンとか、初診患者さんのプレゼンだと思いますが、他にもCPC、ICU By system、回診時、上級医上申、当直帯申し送りなどいろいろあって、センテンスの量もまちまちです。
この本のいいところはこれらの状況別に、プレゼンの一例とポイントが書き連ねられています。

さまざまな状況でプレゼンテーションを組み立てる一助になると思います。研修医になるまでの期間に買って読んだり、学生の臨床実習中に読むのもいいと思います。

書籍名

 医師として知らなければ恥ずかしい50の臨床研究

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総合評価

★★★★★★★★☆☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

この参考書を読むタイミング

研修医働きたて, 研修医1年目, 研修医2年目

 

この参考書を一文で表すなら

臨床研究をもっと身近に

 

読者の感想

この本は僕が臨床研究を読むようになったきっかけの本です。
「臨床研究って、英語とか、統計とか、難しそう…」と手にする前から敬遠してしまっている人にこそ読んでほしい一冊です。

僕の周りで「研究読んでみたい」って言う人がいると、いつもこれを1冊目に紹介しています。
そもそもこの本、「医師として知らなければ恥ずかしい」と書いてありますが、少なくとも研修医の時点でこれ全ては知らなくても恥ずかしくないと思っています。笑
僕のこの本の好きなところは、そんな知名度の話ではなく、「内科外科を問わず色々な研究が体系的にまとめられている」というところなんです。有名かどうかは二の次。

研修医、学生の方だと、臨床研究と聞くとどうしても英語でわかりにくいというイメージを持っている方もいると思います
この本は、色んな研究を
Patient どんな患者に
Exposure どうすると
Outcome どうなるか
この3つをメインにまとめてあるので、この一冊で「ちょっと興味あるな」って思うところだけでもいいです。
パラパラと読んでみると、意外と「英語のなっがーーーい論文も、肝はこの3つ」だと感じると思います。
3つしかないなら、重い腰をあげてちょっと取り組んでみようと思いませんか?
有意差とか批判的吟味とか、研究デザインとか、そういう話はまた他の本の方が詳しいので別で紹介しています。

臨床研究って難しそうでどうせわかりっこないよ…って思ってしまっている研修医、学生の方々にこそ、この一冊でそのイメージを少しでも払拭できたらと思っているので、僕は強くお勧めします。
ちょうど(ほぼ)全科の研究が載っていますから、将来の志望科、今ローテしてる科のところだけでも目を通してみるのもいいと思います。

書籍名

 あの研修医はすごい!と思わせる症例プレゼン〜ニーズに合わせた「伝わる」プレゼンテーション

総合評価

★★★★★★★★★☆

 

読み返し度

★★★★☆

 

読者の感想

後期研修医になって、状況をプレゼンする機会が格段に増えました。

1人の患者さんについて、上級医はもちろん、他科・他職種に相談しますが、その度にうまく情報を組み立てて話すことが上手にできないという自分の未熟さに直面しています…

小児科は常に連携を取らなければいけないし、緊急オペは麻酔科、お産は助産師さん、社会的ハイリスクの妊婦さんはソーシャルワーカーさんなど。

泌尿器科や消化器外科、放射線科へのコンサルトも多い…

後期研修が始まって、他科・他職種と連携を取る重要性を日々実感しています

だからこそ、簡潔で過不足のないプレゼンが自分の目標です。本書はそういった状況別の一例も載っていて参考になります。

横道に逸れるようですが、
本書にもある、「患者さんの情報は自分が一番詳しくなれ!」というお言葉が自分に刺さりました。

いつまでも上の先生が助けてくれる、ここまでやればもういいか、そんな精神ではだめだ!と自分を律しています。

プレゼンについてはもちろん、医師としての心構えとしても、とても読み応えのある一冊だと思います。

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